せめてここで…王様の耳はロバの耳

どこにも言えないことだけど貯めずにいれば笑えるかも?!

アトレーワゴン 別れ

2020-03-31 17:24:00 | 記憶に…残る
ついに別れの時が来た
アトレーワゴンを売る日です
引き渡しに行きました
きれいに洗車してガソリンも満タンにして
ありがとうねってたくさんお礼も言いました

それなのにそれなのにそれなのに
わたしは最後に事故った

高速道路で気持ちよく運転していたはずなのに
ナンバープレートを見ながら
いつもみたいに語呂合わせのナンバーはないかな?って
遊びながら眠くならないようにしていた
わたしのラッキーナンバーを見つけた
今日はいいことがあると思ったのに…
314も23も見つけた

それなのになんだか急に頭がぼーっとしてきて
眠いような感じがして…涙が溢れてきちゃって…
顔がかあ〜っと熱くなるような感じがして…
まぶたが重くなって突然に眠くなってしまった
何度目蓋を開けてもまた車がゆらゆらしているのがわかった
ぶうううううって音がしたり
わたしの周りに車がなくなったのでかなり蛇行していたと思う

があって音がして気がついたら車がトラックの脇に当たっていた
路肩に車を止めて待っていたけどトラックが行ってしまった
わたしはひとりでポツンと…
仕方なくまた出発して引き渡すときに理由とキズを説明
でも大丈夫って…これくらいならって
確かにトラックに突っ込んだわりには少ないキズ

申し訳ないお別れとなりました


ありがとう!アトレーワゴン
これからもがんばって可愛がってもらってね!

支えてくれた人▶︎かおちゃん❣️

2020-02-15 00:00:00 | 記憶に…残る
5年くらい前
もうどうしようもなくて心とか
おお〜きな楔が心臓に…心に…刺さってて
痛くて痛くて
流れ出てる血の涙が止まらなくて
どんどん広がって行ってた
そんな時にわたしを笑わせてくれていたのが
かおちゃんだったの

真面目な話をお互いしては
涙流しながら笑ってて
辛い話なのに泣きながらギャグをねじ込み話して
ほんとバカだよねってお互いに言い合う
大人になってからこんな人に会えるなんて
思わなかったよねって話したりして
離婚して2人とその子供で暮らさないか?と
真剣に計画を立てていたりした
【親友】じゃなくて【心友】【真友】【信友】
そんな風に話に合わせてLINEで使い分けてたり
どう?LINE→自分が辛い時って
わかるくらいの心の近さをいつも感じてた
今となってはわたしだけかもしれないけど
逝ってしまう前にくれた長文LINEには
おなじ気持ちでいてくれたことがわかる言葉が
たっくさん並んでいて年越しの真夜中に
嬉しくて涙が出て来たもんです

真夜中の3時でもかおちゃんからは
LINEのレスが来るし
わたしもなぜか目が覚めて即レスする

嫁姑話に実の両親に兄弟姉妹にって
どこかしらわかる気がする共通の立場で
2人で泣いたりもしていた

「もう死んじゃいたいな」ってどちらかが言う
「予定はいつ?」って聞いて
「その日は都合が悪いなぁ」なんて言ったら
「いまちょうど便秘だからお腹ぱんぱんで
この裸でだる〜んって裸体見られたくないね」とか
「どのくらいから飛んだら即死かな?」とか
2人で検索したりすることもあったりして…
「1番綺麗なのは凍死みたいだけどさ…
やまとか登って行って予定の場所まで行ける体力が
あるかな?途中で死ぬのは嫌じゃね?」とか

泣きながら伝えた気持ちだってわかるから
『死なないで』とか…
『そんなこというな』とか…
『どうしてそんなこというんだよ』とか…
そんな余計に相手を責めることは言わずに
とにかく笑うまで電話とかLINEとかで
声と文字と音とで必死でいろんな気持ちを送った
やっと笑うようになった最後には
『早く鼻かんでいいから』っていうと
爆音で鼻をかむわけで…
『うるさっ!』って言って笑い合ったら
『じゃあもう寝るよ』って『明日の朝ね』って
締めくくるわけ

