眉と目と髭と帽子をつけて立つ師走のポストはサンタとなりて
ゴミ箱をドアに挟めば通る風 師走の町のにほひを運ぶ
額と手を差し出し安全確保するどこへ行つても見張られてをり
餌を食む牛たちのやう仕切られてカレーに向かふデパ地下の店
愛宕山白くなれるを眺めつつ東の町へ運ばれてゆく
何者かがくしやみをしたるやうな音ひとりの風呂の隅より聞こゆ
コロナなら口述筆記してもらへない独り苦しく死んでゆくのか
三つ折りの跡のつきたる新札が出てくる睦月のATMに
鍵の外でした
常葉満作(トキワマンサク)
潮流 (4月10日)
「なによりも第一に私は人間です!」。連続テレビ小説「おちょやん」の主人公が叫んでいました。戦争が
もたらした理不尽さにあらがうように。▼「これからは(社会というものを)一生懸命わかろうと思います。
社会と私とどちらが正しいのか、決めなくてはなりませんから!」暗唱したセリフは役者をめざす原点に
なったイプセン「人形の家」の一節。夫から良き妻、良き母を求められた女性がひとりの人間としてめざめて
いく戯曲です。▼敗戦の焼け野原のなか、同じように声を上げる姿がありました。初めて認められた女性の
参政権。1946年4月10日、戦後初の衆院選で約1380万人の女性が最初の一票を投じ、39人の
女性国会議員が誕生。それは政治に新風を吹き込みました。▼それから75年。いま、コロナ禍のもとで
”生理の貧困”が大きな問題になっています。学生の5人に1人が経済的な理由で生理用品に苦労している実態。
体への負担にくわえ、精神的な苦痛も受けています。▼ことは女性の問題ではなく、人間の尊厳にかかわる
人権の問題。社会全体が向き合うべきなのに、これまで男性の視点でつくられた法や政治のなかで生きていく
ための必需品が見過ごされてきました。▼世界ではおかしいと立ち上がった女性たちが行政を動かすことに。
日本でも若い世代の訴えが自治体の支援をひろげ始めています。先駆者は呼びかけます。人間としての貧困を
ただすため、声をあげつづけよう。人に優しい平等な世を作るために。 (しんぶん赤旗より)
この町でも、1月と3月に一回ずつ、「食料支援」の集いが開かれました。
食料の他に、子ども用のおむつや生理用品なども、ほしい人が持って帰れる
ようになっていました。私も、お米やカンパで少しですが協力しました。
次は5月2日に行われることになっています。「共助」です!