今月は歌舞伎座の菊ちゃんに浮かれまくっていた私ですが、演舞場も座頭が吉右衛門の大歌舞伎でなかなかの盛況ぶりでした。
私も昼夜観たかったのですが、予算と予定の都合で日曜日の夜の部のみ観劇。
お目当ては福助の当たり役、「お染の七役」だったんですけど、これがものすっごく面白かったです!!!
見どころである早替わりシーンはほんっとうに早くて、イリュージョンでも見せられているような驚きの連続に開いた口がふさがりませんでした。
いや~すごいもの観ちゃった、これだから歌舞伎はやめられません。
前半に観に行ってたらもう一度観たかったって思いました。
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新橋演舞場五月大歌舞伎
平成21年5月2日(土)~26日(火)
夜の部
一、鬼平犯科帳(おにへいはんかちょう)
狐火
長谷川平蔵 吉右衛門
密偵おまさ 芝 雀
狐火伜又太郎 錦之助
同弟 文吉 染五郎
お久 隼 人
河合伝内 由次郎
小房の粂八 歌 昇
瀬戸川の源七 歌 六
相模の彦十 段四郎
鬼平犯科帳って池波正太郎作の時代小説で、テレビドラマでは八代目松本幸四郎(吉衛門さんのお父さん)が演じ、その後吉右衛門さんも主演し人気を博したドラマなんですよね?
正直私一度もドラマ観たことありません(^_^;)
今でこそドラマっ子な私ですが、学生時代は部活命、就職してからは好きなバンド命って感じだったんでドラマやテレビは全くと言っていいほど観ておらず、ましてや時代劇なんてつまんないとしか思っていませんでした。
今だったら吉右衛門が連ドラに出ようものなら毎週テレビにかぶりついて観てるはずなんで、人の好みってこうまで変わるんだなぁとしみじみ考えてしまいます。
てなことで、鬼平犯科帳に関しては全く予備知識なしで挑みました。
私としたことが開演時間を30分間違え(電車の中で気づいた)、演舞場に15分遅刻するという失態を犯しましたが、言葉も現代口調だし、物語も分かりやすかったので途中からでもしっかりついて行くことが出来ました。
ストーリーは残忍な押し込み強盗事件が起こり、それを解決すべく、火付盗賊改方長官の長谷川平蔵が密偵おまさや、相模の彦十らと真相を探り、犯人を捕まえる・・・
と言ったまぁありがちな時代劇といった感じなのですが、吉右衛門の何もかも包みこんでくれそうな堂々とした佇まいと、安定感のある確かな演技がこのお芝居の人気の秘訣なんだなぁって思いました。
物語のキーポイントとなるのは狐火という盗賊の息子2人。錦之助が兄で、染五郎が弟役という、二枚目なお2人なのがいい感じ。
特に錦之助さんがちょい悪なんだけど、弟思いで優しい役柄にピッタリで、とっても素敵でした。
芝雀のおまさちゃんも色っぽくて良かったし、段四郎もいい味出してましたし、なかなか見応えのあるお芝居でした。
この演目には錦之助さんのご長男隼人くんもご出演。
前日の土スタでも背はこれ以上いらないって言ってたけど、女形やるのにやっぱり174㎝は厳しいよねぇ。
私もそうだったけど、隼人君が出た途端周りの女性が一斉にオペラグラスを構え出したのには笑いそうになっちゃった。
まぁその辺のジャニーズより全然かっこいいですからね。
二、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
お染の七役
柳島妙見の場より
向島道行の場まで
油屋娘お染/丁稚久松/許嫁お光/後家貞昌
奥女中竹川/芸者小糸/土手のお六 福 助
鬼門の喜兵衛 染五郎
女猿曳きお作 高麗蔵
油屋多三郎 桂 三
召使お勝 歌 江
船頭長吉 錦之助
山家屋清兵衛 歌 昇
百姓久作 段四郎
実際に大阪で起こったお染と久松の心中事件をもとに四世鶴屋南北が歌舞伎に脚色し描いた作品。
福助が油屋お染、丁稚久松、許婚お光、後家貞昌、奥女中竹川、芸者小糸、土手のお六の老若男女7役早替りで演じ、しかも着替えは20回近く行うというのが見どころとなっています。
少し前にNHKで舞台の裏側を映した特集を観たんですけど、福助が演舞場のロビーをダッシュで走ってたり、早替わりのために9人もスタッフがいたりと、それはもう壮絶な舞台裏で、すごく面白かったです。
なので「お染の七役」は観る前からワクワクドキドキ、楽しみでしょうがありませんでした。
幕が上がってすぐに紫の振袖を着た可愛らしいお染が登場。
と思ったらすぐに久松、竹川、小糸への早替わりがあり、その早さに唖然呆然。
着物はマジックテープで装着が簡単に出来るようなのですが、それにしたって鬘だって変えなきゃだし、竹川なんて眉毛を落とさないといけないのに、とてもそんな早さで出来るとは思えないんですよね。
しかも福助さん、移動とか大変だと思うんですけど、息が全く上がってないし、ちゃんと役を演じ分けているのが見事しか言いようがなかったです。
最初の方は目を凝らしてどんな仕掛けがあるんだ?って考えながら観ていたんですけど、途中からはそんなこと考えるのも馬鹿らしくなって、純粋に早替わりを楽しむことにしました。
他にすごかったのがお染→小糸→お染→後家貞昌の一連の早替わり、もう一瞬ですよ!