↑この励ましがとても嬉しくて優しい
弱った人の気持ちは否定せずに
話を聞いて受け入れて理由を聞いて笑わせる
笑うまでそばにいてくれるし
夜中に家の前まで来てくれることもあったり
かおちゃんはすてきな彼氏?彼女?だったな

空を飛んでもわたしはねんざしかしないし
階段落ちたらバキバキ折れたのに
空を飛んでもアザだけの体には
その時にもう1人慰めてくれる人がいた
40年頼のお友達で信頼していたから
いろんなこと話したら
《離婚してしまえ!面倒みてやるよ》と
告白じみた言葉聞かせてくれた
でもあまりにもわたしに大きな楔が刺さり過ぎて
抜き続けることが難しかったみたいで
ちょっとその気になりかけて…
本気で離婚して幼なじみのところへと
飛び込んでもいいのかなって
そんな気になっていたことがある
だけどね
わたしの心は大き過ぎて重すぎるんだって
まっすぐにぶつかってきて不安になると
すごく揺れて倒れそうになるし
突き進むときはすごい勢いで進もうとするから
ついていくのが難しいって
ある出来事があって…それをきっかけに
「疲れちゃったよーごめんね」と言われた
お仕事のすごく忙しい人で週に1回の連絡が
取れるかどうかという幼なじみで
わたしがあまりに短時間のうちに
離婚をしてもいいかなと考えてしまい
自分にはまだその準備ができていなくて
夜逃げすら仕方ないかと考えるわたしの
離婚方法とは違っていた
気持ちの時差が出来ちゃったみたいな?
「そこから思い切り手を引いて
こっちの世界は連れてきたかった」と
幼なじみが言っていた…力不足でって

後押しをしてくれていてのもかおちゃんで
幸せにしてやってくれるかなと
わたしよりも喜んでくれていたから
わたしよりも悔し泣きしてくれた

危なく一線を越える瞬間で
うすうすバレていた逃げ出す準備も
中止になったので
オレ様には怪しいままの出来事になった


ここでかおちゃんのガンが見つかり
2人の関係は変わらなかったけど
わたしは辛いことを伝えないようになり
それでも2人はいつも泣き笑いで
命に関わるガンを最優先で…
それから心のなくなりそうなわたしとの…
おかしな関係に戻れてました
ガンも笑いにする最強の2人だから
絶対にかおちゃんは治ると思っていました

その頃
昔なじみのお友達が突然
LINEに登場して相談に乗ってくれた
わたしの相談に…そして自分の話に…
近況報告したりと
なんとなくお互いに通じる立場があった
若い頃の知り合いとお話しするのは
久しぶりでほんとに懐かしかった
とても仲良しの人なのってわざと話をして
それを聞いてかおちゃんは…
『笑わせてくれる人なの?』っていうと
にやにやしてとても嬉しそうにしてた


『その昔なじみ…惚れてるな絶対』
『その人でいいじゃん?』
『もはや誰でもあいつ(オレ様のこと)より
マシに決まってるわけだし…おなじ痛みがあれば
難しいあなたのことでも受け入れてくれるよ』
『昔なじみはいいかもしれないね』
『神様がやっとあなたを助けてくれたよ』
『だから言ったじゃん?いつか救われるって』
『不倫嫌だとか言ってる場合じゃないよ』
『あいつさ…あなたが離婚するって言ったら
絶対的にいい女がいなくなって謝ったりとかさ
奴隷扱いしてきたこと後悔とかしたら笑えるから
絶対飲みに行こうね』
『隠し球出してきたよね〜』
『ごめんねとか謝ってきたら上から踏みなよ』
『ハイヒール👠買って準備しときな』
『隠し球だよな〜嬉しいな』
と勝手にW不倫の末に離婚して2人が結ばれると
予定を立ててくれました
毎日毎日必ずお見舞いに行っていたのに
それを辞めていいと言ってきたり
入退院に付き添わなくていいと言ってきたり
【自分はいいから昔なじみに色仕掛けして】

