とある雑誌のイベントで手賀沼へ。
協賛のカメラメーカーからミラーレス一眼と望遠レンズが貸し出され、プロの野鳥フォトグラファーが講師となって、座学+野鳥観察+撮影+講評が昼食を挟んで約6時間行われる。
参加者は抽選で10名。どれくらいの応募があったかはわからないけれど、男女比や年代を見る限り、主催者側がまんべんなく選べる程度には集まったようだ。
一眼レフは譲っていただいたものがあり、写真撮影を生業にする友人に一通りの使い方は教えてもらった。が、ときどき探鳥会に持ち出すもののお世辞にも使いこなしているとは言えず、そんなのが参加してもいいのかなと思いつつも応募、当選の案内が届いた。
あらら、どうしよう! と思って、講師である菅原貴徳さんの「図解でわかる野鳥撮影入門」を買ってみる。
すると冒頭に「よい写真を撮るにはカメラの技術は2割・鳥をよく知ることが8割」と書かれていて、ちょっとホッとしたりして。
ちゃっかりサインもいただきました。
貸し出されたカメラには既存の設定の他、野鳥を撮影するときに想定される3パターンの場面用の設定があらかじめ読み込まれている。そのため、素人があれやこれや付け焼き刃で知識を仕入れなくても、カメラがやってくれる。
鳥を見つけてシャッター押すだけといっても過言ではない。
外に出てまず撮ってみた写真がこんな感じ。なんか食べてるオオバン、赤い虹彩もよく見える。
そして本当にシャッター押しただけ。
鳥撮影モードがあってカメラが鳥を認識してしかも眼に自動的にピントを合わせてくれるっていう、もう人間なにしたらいいの?(笑)
2羽が揉めてる感じだったのでカメラを構えて様子を見ていたら案の定。
待てやゴルァって感じですけど(笑)
こんな風に鳥をよく観察して、次はどうするかな、と予測できるといいシーンが撮れるし、技術的な面でもいい写真(ブレないとか光が適切とか)が撮れると。
だから鳥のことをよく知るのが大事なんだね。
とはいえ、OM SYSTEMのフラッグシップモデル、普段使っているコンデジとは全然違う。
普通のカルガモ。
普通のダイサギ。
いずれも撮ったままで加工もトリミングもなし。自宅のパソコンはわりと美しく表示されるモニターというのも手伝って、見せた家族からも「本当に自分で撮った写真なの?」と驚かれる。
しかも、例えばカワセミの飛び込みのように撮り逃しやすいシーンでも、シャッター半押しで待っていれば飛んでしまった直後でも諦めず押し込むことで、その前のシーン(飛ぶ瞬間)も実は記録されてて写真になるっていうモードがある。
ドライブレコーダーなんかも衝突したらその少し前からの動画が記録されてたりするけど、そういうイメージ。
私はこの日うまく使えなかったけれど、心の中で「なにそれ魔法かよ!」と突っ込んでしまった。時間まで巻き戻せるなんて。
カメラがよくても枝かぶりじゃ、ねえ、という写真。撮影する立ち位置を10〜15センチ移動するだけでもかなり違うと教えてもらう。
どういうふうに鳥に近づけばいいかとか、どこから撮ればいいかとか、実践講座はとてもわかりやすかったし、なにより先生の野鳥への敬意というか、撮らせてくれてありがとうねー、かわいいねー、みたいな気持ちが伝わってきたのが一番の収穫。
ググった時や著書に使われているプロフィール写真はわりとクール系が多かったせいで勝手に持っていたイメージが、(良い方に)違った。
確かに「フォトグラファー」のプロフィール写真がチャラチャラしてたら、ちょっと信用ならないものね。
モズもかわいく撮れる。
部屋に戻って、撮った写真の中から講評してもらう用に参加者それぞれ1〜2枚選んで提出。
講評といっても写真教室ではないので基本的にほめてくださる感じ。
参加者一人一人のコメントを聞いていると写真撮影のスキルもかなり幅広かったし、選ぶ写真も個性が出ていて面白かった。
私が提出したのはこの2枚。
オオジュリン。
ハクセキレイ。
いろんな鳥を見たけどやっぱりいつもの場所でいつも見ているような小鳥が好きで、オオジュリンはピントが合ってないんだけど見つけたその一瞬だけそこにいてくれた。一生懸命くきの中の虫を探して食べている、その様子が撮れてうれしかったから。
1秒に20枚撮れる連写設定でも4枚しか撮れてなかったのに、とにかくカメラを向けてシャッターを押せばこのレベルで撮れるってホントすごい。
ハクセキレイは水を飲みながら首を振るから水滴が飛びまくるし、忙しく歩く(ギリギリまで飛ばないよね)ので脚はブレてるんだけど、そういうセキレイらしい様子が撮れたから。
しかも「見てんじゃねえよ!」っていう感じで目が合ってるし。
まさに撮影技術がない私でも、その鳥のことをよく知っているからそこを補えられた、というパターンで、先生が伝えたかったことを体感した。
おみやげに商品カタログと参加者限定割引クーポンのついたチラシをいただいて解散。
それはもういいお値段ですよ。機能を考えると正しい(むしろ安いのか⁉️)価格設定だけど、即決できる価格でもなく、という感じ。
ミラーレスだから軽いんですよと言われても、これ持って毎朝菅生沼歩くのも現実的じゃないし…。
まあでも実際にこんなカメラを長時間使うような機会はそうそうあるものではなく、勝手に持っていた「私なんかが手を出しちゃいけないもの」みたいなハードルも、様々なカメラの機能を体感することで相当下がったし、とてもいいイベントに参加できてよかった。
で、いつものカメラを持ってもうちょっと沼のほとりを歩いてみる。
物憂げなカワセミが。
うん、手になじんだ3万円のカメラも悪くないんじゃない?
●この日見た/声を聞いた鳥
- コブハクチョウ
- ハシビロガモ
- カルガモ
- マガモ
- オナガガモ
- コガモ
- ミコアイサ(メス)
- カイツブリ
- カンムリカイツブリ
- カワラバト
- キジバト
- クイナ
- バン
- オオバン
- タシギ
- カワウ
- アオサギ
- ダイサギ
- コサギ
- ミサゴ
- トビ
- カワセミ
- コゲラ
- チョウゲンボウ
- モズ
- ハシブトガラス
- シジュウカラ
- セッカ
- ヒヨドリ
- ウグイス(声)
- メジロ
- ムクドリ
- ツグミ
- ジョウビタキ
- スズメ
- セグロセキレイ
- ハクセキレイ
- カワラヒワ
- ホオジロ
- オオジュリン
- アオジ(声)