さてさて、セブ島もコロナが終わってだいぶたって、人々の生活も落ち着いてきたようだ。
落ち着いてきた、と言っても別にコロナ前に戻ったわけではなくて、コロナ後のライフスタイルが落ち着いてきた、という意味だ。
コロナ前と同じにはもうならないだろうと思う。そもそもセブシティは特別に産業があるわけではなくて、町の発展を英語学習の外国人と外国人旅行者に頼っていたのだけど、世界の経済がこれだけ悪くなってしまうと、外国人がコロナ前と同じほどたくさんセブに戻って来るとは考えられないだろう。
そもそもセブは、一度来たらみんな感じると思うけど、旅行者にとってそれほど魅力的な町ではない。海が近いイメージがあるけど、実際には海が近いわけではない。一番近いリゾートエリアは飛行場のあるマクタン島だけど、マクタンの海は汚れているのでリゾートとしてはお勧めできたものではない。ではセブに何があるのかというと、AyalaやSMといった大型ショッピングモールだけど、ショッピングモールに行くためにわざわざセブまで来ることもないだろう。
英語学習のためにセブを訪れる外国人も多い。その中心は韓国人と日本人で、最近では台湾人もやってきている。ただ、セブで英語を学ぶのが良いかどうかというと、正直なところ疑問符が付く。セブの人にとって母語はセブアノ語であって、英語は第二外国語に過ぎないからだ。英語を学習中の日本人と、英語が第二外国語のセブ人が、お互いに英語を使ってコミュニケーションをとる。お互い第二外国語同士なので話すスピードもゆっくりしているし、買い物程度で話す英語は初級英語で十分なので、なんだか英語を話せるような気持にはさせてくれるけど、実際にはお互いレベルの低い英語で簡単な英会話をしているだけなのだ。そんなわけで本当に英語初級者ならセブ留学もいいだろうけど、英語の実力を高めたいという人にとってはセブは適さないだろう。
と、こんな風に書くとセブ島はあまり魅力のない町に思えてしまうかもしれないけど、実際のところ、なぜみんなセブ島を目指すのかよくわからないというのが本当のところだ。さすがにフライトアテンダントが選んだ見掛け倒しのリゾート地でNo.1に選ばれるだけのことはあるのである。
セブに来るのであれば、むしろ飛行場のあるドゥマゲッティあたりに直接行った方がはるかに気持ちいいだろう。ドゥマの海は非常にきれいで、海から上がった後も肌がさらさらしていてシャワーが必要ないくらいだった。
おまけにドゥマゲッティは町もセブよりもはるかに清潔で、渋滞もなく、空気もきれいだった。
フィリピンに遊びに来るのなら、まあ、悪いことは言わないからセブは避けて、ほかの島に行った方がいいだろう。セブで楽しめるのは都会生活であって、リゾートライフではないのだ。もっとも長期滞在を考えるなら、都会生活のできるセブシティもありかもしれない。もっともその場合は、リゾートライフをあきらめる必要があるのだが。
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