そんなことばかり言っていたけど
そういうわけにはいかないしね…
こんな世界に巻き込むようなことはしたくないし
この前のことがあるから
また傷つくの嫌だし段ボールのステ猫になるのは
もう嫌だなぁって何回言っても冷やかしてくるし
1年で人の気持ちが変わるからさ
それを知ったらもう何も飛び込んでいけないよ
ここでこんなに傷だらけなのに
また他の人にまで傷つけられたら人間不信になるし
今度はもう笑えなくなると思うからさ
もう誰も好きにならないよ…
だってかおちゃんがいるし❣️
それだけでとてもとても幸せだよん❤️
わたしはかおちゃんと2人で入退院してる
病人人生だからさあ〜
幸せにはなれないんだよ…ね?かおちゃん

それでもかおちゃんは
にやにや笑いながらちょっと真面目な顔してさ
こんな風に言ってくるわけ
何回も何回も言ってくるわけ
苦しそうにしてるのにさ
わたしなんかの幸せとか声に文字にしてくるわけ
治療つらいのにさ…
その人のこと何にも知らないくせに
この歳だからラストチャンスとか

もうほとんど話せないっていうのに
こんなこと書き残してくれたかおちゃんだった


🤔もうそいつだろうが誰でもいいからさ
とにかく3年我慢できたら男は信じてもいいから
あいつじゃなければ誰でもいいと思うけど
普通の人ならあんたは幸せになれるはずよ

ただその昔なじみ?よく知らないからね
そいつはまだ本物だかわからないからさ
そいつにしなとは言えないけど…
いまより幸せになるならいいよ

誰かがあんたを口説いてくるまで
とにかくそれまでは頑張っちゃいなよ
そんでイケメンがすり寄ってきたとしても
とにかくは3年離婚にかかるからねって
そう言わなきゃダメだよ…約束ね!
その代わり…あんたも3年頑張りな!
W不倫でもなんでも誰でもいいから
とにかくすぐにはダメだよ
またあんな風に傷つくとめんどくさいから
わたしはもう付き合わないよ
こっちまで泣かなきゃなんないじゃん

ここで生きてるあんたを3年見つめ続けてきて
健気で頑張り屋ってわかってさ…
どんな病気だって構わないと…
ただあんたを笑顔にしてあげたいと…
そんな風に思う人なら間違いなく
あんたを幸せにしてくれるから信じたら?
keepしといて3年経ったらあんたも離婚しなよ
ここにいるあんたを3年くらい支えられなかったら
一生なんてムリだと思わない?は
だいたいあなたはいい女すぎるからさ
だから男がつけ上がるわけね
あたしが男だったらバランスいいのにね
あんたには幸せになってさ
うるさいくらいゲラゲラ笑っててさ
近所から笑い声苦情とかきたりとか
そういう人生が似合ってんのにさ
なんで全然笑わない場所にいるわけ?
そういうあんたを3年見ていても
好きなだけ泣かせてくれてさ
ここにいろって隣に置いてくれるような
そういう男を探しなよね
おっぱいとか顔とかそんなのに惑わされてなくて
あんたを大事にしてチヤホヤしてくれる人
山ほどいるから安心しなよ
ほんとは今すぐそこから出てって
昔なじみとどうにかなっちゃえって言いたいけど
それやったらまた泣くのが目に見えててやだよ
あなたには絶対に幸せになってほしいからね
あたしのできなかったことしてもらわないと
3年は長いかな?
でも恋しながらの3年だから楽しみなよ
どんどん幸せになっていくんだからさ
恋バナとかしてさ…また笑いたいよ


