先週観に行った歌舞伎座の感想、書いたのにまたまた放置してました。観に行ったのは17日。
今月は歌舞伎は国立劇場一本に絞っていたのですが、12月は面白いと友達に薦められたので、急遽会社帰りに「高杯」と「籠釣瓶花街酔醒」の2幕を幕見で観てきました。
高杯は染様の愉快な舞踊、籠釣瓶~は幸四郎の迫真の泣きの演技と福助の華やかな花魁道中が観れてとっても良かったです。
●高坏(たかつき)
次郎冠者 染五郎
高足売 彌十郎
太郎冠者 高麗
大名某 友右衛門
次郎冠者(染五郎)は、主人の大名某(友右衛門)と太郎冠者(高麗蔵)と共に花見に出かけ、高坏を買ってくるように命じられます。ところが、高足売り(彌十郎)の口車に乗せられ、次郎冠者は高足を高坏と思い込んで買ってしまい、さらに調子に乗って持っていたお酒を飲み干してしまいます。
もちろん主人と太郎冠者に怒られますが、酔っぱらった次朗冠者は酔った勢いで高足を履き、タタタンタン♪と音を響かせてタップダンスのように賑やかに踊り出す、といった内容。
登場人物全員がゆる~い感じでほんわかしており、思わず笑みがこぼれてしまう、なんとも楽しい舞踊劇です。
前半は染さまが高足売りの彌十郎さんにまんまと騙されてしまうのですが、このやりとりがほんとにおかしい。
染様のすっとぼけた感じが絶妙なのと、しめしめ顔の彌十郎さんもいい味出してます。
2人のお酒の取り合いもかなり笑えました。
後半は高足をはいた染様が踊るのですが、ほんとまるでタップダンスなのでこんなのもアリなんだ~ってびっくりしちゃいました。
高さ10cmはあるであろう高足(下駄のようなもの)で歩くだけでも大変そうなのに、開脚したり、リズムに合わせて踊らなきゃならないんだから相当難しいんだと思います。
なのに、そんな様子は全く見せず涼しい顔してコミカルに踊る染様はさすが!って思いました。
思わず手拍子したくなるくらい楽しい演目だったので、是非次は評判のいい勘三郎&勘太郎君でも観てみたいです。
●籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
序 幕 吉原仲之町見染の場
二幕目 立花屋見世先の場
大音寺前浪宅の場
三幕目 兵庫屋二階遣手部屋の場
同 廻し部屋の場
同 八ツ橋部屋縁切りの場
大 詰 立花屋二階の場
佐野次郎左衛門 幸四郎
八ツ橋 福 助
繁山栄之丞 染五郎
七越 高麗蔵
兵庫屋初菊 児太郎
絹商人丹兵衛 錦 吾
遣手お辰 鐵之助
釣鐘権八 市 蔵
下男治六 段四郎
九重 東 蔵
立花屋女房おきつ 魁 春
立花屋長兵衛 彦三郎
三世河竹新七・作。
享保年間の吉原で起こった、佐野の名主次郎左衛門が花魁八ツ橋をはじめ、
大勢の人間を殺傷するという事件をもとにした演目の一つ。
田舎者で痘痕面の次郎左衛門が吉原一の花魁八橋に惚れこみ、それから足しげく彼女のもとに通っていたが、八ツ橋は間夫(=ヒモ)である栄之丞から別れろと迫られたため、次郎左衛門に愛想尽かしを言い渡します。
身受け話まで出ていたのにいきなり振られてしまい、恥をかかされた次郎左衛門は、その場はグッと耐えるものの八ツ橋に殺意を覚えます。
4ヶ月後に再度八ツ橋のもとを訪れた次郎左衛門は、妖刀「籠釣瓶」を取り出し、4か月前の恨みを述べた上彼女を一刀で斬り殺してしまう・・・といったお話。
この話の見どころはなんて言っても絢爛豪華な吉原の花魁道中にあると思います。
最初は花道より九重花魁の道中があり、続いて舞台を福助演じる八ツ橋。
お供を引き連れ、何十キロもあるであろう衣装をまとった八ツ橋花魁、すっごい綺麗でした。それも尋常じゃない美しさで、世の男性を虜にしてしまうのも頷けるって感じです。
福助の振り向きざまに微笑みかけるところは、ぞっとする位妖艶で、ぽかーんと口を開け心を鷲つかみにされてしまう幸四郎の表情は芝居とは思えない位リアルで圧倒されました。
田舎者で遊び慣れてない次郎左衛門が勝手に八ツ橋に入れ込んでるだけで、八ツ橋の方はただ羽振りがいい人位にしか思ってない所が悲劇の始まりなのですが、縁切りのシーンは迫力がありました。
そんなこと言ったら男は怒るよ~って台詞を八ツ橋がポンポン言い放ち、それに対してグッと気持ちをこらえる次郎左衛門。
いくらなんでも「そりゃねーよ」って言いたくもなるのもわかります。
幸四郎の見せ場である耐える演技、すっごく真に迫っていました。
最後切り殺すシーンの幸四郎の殺気に満ちたオーラも相当でしたが、殺される八ツ橋の海老反りもまた見事で、こんなシーンなのに美しい、なんて思ってしまいました。
染様演じる栄之丞がビックリするくらい綺麗で、こりゃ八ツ橋もお金より愛=ハンサムを選ぶのもわかるわ~って感じでした。
なんにしても人の気持ちをもて遊ぶとあとでしっぺ返しが来るんだな、ってことですね。
気づいたらもう十二月歌舞伎も26日が千秋楽。
一年経つのはあっという間です。
一年間よく歌舞伎座に通ったなぁなんて自分の日記を読み返していたら、一年間なんと皆勤賞でした!
