頑張って、派遣きりにあった人。

　酪農家の従業員募集の応募の少ない事を尻目に、連日報道される派遣切り労働者の仕事探し状況。

ある牧場の大型生産法人の社長さんと話した。「従業員募集しているようだけど応募がありましたか」社長さん曰く「なかなかないです」と・・・。

以前にもこの中で記したことがあった、ハローワークで酪農ヘルパー要員の募集を行っているがなかなか応募がないことを・・。

しかし、年が開けて数人からの応募があった。遠くは関西方面からも。
ある若者くんから酪農ヘルパーで働きたいと履歴書が送付されてきた。酪農は全く「未経験の方は1ヶ月間酪農実習していただき、仕事の内容がわかってから採用面接をすることにしている」と伝え、了解いただき来訪した。

実習先の受け入れ農家さんの丁重に指導いただき、若者くんは頑張って実習をしていた。昨年の12月に派遣切りされ、職を失っていただけに、私どもは、仕事を与えれた事に喜びを感じながらも期待していた。

そろそろ面接の時期を決め、採用を決定しようと思っていた矢先に、突然と実習に現れなくなった。「都合で帰ります」との電話だけ。
わずか20日間の実習のみ。
受け入れをお願いした私どもは、受け入れていただき指導いただいた農家さんにも気の毒と気分を悪くさせた思いで一杯だった。

「職が合わない」と言ってしまえばそれまでだが、「どうしてもっと一生懸命に頑張ろうという気持ちになれなかったのか」と少し怒りが覚えてきた。

頑張って、派遣切りにあった人・・・・
　あさ早くから、どんなに寒い日々でも、一生懸命経営をやっている人、従業員として、研修生として働いている人が現にいることを「肝に命じてほしいものだ」と若者くんに心の中で叫んだ。