今朝のセブ島 (だいたい)午前6時

セブ島での暮らしや、思いついたことを、だらだらと落書きしています。暇だったら遊びに来てください。

【番外編】「スーパー台風セブ直撃!」の巻 その3

2021-12-29 22:36:00 | 番外編


さて、もともとセブは停電や停水がしょっちゅうあるので、大きなマンションは大抵自家用の井戸と非常電源が備わっている。そして何かあるとそれに切り替えるので、マンションではライフラインは基本的に保たれている。停電はこれまでに何度もあったが、その度にすぐに、本当に瞬く間に、1分もしないうちに非常電源が作動して、冷蔵庫も冷凍庫も無事にすむようになっているのだ。
にもかかわらず、今回は公共部分(エレベーターと廊下)の電気は通じているものの、家庭用の電気は非常電源に切り替わらないでストップしたままだ。そういえばボホールは発電所がやられて電力復帰に最低3週間かかると聞いた。もしかしたらセブもかなり電力供給にダメージを負っていて、マンション側も初めから長期戦に備えて燃料の節約にはいっているのだろう(実際2日目の午後に入って、午後2時から6時まで公共エリアの電力供給もストップされ始めたので、本格的に節約(長期戦)の構えとなった)。
水の供給は今のところ問題ないけれど、この調子ではどうなるかわからない。水汲み用の電源が切れたらこちらもストップしてしまうはずなので、断水に備えて洗濯機に水を溜めることにする。少なくともトイレの水には使えるだろう。
さて、冷蔵庫の中身である。
クリスマスは大抵物価が上がって,しかも買い物に出る人も多くなるので、それを嫌って実は大量に食物が買い込んであったのだ。しかし、その肝心の冷凍庫と冷蔵庫が使えなくなってしまった。
それで、台風2日目は食料の保存を行うことにした。
肉という肉は全部茹でて、まだ熱いうちに食品用のビニール袋に一回分の量に分けて保存した。魚も全て火を通して,同じように一色分に小分けしてビニール袋に入れた。肉の塊は、鳥ももは一つずつビニール袋に入れて蒸した。豚や牛の肉の塊は全部一口サイズに切って、大鍋に入れて煮てそのままフタをして置いておく。そのうちカレーやシチューのスープに使えるだろう。
幸いプロパンガスはまだタンクに半分くらい残っているはずなので心配しないで使えた。結局これで1日が終わった。しかし、まだソーセージやハムやら加工食品が残っている。これらに関しては疲れたのでさらに翌日に同じ作業をすることにした。

【番外編】「スーパー台風セブ直撃!」の巻 その2

2021-12-29 22:29:00 | 番外編


さて、スーパー台風オデットの直撃から一夜明けた次の日、いつものように朝6時に起きて窓の外を見ると、キレイな朝焼けが広がっていた。しかし、撮った写真をアップロードできない。WiFiがダメなのは諦めていたが、データ通信もできなかった(その後データ通信に関しては、不定期にできたりできなかったりとなっていることがわかった)。
仕方なく景色をじっくり眺めて被害を確認することにした。
実は僕は以前中国に住んでいた時にも、歴史的と言われる猛烈な台風に遭遇したことがあった。その時は建設中の建物のクレーンが軒並み折れるという、世の終わりのような光景があちこちに広がっていた。
しかし今回は、窓から見る限り折れたクレーンは見当たらず、みなそのままだった。
やっぱり、大した台風ではなかったのではないか?
しかし、向かいのビルの窓を見ると、8割方の部屋の窓が抜けていた。下の方の住宅を見ると、いくつもの家の屋根の一部が飛ばされていた。ホテルの屋根まで吹き飛ばされていた。
その後街を見に外に出て行って驚いた。道端にある樹木はあらかた枝を飛ばされていて、大きな枝が電線に絡まっていた。ここまでは予想できたが、マクドナルドやジョリービーの看板が吹き飛ばされて,鉄製のポール自体も折れ曲がっている。信号という信号は停電のために止まっていて、秩序を失った車が少しずつ路上に混乱を招き始めていた。
やっぱりそれなりの規模だったのだろうか?
家に帰ると、たまたま中国語のセブの新聞を見ることができた。
空港の管制塔が倒れて飛行場が無期限封鎖になっていた。港では船が座礁していた。
無茶苦茶である。やっぱり今回の台風はスーパー台風だったのだ。
空港と港という物資の窓口が塞がれているということは、街の回復がそれなりに遅れるということだ。中国の時には停電は3日で終わったが、今回はどうだろうか?ハッキリ言って停電は厳しい。携帯の充電ができなくなるだけではない。最悪なのは冷蔵庫が使えなくなるということで、生鮮食品が全て腐ってしまうということだ。
幸いだったのは、今住んでいるところはマンションなので自家用の井戸があり、水の供給はとりあえず確保されていることだった。しかしこれとてもいつまで使えるかはわからない。
とにかく、まずは冷蔵庫の食品を処理しなくてはならない。




