5、体調不良の妻を心配しない夫と離婚する時の手順
妻が体調を崩しても心配しない夫と離婚するには、以下のような手順で進めましょう。
(1)まずは離婚意思を伝える
夫婦が話し合いをしてお互い納得の上で離婚届を提出すれば離婚が成立します。この方法であれば、「法律上の離婚理由」が不要なので「悪意の遺棄」や「暴力」「夫婦関係の著しい不和」などを立証する必要がありません。
まずは夫に対し、離婚したいという意思を伝えましょう。なぜ離婚したいのか、どのような点に不満を感じて辛い思いをしてきたのか、既に信頼を完全に失って回復不可能な状態になっていることなどを伝えて説得しましょう。(2)離婚協議
説得によって相手が離婚に応じる気持ちになったら、今度は離婚条件について協議しましょう。子どもがいれば親権者を決めなければなりませんし、養育費や財産分与などの取り決めも必要です。
「妻の体調を心配してくれない」という理由で協議離婚する場合には、相手に慰謝料を請求してもなかなか支払ってくれないでしょう。(3)離婚届を作成して提出
離婚協議が成立したら、市区町村役場から離婚届の用紙をもらってきて作成し、役所に提出します。
(4)公正証書で協議離婚合意書を作成する
協議離婚する場合には、「協議離婚合意書」を作成しましょう。金銭の支払いを約束してもらうときは、公正証書にすべきです。公正証書があれば、相手が将来養育費などを払わなくなったときにすぐに給料を差し押さえて回収できるからです。
(5)離婚してくれないなら別居する
夫が離婚に応じてくれないときには別居しましょう。夫婦関係が不和となり同居が難しくなった場合には別居しても同居義務違反になりません。
ただし、別居にはリスクがあります。
夫の同意なく別居をしてしまうと、逆に相手から「悪意の遺棄」として訴えられる可能性があります。ご不安な場合は、一度弁護士に相談されることをお勧めいたします。(6)離婚調停を申し立てる
別居したらタイミングを見計らって家庭裁判所で離婚調停を申し立てます。調停では調停委員が間に入って取り持ってくれるので、自分たちだけで話をするより離婚が成立しやすくなります。ただしうまく離婚したい理由を伝えられないと、反対にあなた自身が「離婚を思いとどまるように」説得されてしまう可能性もあり要注意です。
(7)離婚裁判を起こす
調停でも離婚に応じてもらえない場合には、離婚裁判を起こしましょう。裁判では先に説明した「法定離婚事由」を証明しなければなりません。適切に訴訟活動を進めて離婚するには弁護士によるサポートが必須となります。
(8)裁判の流れ
裁判の流れを簡単に示します。
①提訴
まずは訴えを提起します。
②第1回期日
約1か月後に第1回期日が開催されます。相手は出席しないケースも多数です。
③争点整理の手続き
第2回期日以降はお互いの言い分や証拠を整理する手続きが行われます。
④当事者、証人尋問
争点整理が終わったら当事者や証人の尋問を行います。
⑤判決
判決が下されます。離婚が認められれば相手が離婚に応じなくても離婚できます。
6、まとめ
夫が妻を心配してくれないという理由でも、長年、精神的に追い詰められたら本気で離婚を考えるものです。相手の心ない言葉に傷つき続けて、ついには家庭崩壊してしまうケースも少なくありません。
信頼できない夫と離婚するためにどのように行動するのが良いかわからないなら、弁護士までご相談ください。それぞれの相談者様へと最適な解決方法をご提案して最大限のサポートをさせていただきます。