ほら昔言ったじゃん?覚えてる?
わたしがつらくてもう死にたいと言ったとき
あなたがわたしに言ってくれたやつ
わたしが『死にたいな』って言ったとき
あなたの究極のレス〜最高だった
【じゃあすぐにオレんとこ来いよ】
【死ぬほど愛してやるから】
【死ぬほど幸せにしてやるから】
【死にたいってそういう意味だろ?】
この冗談言えるのはあんただけだろうけどね
あれはカッコ良かった

絶対に幸せにしたいって男が現れるから
ちゃんと全部見てもらって
それでも笑わせて幸せにしたいって男
どっちが先に見つかるかだね

くっそ〜おっぱいで負けてるからな
ハンデがありやがるぜ
一緒に見つかるといいよね?
うちらが温泉とか2人で行っても
許してくれる男!イケメン!落ちてこい!


かおちゃんのLINEコピペしてみた
さんざんよく見極めて幸せにとか
競争だとか言ってたくせにさ
うちらの中では3年我慢できなくちゃ
本心はわからないって…
この歳で捨てられたくないからね
そんなことばっかり言ってたのにさ
2年半の治療くらいで
サラッと逝ってしまったかおちゃん
わたしひとりぼっちじゃん?
さよならも言えなかったわたし…
なんで1人にしたんだよ

あれから3年近くになるけど
…いまのわたし見ててどうかな?
幸せになれそうかな?
心の中にあるわたしの心玉は
どんな色してるかって
かおちゃんならわかるでしょ?

かおちゃん?
そこはすてきな男いる?
イケメンパラダイス?
待っててね
わたしもいつかは行くからさ
また【死にたい】って告白できてないの
そんなこと言ったらみんなどっかいっちゃうに
決まってるからねぇ
やっぱりわたしが男ならモテモテだったろうな
あのセリフは平成最高のセリフだったよ

かおちゃん逢いたいよ
また泣きたいから…そばにきて
なにやってんのぉって笑わせてほしい

かおちゃんがいい加減見兼ねて
迎えにきてくれたのかと思ってた腫瘍も
経過観察でよかったんだけど
かおちゃんのところへは
行かれなかったからまだ逢えないね

かおちゃん…さみしいよ




大好きなお友達

2020-01-24 00:27:00 | 記憶に…残る
足の手術をした時に同室になってからのご縁のお友達
私の一番大好きなお友達
年末のがん騒動で
会えねくなりたくないなって思ったので
遊ぼって誘っておいた
それが実現したのが今日でした

