「ジェイン・オースティン 「世界一平凡な大作家」の肖像」
大島一彦、1997年/中公新書
『世の多くの人達は日常を退屈と見なし、さまざまな形でロマンティックな
世界に憧憬を抱く。ところがここにろマン主義の弱点を見抜き、持前の機
智とユーモアと皮肉と諷刺で平凡な日常を非凡な喜劇的世界に転じた作家
がいる。漱石が「平凡の大功徳」を心得た写実の大家と絶賛し、山本健吉
が「世界で一番平凡な大作家の一人」と評した、英国の天才女流ユーモリ
スト、ジェイン・オースティンである。その生涯と作品の全貌を描く。
(文庫折り返しより)』
すごく読みたかったんです。
本屋さんに置いていないからアマゾンさんで買っちゃいました。
とてもよかった!
様々なオースティン評の紹介と彼女の生涯、そして長編6作品それぞれにスポットを当てた構成です。
一応小説を読んでいない人にも配慮されていますが、読んでからの方がオススメです。
まだ読んでいない小説の章は飛ばして読む、というやり方もできますよ☆
哲学者の田中美知太郎さんは「高慢と偏見」の持ち味は気のきいた、頭のいい会話であると言っているそうです。
それはもう一番の特長の1つですね!
色々と分析して語っている評があれば、とにかく好きで私はジェイン・オースティン狂なのだと述べているものもあります。
そしてこのような賛辞はもちろん、批判も具体的に紹介されています。
「自負と偏見」の章では、"古典的傑作にして現代的純粋小説"と讃えています。
・・・しかしこの作品は、譬えて云えば、モーツァルトの音楽が古くないように古くないのである。
つまり、のちにベートーヴェンやヴァーグナーやストラヴィンスキーが出たからモーツァルトはもう古いのかと云うのと
似たようなところがあって、寧ろ我我はドストエフスキーやプルーストやジョイスやカフカなどを経ているがゆえに、
そして小説の発展の可能性が行くところまで行ったと云う感じを強く持つに至ったために、却ってジェイン・オースティンの
新しさに驚くと云うところがあるのである。それは小説と云うものの原形を再認識する驚きと云えるかも知れない。
いつだったか作家の三田誠広氏が、「自負と偏見」には小説と云うものの基本的な要素がすべてある、
小説を書こうとする者は須く「自負と偏見」を研究するべきだと思う、と筆者に語ったことがあるが、・・・
こういうところから、"純粋小説"と言っているのです。
また、この小説「Pride and Prejudice」には「自負と偏見」「高慢と偏見」の2通りの邦題がありますが、
筆者の大島さんは「自負と偏見」の方が良いと言います。
「高慢と偏見」だと、ダーシーの高慢さにエリザベスや周りの皆が偏見を抱くという、"高慢VS偏見"の構図になってしまう。
prideとprejudiceは、ダーシーとエリザベス、さらには他の登場人物も皆持っているものなので、
"自負心"の意味が悪いように限定されない「自負&偏見」が良いのでは、ということだそうです。
こういう話は、オースティン好きには面白いですよね^^
「マンスフィールド・パーク」の章では、
ヘンリーを悪役にするつもりが書くうちに文句ない人物になってしまい、ファニーと結婚して当然という雰囲気になってしまった。
そこでオースティンは最後の方で内容の一部を犠牲にし、ヘンリーに他の部分と矛盾する行動をとらせ、物語を強引にもとの筋書きに戻した。
・・・と、ジェイン・オースティンの評論を書いているセシルは言っているが、
作者は後のヘンリーの行動を暗示する伏線をしっかり張っており、最初から物語は揺るぐことがなかったと思われる。
という部分が興味深かったです。
「エマ」の章では、なんと読み終わってからもう1周してはじめて、この作品を通読したことになると語っています。
推理小説のような読み方ですね!
この小説は主に主人公のエマ視点で描かれていて、勘違いを思い込む癖のあるエマの誤りに読者が気付かないまま話が進み、
後半エマの思惑が崩れていって「ああ、この考えは間違っていたんだ」とわかる作りになっているからです。
誤解が解けたあと読むと、エマを避けているかのようなジェイン・ファアファックスの行動なども、理解できるようになっているようです。
勘が働く人はエマの間違ったものの観方に気付き、再読の必要はないかもしれないが・・・
ということですが、私は勘は働いたとは思いますが再読は思いつきませんでした!
ジェイン・ファアファックスの行動がおかしかったこととその原因がくっきり結びつかなかったのかなぁ。単なる馬鹿・・・。
推理小説風なのはともかく、詳細な内容をすっかり忘れているので、現在「エマ」再読中です。
外では新しい本を読んで,寝る前に再読物を読みたいのですが,
布団に入って読むと私の場合15分もすれば本が手からずり落ちている状態でして。。
長編の「エマ」は移動中に読み,寝る前にはこの前買った「クマのプーさん」を読んでいます。
そして今、「プライドと偏見」のDVDを観てしまいました。
エリザベス(キーラ・ナイトレイ)可愛すぎだぁぁっ!!!!!