今年の密かな目標として歌舞伎座に毎月通うことだったので達成出来て良かったです。
今月は歌舞伎は国立劇場一本に絞っていたのですが、12月は面白いと友達に薦められたので、急遽会社帰りに「高杯」と「籠釣瓶花街酔醒」の2幕を幕見で観てきました。
高杯は染様の愉快な舞踊、籠釣瓶~は幸四郎の迫真の泣きの演技と福助の華やかな花魁道中が観れてとっても良かったです。
●高坏(たかつき)
次郎冠者 染五郎
高足売 彌十郎
太郎冠者 高麗
大名某 友右衛門
次郎冠者(染五郎)は、主人の大名某(友右衛門)と太郎冠者(高麗蔵)と共に花見に出かけ、高坏を買ってくるように命じられます。ところが、高足売り(彌十郎)の口車に乗せられ、次郎冠者は高足を高坏と思い込んで買ってしまい、さらに調子に乗って持っていたお酒を飲み干してしまいます。
もちろん主人と太郎冠者に怒られますが、酔っぱらった次朗冠者は酔った勢いで高足を履き、タタタンタン♪と音を響かせてタップダンスのように賑やかに踊り出す、といった内容。
登場人物全員がゆる~い感じでほんわかしており、思わず笑みがこぼれてしまう、なんとも楽しい舞踊劇です。
前半は染さまが高足売りの彌十郎さんにまんまと騙されてしまうのですが、このやりとりがほんとにおかしい。
染様のすっとぼけた感じが絶妙なのと、しめしめ顔の彌十郎さんもいい味出してます。
2人のお酒の取り合いもかなり笑えました。
後半は高足をはいた染様が踊るのですが、ほんとまるでタップダンスなのでこんなのもアリなんだ~ってびっくりしちゃいました。
高さ10cmはあるであろう高足(下駄のようなもの)で歩くだけでも大変そうなのに、開脚したり、リズムに合わせて踊らなきゃならないんだから相当難しいんだと思います。
なのに、そんな様子は全く見せず涼しい顔してコミカルに踊る染様はさすが!って思いました。
思わず手拍子したくなるくらい楽しい演目だったので、是非次は評判のいい勘三郎&勘太郎君でも観てみたいです。
●籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
序 幕 吉原仲之町見染の場
二幕目 立花屋見世先の場
大音寺前浪宅の場
三幕目 兵庫屋二階遣手部屋の場
同 廻し部屋の場
同 八ツ橋部屋縁切りの場
大 詰 立花屋二階の場
佐野次郎左衛門 幸四郎
八ツ橋 福 助
繁山栄之丞 染五郎
七越 高麗蔵
兵庫屋初菊 児太郎
絹商人丹兵衛 錦 吾
遣手お辰 鐵之助
釣鐘権八 市 蔵
下男治六 段四郎
九重 東 蔵
立花屋女房おきつ 魁 春
立花屋長兵衛 彦三郎
三世河竹新七・作。
享保年間の吉原で起こった、佐野の名主次郎左衛門が花魁八ツ橋をはじめ、
大勢の人間を殺傷するという事件をもとにした演目の一つ。
田舎者で痘痕面の次郎左衛門が吉原一の花魁八橋に惚れこみ、それから足しげく彼女のもとに通っていたが、八ツ橋は間夫(=ヒモ)である栄之丞から別れろと迫られたため、次郎左衛門に愛想尽かしを言い渡します。
身受け話まで出ていたのにいきなり振られてしまい、恥をかかされた次郎左衛門は、その場はグッと耐えるものの八ツ橋に殺意を覚えます。
4ヶ月後に再度八ツ橋のもとを訪れた次郎左衛門は、妖刀「籠釣瓶」を取り出し、4か月前の恨みを述べた上彼女を一刀で斬り殺してしまう・・・といったお話。
この話の見どころはなんて言っても絢爛豪華な吉原の花魁道中にあると思います。
最初は花道より九重花魁の道中があり、続いて舞台を福助演じる八ツ橋。
お供を引き連れ、何十キロもあるであろう衣装をまとった八ツ橋花魁、すっごい綺麗でした。それも尋常じゃない美しさで、世の男性を虜にしてしまうのも頷けるって感じです。
福助の振り向きざまに微笑みかけるところは、ぞっとする位妖艶で、ぽかーんと口を開け心を鷲つかみにされてしまう幸四郎の表情は芝居とは思えない位リアルで圧倒されました。
田舎者で遊び慣れてない次郎左衛門が勝手に八ツ橋に入れ込んでるだけで、八ツ橋の方はただ羽振りがいい人位にしか思ってない所が悲劇の始まりなのですが、縁切りのシーンは迫力がありました。
そんなこと言ったら男は怒るよ~って台詞を八ツ橋がポンポン言い放ち、それに対してグッと気持ちをこらえる次郎左衛門。
いくらなんでも「そりゃねーよ」って言いたくもなるのもわかります。
幸四郎の見せ場である耐える演技、すっごく真に迫っていました。
最後切り殺すシーンの幸四郎の殺気に満ちたオーラも相当でしたが、殺される八ツ橋の海老反りもまた見事で、こんなシーンなのに美しい、なんて思ってしまいました。
染様演じる栄之丞がビックリするくらい綺麗で、こりゃ八ツ橋もお金より愛=ハンサムを選ぶのもわかるわ~って感じでした。
なんにしても人の気持ちをもて遊ぶとあとでしっぺ返しが来るんだな、ってことですね。
気づいたらもう十二月歌舞伎も26日が千秋楽。
一年経つのはあっという間です。
一年間よく歌舞伎座に通ったなぁなんて自分の日記を読み返していたら、一年間なんと皆勤賞でした!
今年の密かな目標として歌舞伎座に毎月通うことだったので達成出来て良かったです。