昨日からウキウキ…楽しみだった

雨が降ってきちゃったけど
2人でボーリングへ行ったのでした
がっらがらのボーリング場で
ゲラゲラ笑ったり大はしゃぎして遊んで来た
ほんとに楽しかった

この数ヶ月のことを話したりしながら
ボーリングできるあたりが
さすがの私たちだねと思った
真剣な話と遊びの同時進行

やはり…
ちょっとひどすぎるよねと
言ってくれました

ボーリングの後洒落たお店でランチして贅沢したけど
心があらわれた気がした
こういう気分転換…ずっとしてなかったな

また来月遊ぼうねって言ったけど行けるといいな

お誕生日

2019-12-19 20:09:00 | 記憶に…残る
わたしのお誕生日が先日ありました

オレ様からの前日の晩のセリフ
すごいものだったし
当日のやることも
そうなんだって感じだよ

そんなお誕生日なわたし

すごく会いたかった人が
顔見せてくれた❣️

とにかくそれがとても幸せだった

気持ちがボロボロのお誕生日だったのに
ステキな人のおかげで
ヒカリが差し込んできた

お誕生日でも
ガンとか…血管腫とか…
死ねとかなんとか
そんな日だったのに

顔見さに来てくれて
「おめでとう」って言わなかったけど
それでもお誕生日だから
来てくれたのがわかったから

罵倒されて
とぼとぼの朝から
バイトに行ってきて
体調もくずしてて
そして
顔見たら幸せがたくさんキラキラした

ほんとにありがとう😊

なんか最近
とても疲れてて
生きるのが辛くて
死にたいなって思う日が多かった

結局
わたしの幸せは何かって
考えたりして…
叶わない気持ちもある

そんな毎日に
いたずらな天使がぽん❗️と
やってきてくれた感じ

もう少し頑張ってみようと
あなたの顔を見て決めました


誰にも言えない事件

2019-07-27 04:35:00 | 記憶に…残る
とにかく記憶が曖昧にならないうちに書き残しておかないといけない

少し帰りが遅くなってしまった…と言っても夜7時過ぎくらいだったと思う。
雨がまだ止まない。
お友達の1人に家の近くまで送ってもらって車を降りた。
家まで数㍍…雨はけっこう降っていて少し霧っぽくなって、生暖かい感じがしていた。
あまり濡れないように自分なりに走って家に向かった。
もうウチの門なので、お友達に振り返って手を振ると、お友達の車は動き出した。
敷地の中に入り家の門を閉めていると、お友達の車が戻ってきたような感じで、
ウチに差し掛かる手前で走ってきた車が止まった。
忘れ物?…宅急便?…
そんな感じがするみたいに私に向かって車が来た感じがした。
車の大きさが違うのでお友達ではないとすぐにわかり、
一瞬、いつもの宅配便のお兄さんが乗ってくるワンボックスの車に似ていた。
でも霧の雨の中、よくよく見ると、それよりも少し大きな車で、あまり見かけない車だった。
なんとなく怖いから門をどんどん閉めて、家に入ろろうと思ったところに話しかけられた。
「〜〜〜〜」
いつも静かな夜なのに、雨音のせいでなんて言ってるのかわからなかった。
自分の知っている人ではないけど、宅配便のお兄さんか義父母の家に来た親戚の人とか知り合い、
そんな人だと失礼に当たるかな?とか考えていたと思う。
だって自分の家の前で話しかけてくる人から走って逃げるのもお客様に失礼だと思った。
話しかけられた内容を聞き取ろうと門に近づいて『どちら様ですか?』と聞く。
「あの~す-ませ~−ど~–ー」
そんな風に聞こえたので〈用事のある人〉と私の脳が判断して、聞き取れるようにと
車に少し近づいて門越しに首を傾け手を耳に当てて見せた。
運転席の人が口の横に手を当てて叫んでいるように見えてもまだ聞こえない。
しかたなく…せっかく閉めた門を少し開けて小さく2歩くらい外にでた。
運転席から顔を出していたお兄さんがもう1度何か言った時、
どこからともなく人がわいてきた。
車の中から出てきたんじゃないような…ん?と見ると、車の脇に他の男の人たちが何人かいて目があった。
ささささささささどたん!
雨音の中ほとんど音もなくわたしは車の中まで運ばれていった。
と同時に車は急ぎもせず、普通に静かに走り出した感じがした。

一瞬の出来事だったのに、お友達のいたずらだとしか思っていない自分。
『ええ?だれ?」と質問している声も余裕のある感じだったんじゃないかと思う。
この時はまだぜんぜん恐怖とかなく、半分楽しいような気分がするくらい
みんなの顔を見回して、見知った顔を探していた。
『ちょっと待って!ちょっと待って!こんな時間にふざけてる場合じゃないでしょ?』
車がゆらゆらする中で、ガムテープが口に貼られてしまった。