【番外編】「スーパー台風セブ直撃!」の巻

2021-12-29 22:19:00 | 番外編


12月16日の夜,台風22号(フィリピン名オデット)がセブを直撃した。夜6時半の時点では、「スーパー台風といわれている割には風もなく穏やかなものだなぁ」という感じで、のんびりビールをあおりながら余裕をこいていられたのだけど、7時を過ぎる頃になって状況は突如激変してしまった。猛烈な風が狂ったように吹き始めて、スーパー台風の攻撃があっという間に始まったのだ。
風向きはうちの部屋の窓とは逆側だったのだけど、向かいのビルにぶつかった風が跳ね返ってくるのか、ひっきりなしに突風が窓ガラスを叩きつけてくる。そのうちに風は窓ガラスだけでなく窓枠ごと揺さぶり始めてきた。これはもう時間の問題だろうと、最悪ガラスの破片が部屋の中に飛び散らないようカーテンを閉めて、トイレに避難した。うちの部屋はスタジオタイプ(つまりちょっと広めのワンルーム)なので、他に身を隠せる場所がないのだ。
するとすぐに「バシーン!」と激しい金属音がして、続いてガラスの割れる音が聞こえた。ドアを開けて部屋を覗くと、カーテンが風に煽られていた。窓がやられてしまったのだ。
台風の襲撃は,予報では夜7時から午前1時までということだったので、10時頃に台風の目に入るはずだった。時間を見るとまだ8時にもなっていなかった。窓が割れて吹きっさらしの状態で、あと2時間。部屋の中はきっとぐちゃぐちゃにされてしまうだろう。一応コンピューター類は安全な所にしまってはおいたが、どうだろうか。家具はもうきっとダメだろう。電気はとっくの昔にストップしている。全くのところ、真っ暗なトイレでただじっと座っているしかできることはなかった。
今回の台風は実に予定通りの動きをした。
夜10時を過ぎると、突然風がおさまった。台風の目の中に入ったのだろうか?しばらく待っても何の音もしなかったのでトイレから出ることにした。箱舟から出てきたノアの気持ちはこんなだったに違いない。部屋の中はどれほどひどい状態になっているだろう?恐る恐る懐中電灯で辺りを照らして様子を確かめた。
非常に幸いなことに、というか意外なことに、部屋は全く荒れていなかった。
窓は4面のうち1面が枠ごとベランダに飛ばされていて、窓ガラスは粉々になっていたけれど、おそらく先に枠が外に飛ばされたのだろう、ガラスの破片はベランダに落ちているだけで、部屋の中には一つも落ちていなかった。当然のことながら、部屋の中には水も吹き込んでおらず、ざっと見たところ他に被害は確認できなかった。
経験から、眼を過ぎてからの後半の台風は、前半よりも遥かに勢力が弱いことを知っていた。案の定、11時過ぎに再び台風が始まったけど、今度はそれほどでもなかった。部屋の向きが良かったのだろう、時折窓ガラスがバタバタと叩かれることはあっても、前半部と比べるとかわいいもので雨の吹き込みもなかった。暴風圏を抜けると言われていた夜1時になると、本当に風も収まってしまった。
とりあえず、困難の時は去ったようなので寝ることにした。ベッドもそのまま使えそうだったのでベッドに横になった。窓ガラスが吹き飛ぶほどの被害があったのに、まさかベッドで寝られるとは思わなかった。
しかし、問題は夜が明けてからだ。電気も止まっているし、当然ネットも止まっているだろう。水道は今のところ使えているけれど、ずっと使えるのだろうか?一体いつになったら復旧することか。
と、こんな感じでスーパー台風オデットの襲撃が終わってくれた。
個人的な被害がそれほどでもないようだったので、この時点では、再び「スーパーと言われていた割には、それほどスーパーじゃなかったんじゃないかな」という気持ちになっていた。
しかし実際のところ、セブの被害は相当なものだった。