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ジャニーズ、特に嵐(相葉さん)をこよなく愛するチャミのブログ。みんな違ってみんなイイ。

桂吉弥独演会2011 vol.2@国立演芸場

2011年03月28日 | 落語

今月は予定していたお芝居やイベントがことごとく中止、延期になり、仕方ないと思いつつ残念に思っていたのですが、吉弥さんの落語会は開催するとのことだったので、行ってきました国立演芸場。

吉弥さんは独演会の時はいつも番組表にご自身の言葉を書いて載せてくれるのだけど、そこには吉弥さん自身「こんな時に落語なぁ」と思ったそうですし、そういう声もあって開催するか悩んだのだそうです。

しかし「こんな時こそ落語!」という声もあり、話し合いの結果、「よし、やろう!」ということになったのだそうです。

吉弥さんは阪神大震災を経験した方ですから、被災された方の気持ちは痛いほどわかっているのだと思います。
そんな中で、落語家としての仕事をきっちり果たそうとしてくれた吉弥さん、ならびにスタッフの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

実際若干の空席はありましたが、客席はほぼ満席状態。始まる前からお客さんの楽しみたい、という熱気がすごく感じられて、皆私と同じように笑いを求めてたんだなって思いました。

開口一番は雀五郎さんの「みかん屋」、まぬけなみかん屋と粋で情のある長屋の人々とのやり取りが小気味よく、最後のサゲまで愉快な噺。

お次はまん我さんの「桜の宮」。まん我さんはご自身のことを「落語会の中村勘太郎です」なんておっしゃってました。確かに似てる気もするけど・・・。
「桜の宮」は大阪にある桜の名所での花見の出来事を面白おかしく描いた噺。

稽古屋仲間が花見の席で余興として仇討の芝居をしようとして、本物の仇打ちと見間違えられて大騒動に発展してしまうまでの盛り上げ方、演じ分け、まん我さんとっても上手ですごく面白かったです。
この季節にぴったりの噺でお花見が楽しみになりました。

お次は待ってました、吉弥さんの登場。
まくらでは特に震災のことには触れず、いつもの陽気でお茶目な吉弥さんでいてくれたのが逆に嬉しかったです。花粉症らしいそうで、話すのが辛そうでしたが後半は全くそれを感じませんでした。

演目は「愛宕山」。

あ~もうなんて懐かしいんでしょう!

「愛宕山」は春山のピクニックを描いた華やかな噺で、京都の旦那と大阪出身の幇間(太鼓持ち)とのユーモラスなやり取りが見どころなんですが、この噺は、私が上方落語を好きになるきっかけとなった朝ドラ「ちりとてちん」の中で取り上げられた噺なのです。

ドラマでは沢山の上方落語が紹介されましたが、「愛宕山」は物語の軸になった噺で、主人公の転機となる場面で取り上げられることが多く、一番印象に残っている噺。

徒然亭一門会で渡瀬恒彦さん演じる草若師匠が「愛宕山」を演られた時なんて、あまりの感動に大号泣したのを覚えています。そういや最終回で草々兄さんが喜代美(貫地谷しほり)の赤ちゃんに聴かせたのも「愛宕山」だったなぁ・・・。

その時に何度も何度も聴いたフレーズ、

「野辺へ出て参りますと、春先のことで 空にはひばりがピーチクパーチクさえずっていようか、
下にはレンゲ、タンポポの花盛り、陽炎がこう燃え立ちまして
遠山にはパーっとかすみの帯をひいたよう、
麦が青々とのびて菜種の花がいろどっていようかという本陽気、
やかましゅうゆうてやってまいります、その道中の陽気なこと…!」

吉弥さんがドラマで使用したこのフレーズを一言一句同じに言ったかは定かではないのだけど、この部分を聴いただけで一瞬でドラマ当時のことがぶわっと蘇ってきて胸がいっぱいになりました。

「その道中の陽気なこと・・・」のあとに流れる三味線と太鼓のお囃子がとっても風情があってまたいいんですよ。

お調子者の一八さんが、沢山の荷物を背負ってひいひい言いながら歌う

「愛宕山坂 えぇ~坂 二十五丁目の 茶屋のかか♪……」

この曲も大好きで、ドラマ当時は鼻歌でずっと歌ってたな~。吉弥さんのお芝居は本当に山に登ってつらそうにしてる様子はすごくリアルっぽくて大変そうで、でも笑っちゃいました。

小判欲しさに崖から落ちて、拾い集めるところや、かわらけを投げるところ、崖から這い上がってくるところ、全ての情景が目に浮かぶようで、まるで自分も一緒に春の野山に花見に行ったようなそんな気分になりました。