実は今日ぼやーっと検索していたら、"「プライドと偏見」誤訳"というキーワードがあり、
「あっ もしかして、あのシーンかしら!!」とドキドキワクワク。
びんごでした!
このブログなのですが。
前にブログで触れたと思ったのですが触れていなかったようですね。
最初にこの映画をレンタルして観たとき、すっごい不思議だったのを覚えています。
誤訳ー!!!スッキリしましたまじかーそこ駄目だよ一番ー
場面はある人物がエリザベスに「婚約しないと約束しなさい」と言い,
エリザベスが「お約束はできません」と返すところ。
「婚約はいたしません」 だ と !?
誤訳とは思わなかった。。「どうなってんだ!!?????」と思っただけで。
多分私もそのとき吹き替えも聴いてみて、吹き替えはちゃんと訳していたことを確認したはずです。
で、上記サイトの方が新しいDVDでは修正されているようだとおっしゃっているので、
自分が持っているDVDを確認ついでに鑑賞したわけです。
うん、大丈夫になっていました。
(買って観たときも,あれ?ちゃんとなってる。と思った気がします。
修正されたのではなくて私の勘違いだったとでも思ってブログから文章を削除したのでしょうか。
どんだけ流されやすいのw)
原作知らないで誤訳版の映画を観た人は、エリザベスはなんて嘘つきだと思ったままですよね。
その後ダーシーに「あなたは誠実な人だ」と言われているのに。笑
もう、なにがなにやらですよ!プンプン!
字幕つけた奴、原作読んでないのかよ!
今観てたら他にも、誤訳ってほどではないかもしれないけど、足りない字幕を見つけた。
最初の舞踏会シーンで、ダーシーがビングリーに向かって「君はこの会場で唯一の綺麗な娘とだけ踊っている」と言う場面があるのですが
映画の字幕では「君は綺麗な娘としか踊っていない」と言っています。
はしょりすぎじゃない?エリザベスの姉ジェインに夢中のビングリーが、なんかチャラ男に聞こえるよ。笑
このブログ読んでくださってる中にオースティン好きな方いらっしゃらないんですかね
いらしたら遠慮せずに話かけてくださいねー笑
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>画像 イギリスで買ってきたオースティングッズやもらったパンフの一部。
大島一彦、1997年/中公新書
『世の多くの人達は日常を退屈と見なし、さまざまな形でロマンティックな
世界に憧憬を抱く。ところがここにろマン主義の弱点を見抜き、持前の機
智とユーモアと皮肉と諷刺で平凡な日常を非凡な喜劇的世界に転じた作家
がいる。漱石が「平凡の大功徳」を心得た写実の大家と絶賛し、山本健吉
が「世界で一番平凡な大作家の一人」と評した、英国の天才女流ユーモリ
スト、ジェイン・オースティンである。その生涯と作品の全貌を描く。
(文庫折り返しより)』
すごく読みたかったんです。
本屋さんに置いていないからアマゾンさんで買っちゃいました。
とてもよかった!
様々なオースティン評の紹介と彼女の生涯、そして長編6作品それぞれにスポットを当てた構成です。
一応小説を読んでいない人にも配慮されていますが、読んでからの方がオススメです。
まだ読んでいない小説の章は飛ばして読む、というやり方もできますよ☆
哲学者の田中美知太郎さんは「高慢と偏見」の持ち味は気のきいた、頭のいい会話であると言っているそうです。
それはもう一番の特長の1つですね!
