右のふたつは「四つ葉」です。 左は「五つ葉」
傷ついて育つ四つ葉が幸福のシンボルとなる 白い花咲け
きのうの短歌講座に出した歌です。
「これはこれでいいでしょう」と言ってもらえました。
「塔」5月号の歌
西山も北山も白く霞みたりここにはふはり風花の舞ふ
雪踏めばキュッと音してかまくらを造りしころのわたしにもどる
一軒のあとに二軒が建つらしい「Dream Home」の旗ひるがへり
「オリンピックに出れる」と聞けば「出られる」と口をつきたり 水仙ゆれる
日光を避けねばならぬ人がゐて晴れを喜ぶことをはばかる
映画村をとほる巡回バスに乗る病院までの明るい道を
梶原さい子さんの選でした。
きょうの潮流
“コミュ症”とは、人付き合いを苦手とする症状。または、その症状をもつ人を指す。留意すべきは、苦手とするだけ
で、他人とかかわりをもちたくない、とは思っていないことだ―
▼漫画「古見(こみ)さんは、コミュ症です。」はそんな説明から始まります。『週刊少年サンデー』に連載され、アニ
メやドラマにもなったオダトモヒトさんの人気作品です。人と話すことが極度に苦手な女子高校生が個性的な生徒たちと
友だちになってゆく物語です。
▼コメディーながら、ゆれる心の内や相手との距離感を描いていることが若者の共感を呼んでいるのでしょうか。さて5
月は風薫る陽気とは裏腹に、新しい生活や環境になじめず心身の不調を訴える人が増える時期でもあります。
▼「生きづらさの正体を探る」という副題がついた『「コミュ障」のための社会学』が好評です。社会学者の岩本茂樹さ
んがコミュニケーション障害をつくりだしてしまう現代社会の壁を取り払うヒントを。
▼印象的だったのは「自分とは違った風景を眺めている人たちに思いをはせること」。別の人の目を通して映し出される
世界は自分の視野を広げ、深みを与えてくれる。逆に自分たちが属する集団ばかりに価値を求めると、そこから外れた集
団に反感を抱き干渉を招きかねないと。
▼自国中心主義をあおる権力者によってくり返されてきた悲惨な歴史。のりこえる鍵は不寛容な感情をいかに振り払う
か。閉ざされた風景から開かれた風景へ。今の世を見るにつけ身に染みてきます。
(しんぶん赤旗より)