大好きな「愛宕山」を久々に聴けて、それも吉弥さんで聴けるなんてまさか思ってなかったのですごく幸せでした。


しかし次に地獄八景やるのに、こんなに熱演されて大丈夫なの?って心配になる位、全力投球されてたように思いました。

お次はこの日のお目当て「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)。
この噺は長い人だと90分はかかる長大ネタで、沢山の登場人物が出てくるし、くすぐりや芸も披露しなければならないので、今はなかなかやる人がいないのだそう。

実はこの噺も朝ドラ「ちりとてちん」で取り上げられた噺なのです。
ドラマでは草若師匠がなくなる直前のエピソードになった噺で、長い噺なので4人の弟子で語り繋ぐと言う形を取って演じられました。

タイトルはなんとも恐ろしそうですが、実は地獄を題材にした陽気で最高にバカバカしい噺なのです。
ドラマ以来一度この噺を生で聴いてみたい!と思っていたのに、今までなかなか都合が折り合わず、今回3年半ぶりにようやくその念願が叶いました。

主人公が入れ替わり立ち替わり、三途の川を通って地獄巡りをし、最後は閻魔大王をこらしめる?(困らせる)ところまでを描きます。

フグを食べて死んだと言う若旦那の一行が芸者や舞妓を引連れての道中は「愛宕山」と全く一緒なところににやりとしちゃいました。もちろん鳴り物も沢山入ってとっても華やかです。

三途の川を渡る時の鬼とのかけ算のやり取りや、地獄の芝居小屋や寄席の描写はオリジナルのアドリブがたっぷり効いてすっごい面白かったです。
円朝独演会に枝雀・志ん朝2人会、11代の成田屋が全員揃った仮名手本忠臣蔵とか、めちゃくちゃ見てみたいわ~。

一番驚いたのは閻魔大王の前で芸を披露する場面、漫才をやると言って、高座を離れて奥へ引っ込む吉弥さん。三味線は流れてるけど、誰もいない高座を唖然と見つめていると、中央からするするとスタンドマイクが立ちあがってくるからびっくり!

そこに吉弥さんがまん我さんを引連れて戻ってきたからさらにびっくり!
そしておもむろに2人で漫才を開始。誰だ?と思ったら往年の夢路いとし喜味こいしコンビの物真似!!!会場からは割れんばかりの拍手が起こりました。

この2人の漫才がなかなか面白くて、吉弥さんがこの場面が一番盛り上がったってぼやいておりましたけどね。

後半の4人の地獄行き決定した者が、熱湯の湯や、針山地獄や鬼の牙や胃の中をものともせず、切りぬける描写もお見事、サゲの「大黄(大王)飲んで下してしまう」まで予定時間を大幅にオーバーしながらも、観客を最後まで飽きさせず演じきった吉弥さんの大熱演、本当に素晴しかったです。

頭からっぽにして、陽気な噺でいっぱい笑って、すごく充実した時間でした。落語って素晴らしい!!!

帰りは友達と心が軽くなったね、なんて言いながらウキウキで。
頑張るパワーいっぱい貰えて充電完了です~!

しかし、昼の部が16時30に終わり、夜の部まで1時間ちょっとしかなかったのに、昼とおんなじ演目をしっかり演じきったという吉弥さん、本当にお疲れ様でした。

家に帰って何気なくTVを付けると、金八先生に、ちりとてちんで四草役の加藤虎之助さんが出てて、吉弥さんの落語を聞いたあとだっただけに、すごく懐かしくて、また「ちりとてちん」が観たくなってしまいました。

2 コメント

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行かれたんですね (yukinama)
2011-03-28 21:21:28
ご無沙汰してます。
DMもらって行きたかったのですが、こんな時なのに…博多に飛んでしまいました。
まん我さんとの漫才でしたか。
前に聞いたときは、長崎は今日も雨だった♪を歌われました。
いろんな上方噺家の地獄八景聞くと楽しいですよ。
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地獄八景 (チャミ)
2011-03-29 17:28:55
>yukinama様

御無沙汰してます。当日は福岡にいらっしゃったんですね。
吉弥さんの前日はよね吉さんの会だったんですけど、こちらは延期。

こうキャンセル続きだと気分が滅入ってしまうので、無事開催されてよかったです。

地獄八景、演じる人によって色々特徴があって面白いんでしょうね~。
友人は雀々さんが面白かったと言ってました。
ほんと、もっと色々聴きたいんですけど、東京だとなかなか思うように上方落語が聴けないのが残念です~。

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