にんまりと笑う福助の表情がしてやったりって感じなのが憎たらしいけど可愛かったです。
お染→久松→お染・・・の早替わりも素晴らしかったし、藁にくるまれた久松と傘を持ったお染の入れ替わりも2人が息が合わないと出来ないことですから、上手くいったのはすごいな~って思いました。
早替わりの他に、お六と喜兵衛のゆすりの場面は福助と染五郎のタンカを切るところがめちゃくちゃかっこいいし、狂ったお光をなだめようとする高麗蔵と錦之助の舞踊も華やか、福助と芝のぶの客席に回るサービスもあるし、極めつけ、最後のお六の大立ち回りでは、立女形がこんなにキマるのって福助だけだわ~って思える位ダイナミックで、もうシビレました!
最後はお六の挨拶で締めて拍手喝采!すごくいい幕切れで大満足な「お染の七役」でした。
ほんと、福助かっこよかったな~
菊ちゃんも大好きだけど、なんだか福助にも惚れてしまいそうです^m^
さぁて、五月歌舞伎が終わったので次はお待ちかねの「十二夜」月間ですよ~!
初日、25日、楽日に行く予定。もう楽しみでしょうがない。
他に歌舞伎座昼夜、落語会3つ、コンサート1回、と大忙しな6月ですが、気合い入れて突っ走りたいと思います!!!
私も昼夜観たかったのですが、予算と予定の都合で日曜日の夜の部のみ観劇。
お目当ては福助の当たり役、「お染の七役」だったんですけど、これがものすっごく面白かったです!!!
見どころである早替わりシーンはほんっとうに早くて、イリュージョンでも見せられているような驚きの連続に開いた口がふさがりませんでした。
いや~すごいもの観ちゃった、これだから歌舞伎はやめられません。
前半に観に行ってたらもう一度観たかったって思いました。
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新橋演舞場五月大歌舞伎
平成21年5月2日(土)~26日(火)
夜の部
一、鬼平犯科帳(おにへいはんかちょう)
狐火
長谷川平蔵 吉右衛門
密偵おまさ 芝 雀
狐火伜又太郎 錦之助
同弟 文吉 染五郎
お久 隼 人
河合伝内 由次郎
小房の粂八 歌 昇
瀬戸川の源七 歌 六
相模の彦十 段四郎
鬼平犯科帳って池波正太郎作の時代小説で、テレビドラマでは八代目松本幸四郎(吉衛門さんのお父さん)が演じ、その後吉右衛門さんも主演し人気を博したドラマなんですよね?