色々と分析して語っている評があれば、とにかく好きで私はジェイン・オースティン狂なのだと述べているものもあります。
そしてこのような賛辞はもちろん、批判も具体的に紹介されています。
「自負と偏見」の章では、"古典的傑作にして現代的純粋小説"と讃えています。
・・・しかしこの作品は、譬えて云えば、モーツァルトの音楽が古くないように古くないのである。
つまり、のちにベートーヴェンやヴァーグナーやストラヴィンスキーが出たからモーツァルトはもう古いのかと云うのと
似たようなところがあって、寧ろ我我はドストエフスキーやプルーストやジョイスやカフカなどを経ているがゆえに、
そして小説の発展の可能性が行くところまで行ったと云う感じを強く持つに至ったために、却ってジェイン・オースティンの
新しさに驚くと云うところがあるのである。それは小説と云うものの原形を再認識する驚きと云えるかも知れない。
いつだったか作家の三田誠広氏が、「自負と偏見」には小説と云うものの基本的な要素がすべてある、
小説を書こうとする者は須く「自負と偏見」を研究するべきだと思う、と筆者に語ったことがあるが、・・・
こういうところから、"純粋小説"と言っているのです。
また、この小説「Pride and Prejudice」には「自負と偏見」「高慢と偏見」の2通りの邦題がありますが、
筆者の大島さんは「自負と偏見」の方が良いと言います。
「高慢と偏見」だと、ダーシーの高慢さにエリザベスや周りの皆が偏見を抱くという、"高慢VS偏見"の構図になってしまう。
prideとprejudiceは、ダーシーとエリザベス、さらには他の登場人物も皆持っているものなので、
"自負心"の意味が悪いように限定されない「自負&偏見」が良いのでは、ということだそうです。
こういう話は、オースティン好きには面白いですよね^^
「マンスフィールド・パーク」の章では、
ヘンリーを悪役にするつもりが書くうちに文句ない人物になってしまい、ファニーと結婚して当然という雰囲気になってしまった。
そこでオースティンは最後の方で内容の一部を犠牲にし、ヘンリーに他の部分と矛盾する行動をとらせ、物語を強引にもとの筋書きに戻した。
・・・と、ジェイン・オースティンの評論を書いているセシルは言っているが、
作者は後のヘンリーの行動を暗示する伏線をしっかり張っており、最初から物語は揺るぐことがなかったと思われる。
という部分が興味深かったです。
「エマ」の章では、なんと読み終わってからもう1周してはじめて、この作品を通読したことになると語っています。
推理小説のような読み方ですね!
この小説は主に主人公のエマ視点で描かれていて、勘違いを思い込む癖のあるエマの誤りに読者が気付かないまま話が進み、
後半エマの思惑が崩れていって「ああ、この考えは間違っていたんだ」とわかる作りになっているからです。
誤解が解けたあと読むと、エマを避けているかのようなジェイン・ファアファックスの行動なども、理解できるようになっているようです。
勘が働く人はエマの間違ったものの観方に気付き、再読の必要はないかもしれないが・・・
ということですが、私は勘は働いたとは思いますが再読は思いつきませんでした!
ジェイン・ファアファックスの行動がおかしかったこととその原因がくっきり結びつかなかったのかなぁ。単なる馬鹿・・・。
推理小説風なのはともかく、詳細な内容をすっかり忘れているので、現在「エマ」再読中です。
外では新しい本を読んで,寝る前に再読物を読みたいのですが,
布団に入って読むと私の場合15分もすれば本が手からずり落ちている状態でして。。
長編の「エマ」は移動中に読み,寝る前にはこの前買った「クマのプーさん」を読んでいます。
そして今、「プライドと偏見」のDVDを観てしまいました。
エリザベス(キーラ・ナイトレイ)可愛すぎだぁぁっ!!!!!
実は今日ぼやーっと検索していたら、"「プライドと偏見」誤訳"というキーワードがあり、
「あっ もしかして、あのシーンかしら!!」とドキドキワクワク。
びんごでした!
このブログなのですが。
前にブログで触れたと思ったのですが触れていなかったようですね。
最初にこの映画をレンタルして観たとき、すっごい不思議だったのを覚えています。
誤訳ー!!!スッキリしましたまじかーそこ駄目だよ一番ー
場面はある人物がエリザベスに「婚約しないと約束しなさい」と言い,
エリザベスが「お約束はできません」と返すところ。
「婚約はいたしません」 だ と !?
誤訳とは思わなかった。。「どうなってんだ!!?????」と思っただけで。
多分私もそのとき吹き替えも聴いてみて、吹き替えはちゃんと訳していたことを確認したはずです。
で、上記サイトの方が新しいDVDでは修正されているようだとおっしゃっているので、
自分が持っているDVDを確認ついでに鑑賞したわけです。
うん、大丈夫になっていました。
(買って観たときも,あれ?ちゃんとなってる。と思った気がします。
修正されたのではなくて私の勘違いだったとでも思ってブログから文章を削除したのでしょうか。
どんだけ流されやすいのw)
原作知らないで誤訳版の映画を観た人は、エリザベスはなんて嘘つきだと思ったままですよね。
その後ダーシーに「あなたは誠実な人だ」と言われているのに。笑
もう、なにがなにやらですよ!プンプン!
字幕つけた奴、原作読んでないのかよ!
今観てたら他にも、誤訳ってほどではないかもしれないけど、足りない字幕を見つけた。
最初の舞踏会シーンで、ダーシーがビングリーに向かって「君はこの会場で唯一の綺麗な娘とだけ踊っている」と言う場面があるのですが
映画の字幕では「君は綺麗な娘としか踊っていない」と言っています。
はしょりすぎじゃない?エリザベスの姉ジェインに夢中のビングリーが、なんかチャラ男に聞こえるよ。笑
このブログ読んでくださってる中にオースティン好きな方いらっしゃらないんですかね
いらしたら遠慮せずに話かけてくださいねー笑
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>画像 イギリスで買ってきたオースティングッズやもらったパンフの一部。
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