5時だよ、ゴハンだにゃん

(元)外ねこさんに支えられる日々と、
野良猫さん一家TNRの記録

ぶっちゃん またね!

2018年12月25日 | つれづれの日々

       
12月18日 ぶちが眠りにつきました。
最期は本当に静かに眠ったまま、お気に入りのマシュマロクッションの上で、ダンナとくぅと
まさおと一歩に看取られて。
私が職場から戻ったのと、ダンナからのケータイが鳴ったのが同時だった。
旅立ちには間に合わなかった。けれど、きっとぶちの耳には私の車が近づいてきている音が聞こえて
いたと思いたい。

昨年の12月25日 食べられなくなったぶちを連れて定期の受診をした。体重の減少が著しいこともあり
回復は難しいと思うと告げられた。最後に少しでも楽になるかもしれないから…と2種類の抗生剤を
打ってもらい、帰宅。抗生剤の効き目を待った。
でもその夜も次の夜もぶちはぐったりしたまま、一息ごとに痩せていくばかりに見えた。
元々覚悟はしていた。その時が来たのだと思った3日目の夜、ぶちは起き上がり、お皿のドライに
興味を示した。けれど食べられない。食べたい気持ちはあるようなのに舌も顎もうまく動かない。
慌てて、チュールをシリンジで吸い上げ口腔内に流してみた。
あの背筋が凍るような歯ぎしり様の音が響いたけれど、それでも飲み込めた。
もう一度、もう一度…少しずつ繰り返してチュールが1本、空だったぶちの胃袋に4日ぶりに収まった。
時間をおいて1本ずつ、焦るな焦るな…自分に言い聞かせながら一晩かけて強制給餌した。
私は本来強制給餌が好きではない。だから苦痛を与えるだけの意味がなければ、しない。
けれど空腹が満たされてペロンペロンと満足げな表情のぶちを前に、この時ばかりは「もっと
食べさせたい」と思った。

なんとか食べることができるようになったとはいえ回復には程遠く…もとよりそんな回復が
望めるわけもなく体調の波は大きかった。
残された時間が数日なのか、1週間なのか、もう少しあるのか…皆目見当がつかないがそれでも
ぶちの猫生だもの、ぶちのしたいように生きられたらいい 生きられるようにしようと決めた。

食べたがるものも食べられるものも日々変わった。
ダンナは喰いつきの良かったイカ風味のチュールをホムセンから買い占めてきたし、私は夜中で
あろうと欲しがる時にお気に入りのドライをカラカラと皿に出すのが仕事だった。小分けパックの
ドライは、都度フレッシュな香りが食欲をそそるのだろうね、喜んで食べた。
お刺身も焼きかつおもよく食べたなぁ。徐々に顎の力が衰えてかなり細かくしないと食べることが
難しくなっても頑張って食べた。
ダンナからもらったあとは、私の方を向いて座って「おまえからはまだもらってないぞ」と
言わんばかりの態度で(笑)じっと見つめた。
私が2Fへ上がると、だれよりも先に起き上がって待っていた。ヘトヘトになって帰宅した
深夜にはおぼつかない足取りなのに、階段まで迎えに出て来てきてくれた。
夜中にお腹が空くと、きまって前足でそっと私の頬をさわって教えた。
私の枕がお気に入りで、毎晩1人と1匹で取り合った(笑)
ダンナの晩酌の酔いが回るころそっと体に寄りかかって眠るのが好きだった。
                
一番最初に陽が差し込むリビングの出窓がぶちの定位置で、最期まで大好きな場所だった。

2002年の春生まれの4兄妹だったがほどなくしろとぶちとくぅの3兄妹になった。
外暮らしをしていた3年の間にぶちも2回輪禍に遭った。幸いにも命を落とさずに済んだが
まっすぐなシマシマしっぽを失った。カラダはタイヤをすり抜けたもののしっぽが巻き込まれて骨折
そこから壊死が進み長かったしっぽの半分ほどが脱落した。骨がむき出しになったしっぽで
戻ってきたぶちの姿をはっきり覚えている。その後去勢オペ時に改めて断尾
けれどある朝、ぶちが興奮気味に咥えてきたものをみてさらに驚いた。それは脱落したしっぽの先
半分だった。「オレね、持って帰ってきたよ、しっぽ! つけてくれる?オレのしっぽ!」

そのしっぽは新聞紙に包まれ乾燥剤を入れた缶の中で16年の時を経て
ぶちと一緒に青い空へ上っていった。

キャットステップに上がることもなくなって、走り回ることもなくなって、ゆっくりゆっくり
歩いていた。
6キロ近かったカラダがどんどん小さくなり、寝ている時間も多くなった。
それでもね、ぶちの存在は大きかったんだな。
そんな小さな小さな姿がなくなっただけなのに、どうしてこうもこの部屋が広く見えるんだろう。


動物には治療の意味が分からない。ましてや望んで治療を受けているわけでもない。
治ってほしい、失いたくない。時間もお金もいくら費やしても構わない。その気持ちは否定しないし
その価値もわかる。
けれど、ともすればそれは飼い主のエゴだけで苦しみを長引かせることになりはしないのか。
それを考え続けたこの4年間だったと思う。
低空飛行ながらもぶちが存えている間に、ちびが逝き、もじゃが逝き、ウォルが逝った。
たくさんの決断をしていく中で、治療よりも大切なことがあるんじゃないかと思った。
治療よりも大切で、飼い主にしかできないこと
「どこよりもだれといるよりもココチヨイこと」それは飼い主と過ごす時間以外にないだろう。
動物は共に生きてくれるだけで、誰かのために生きているわけではない。その子の命の時間を
慈しむことの意味をこれからも考えたいと思っている。



あの日、しろに連れられて初めて越えた自転車屋さんの屋根の向こうに新しい世界が開けたように
しろと一緒にまた屋根を越えていくんだよ。今度は、あの屋根の向こうの虹の橋へ。
猫の神様に逢えたら真っ先に、あのしっぽをつけてもらうの、忘れちゃだめだよ。
           

ぶっちゃん、一緒に暮らしてくれてありがとう。楽しかったよ、だから、またね!