正直私一度もドラマ観たことありません(^_^;)
今でこそドラマっ子な私ですが、学生時代は部活命、就職してからは好きなバンド命って感じだったんでドラマやテレビは全くと言っていいほど観ておらず、ましてや時代劇なんてつまんないとしか思っていませんでした。
今だったら吉右衛門が連ドラに出ようものなら毎週テレビにかぶりついて観てるはずなんで、人の好みってこうまで変わるんだなぁとしみじみ考えてしまいます。
てなことで、鬼平犯科帳に関しては全く予備知識なしで挑みました。
私としたことが開演時間を30分間違え(電車の中で気づいた)、演舞場に15分遅刻するという失態を犯しましたが、言葉も現代口調だし、物語も分かりやすかったので途中からでもしっかりついて行くことが出来ました。
ストーリーは残忍な押し込み強盗事件が起こり、それを解決すべく、火付盗賊改方長官の長谷川平蔵が密偵おまさや、相模の彦十らと真相を探り、犯人を捕まえる・・・
と言ったまぁありがちな時代劇といった感じなのですが、吉右衛門の何もかも包みこんでくれそうな堂々とした佇まいと、安定感のある確かな演技がこのお芝居の人気の秘訣なんだなぁって思いました。
物語のキーポイントとなるのは狐火という盗賊の息子2人。錦之助が兄で、染五郎が弟役という、二枚目なお2人なのがいい感じ。
特に錦之助さんがちょい悪なんだけど、弟思いで優しい役柄にピッタリで、とっても素敵でした。
芝雀のおまさちゃんも色っぽくて良かったし、段四郎もいい味出してましたし、なかなか見応えのあるお芝居でした。
この演目には錦之助さんのご長男隼人くんもご出演。
前日の土スタでも背はこれ以上いらないって言ってたけど、女形やるのにやっぱり174㎝は厳しいよねぇ。
私もそうだったけど、隼人君が出た途端周りの女性が一斉にオペラグラスを構え出したのには笑いそうになっちゃった。
まぁその辺のジャニーズより全然かっこいいですからね。
二、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)
お染の七役
柳島妙見の場より
向島道行の場まで
油屋娘お染/丁稚久松/許嫁お光/後家貞昌
奥女中竹川/芸者小糸/土手のお六 福 助
鬼門の喜兵衛 染五郎
女猿曳きお作 高麗蔵
油屋多三郎 桂 三
召使お勝 歌 江
船頭長吉 錦之助
山家屋清兵衛 歌 昇
百姓久作 段四郎
実際に大阪で起こったお染と久松の心中事件をもとに四世鶴屋南北が歌舞伎に脚色し描いた作品。
福助が油屋お染、丁稚久松、許婚お光、後家貞昌、奥女中竹川、芸者小糸、土手のお六の老若男女7役早替りで演じ、しかも着替えは20回近く行うというのが見どころとなっています。
少し前にNHKで舞台の裏側を映した特集を観たんですけど、福助が演舞場のロビーをダッシュで走ってたり、早替わりのために9人もスタッフがいたりと、それはもう壮絶な舞台裏で、すごく面白かったです。
なので「お染の七役」は観る前からワクワクドキドキ、楽しみでしょうがありませんでした。
幕が上がってすぐに紫の振袖を着た可愛らしいお染が登場。
と思ったらすぐに久松、竹川、小糸への早替わりがあり、その早さに唖然呆然。
着物はマジックテープで装着が簡単に出来るようなのですが、それにしたって鬘だって変えなきゃだし、竹川なんて眉毛を落とさないといけないのに、とてもそんな早さで出来るとは思えないんですよね。
しかも福助さん、移動とか大変だと思うんですけど、息が全く上がってないし、ちゃんと役を演じ分けているのが見事しか言いようがなかったです。
最初の方は目を凝らしてどんな仕掛けがあるんだ?って考えながら観ていたんですけど、途中からはそんなこと考えるのも馬鹿らしくなって、純粋に早替わりを楽しむことにしました。
他にすごかったのがお染→小糸→お染→後家貞昌の一連の早替わり、もう一瞬ですよ!
にんまりと笑う福助の表情がしてやったりって感じなのが憎たらしいけど可愛かったです。
お染→久松→お染・・・の早替わりも素晴らしかったし、藁にくるまれた久松と傘を持ったお染の入れ替わりも2人が息が合わないと出来ないことですから、上手くいったのはすごいな~って思いました。
早替わりの他に、お六と喜兵衛のゆすりの場面は福助と染五郎のタンカを切るところがめちゃくちゃかっこいいし、狂ったお光をなだめようとする高麗蔵と錦之助の舞踊も華やか、福助と芝のぶの客席に回るサービスもあるし、極めつけ、最後のお六の大立ち回りでは、立女形がこんなにキマるのって福助だけだわ~って思える位ダイナミックで、もうシビレました!
最後はお六の挨拶で締めて拍手喝采!すごくいい幕切れで大満足な「お染の七役」でした。
ほんと、福助かっこよかったな~
菊ちゃんも大好きだけど、なんだか福助にも惚れてしまいそうです^m^
さぁて、五月歌舞伎が終わったので次はお待ちかねの「十二夜」月間ですよ~!
初日、25日、楽日に行く予定。もう楽しみでしょうがない。
他に歌舞伎座昼夜、落語会3つ、コンサート1回、と大忙しな6月ですが、気合い入れて突っ走りたいと思います!!!