今年もくろくろちゃんのパパとママからクリスマスプレゼントが届いたよ。
くろくろちゃんに逢ったら「ありがとう」って伝えてね。


8 Comments

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Unknown (j-j)
2018-12-25 21:37:54
ぶちちゃん お疲れさまでした
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Re Unknown (しろりん)
2018-12-27 22:46:15
ありがとうございます。
本当によく頑張ったと思います。
いつかまた会える日が来たら誉めてあげようと思ってます
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何度も行きつ戻りつ (みゃー大工)
2018-12-28 11:17:27
私は、最後の呼吸苦がなくて、
眠るようにだったら、
もう最高の死ではないかと思うほど、
壮絶な死に至るまでの低空飛行の日々と通院&死の瞬間ばかり見ているから、、、

ああ、しろりん家で過ごせたぶっちゃんは、
最高の猫生だったと思うよ、そう保証する!!

だからこそ、長生きできたし、
生きるモチベーションを貴女が引き出したのだとね。




最後にブラックジョークを♡
お互いに、お互いの問題親父がどこまで生きちゃうのか、もはや溜息ものですなwwwww
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Unknown (はる)
2018-12-28 19:00:11
またね、ぶっちゃん。
この年の瀬に寂しくなったね。
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Unknown (Chel)
2018-12-29 22:27:32
ぶちちゃん、お疲れ様でした。
皆に囲まれて過ごして、皆に囲まれて旅立って幸せでしたね。
心温まる想い出の数々…思わずホッコリ、でもそれを感じて寂しくもなりました。

ぶちちゃん、ゆっくり休んでね。
今まで沢山ありがとう。
でも時々、トンボと一緒に遊びに来てね。
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みゃー大工さま (しろりん)
2018-12-31 09:46:48
コメントありがとうございます。レス遅くなってごめんなさい。

8月の終わりからはちょっと具合が悪いことが増えて、私がめざした
最期の日々にはならなかったけれど、それでもね、これでよかったと思ってる。
呼吸苦の看取りは本当につらいしキツイよね。兼続で経験して
もう二度とごめんだと思った。今回、酸素濃縮器の出番がなかっただけでも
やっぱりよかったんだなと思う。
何度も食べられなくなって、その度にああ…これまでかって思って。
でもその時にね、いつも思い返してたのが石飛先生の
「食べないから死ぬのではない。死ぬのだから食べないのだ」って言葉。
自分でも不思議なくらい肩の力が抜けてね、ぶちの体がそういう時期を
迎えたと言っているなら逆らえないなぁって。
まだまだシニア世代(自分も含めて)がてんこ盛りのしろりん家。目指すのは平穏死
死を迎える瞬間って、ヒトも動物もやっぱり苦しそうに見えるから、
だから平穏死なんてないんだって言われることもあるけど、平穏って
ココロの在り様だと思うんだよね。最期まで安心して過ごせることを目指して
頑張ろうと思います。

今年もお世話になりました。来年も変わらずお付き合いくださいませ!

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はるさま (しろりん)
2018-12-31 09:57:16
コメントありがとうございます。レス遅くなり申し訳ない…。

あと1週間で、黄泉がえり1年だねーなんて欲を出したのがいけなかったのかなぁ
ぶっちゃんらしく、最期の1日を駆け抜けていってしまいました。
あっちこっち寄り道して、懐かしい子たちと再会して…ちゃんと虹の橋へたどり着けてるだろうかと
若干心配(笑)
ま、しっかり者のしろもちびもさびもいるし、待ちきれなくてしっぽが迎えに出てきてると思うし。
ぶっちゃん、淋しくないと思います。

今年もお世話になりました。はるさん、健康第一で、来年もよろしくお願いします!
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Chelさま (しろりん)
2018-12-31 10:14:16
コメントありがとうございます。いつもながらレス遅くてごめんなさい。

ホントにね、誰からも好かれて一目置かれてたぶっちゃんらしく、具合が悪くても引きこもらず
最期の瞬間もお気に入りのマシュマロクッションの上で、みんなに見守られて迎えました。
兄妹なのに猫団子するわけでもないぶちとくぅだったけれど、ぶちの最期の1日
くぅがずーっと寄り添って寝ていましてね、それをいつもぶちにくっついているまさおと一歩が
見守るという…ね(笑)くぅ姐さんなりのお別れの時間だったんだろうなと思います。
ぶっちゃんのグリーンのとんぼ。たくさん飛びましたねー。
今日もどこかで命を繋いてくれていることと思います。

Chelさん、今年もお世話になりました。不定期更新の上いろいろダメな私ですが
これからもどうぞよろしくお願いいたします!
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