やっとここで心臓がドキドキというのがわかった。事態も飲みこめてきた。
もう1度車内を見回してみても、見知った顔を確認できないくらい車内は真っ暗だった。
いきなりの往復ビンタでクラクラして声も出ないでいるうちに、
ロープか紐のようなものが目の前を通り過ぎると、後ろにいた人が私に目隠しをした。
左手を持ち上げられて、どこかにキュッとつけられて…
右手を持ち上げられて、左手と同じところにキュッとつけられた。
両足首も何かでキュッとされて〈そのままここ座って〉と声がして、両側から腰に手を当て下に下げられた。
わたしは椅子らしき何かに座った。すぐにひも?でお腹の辺りを締められた。
車内がシーンとしてただ雨の中を車が走る音だけがした。
どれくらいか覚えていないけれど、ガタガタとした道を走った感じがして車が止まった。

頭の中で必死に冷静になるように考えながら、視覚がふさがれてそれ以外の感覚に集中する。
声も出ないし…もちろんなんだかわからない怖さで体が震えていた。
歯がガチガチするくらい怖くて心の中では『やめて』『たすけて』『やだ』って叫んでいたけど
声になるわけもなく…頭の中ではドラマみたいにみんな引きちぎって走って逃げることを考えてるけど
体が動くわけもない…
自分が武術のような能力もない。
完全に体が固まっていてまずは騒がない方がいいよって自分に言い聞かせる。
とにかく様子をみようと耳だけに意識を集中していた。

誰かが静かな声で話し始めた。
〈ごめんね。驚かせちゃってさ。寒くない?…静かに言う通りにしててくれれば痛いこととかしないからね〉
〈あれ?わかった?…あっ話せないんだね。きこえてるよね?〉
〈痛いこととかしないから静かにしててね〉
わたしはなん回もなん回も首を縦に振ったような気がする。
〈いい子だね〉とひざのあたりをとんとんとされた。

〈危ないから動いちゃだめだよ〜〉
ハサミのようなものでTシャツが切られている音がした。
それと一緒に携帯のシャッター音…
ズボンも切られていく音がして、またシャッター音…
<おおおお><いいねえ><ひゅ〜><大きいじゃん><ほらなババアじゃねえだろ><あたりだな>
そんな声がした。さっきの静かな声の人の他の6人の声が聞こえたから、ここには7人いるんだなと思った。
殺されるな…そんな気になって、たぶん自分が今ほとんど裸で写真を撮られ、暗いか明るいかはわからないけど
じろじろ見られていると思い、この後はきっとドラマみたいなことが…と思ったら体に触られ始めた。
わたしにできることはなんだかわからなくて、ただ首を横に振って『やめて』とガムテープの下から訴える。
自分では見えないけれど、自分が今どんな姿でなにをされてるかは理解していたと思う。
触られたくなくて逃げようとする動きは、またおもしろいのかいろんなことを話している。
助手席?に座っていた人がこっちに動くような気配がしたら、パッとわたしから手を離した。
もう1人いたんだ…
わたしはその人にスッと持ち上げられて片足の上に座らさせた。
口のガムテープをはがして  しぃーーって言った。
……………………

その人がわたしの耳下でささやき始めた。
«この事は誰にも話してはいけませんよ»«約束しましょうね◯◯◯◯◯◯◯さん…いいお名前ですね»
«すごくきれいに写真も撮れていますから安心してくださいね»
«気持ちがよかったら声とか出しちゃっていいんですよ»
«動画も録ってますから»
“僕らは人殺しじゃないから安心してくださいね。ちゃんと送って行きますからね”
足のひもがほどかれて誰かが足を持った…なにが始まるか想像できた。
さすがに抵抗はしてみる。勝ち目がないけどとにかくなんとかしなくちゃって暴れるしか、声を出そうとするしか、
それくらいしか頭が回らない。
ベルトの音が心に痛くて涙が止まらなくて、舌を噛んで死んでしまおうと思った。
口から血が流れて“おおおっとだめですね”と布を口に押し込まれた。

わたしの体にたくさんの手が好きなことをしてた。
使いたいようにわたしの体を使っている。
あちこち水をかけられるような感覚もある。
ジャンケンをする声…背中にすごい痛み…内股にもすごい痛み…胸にも…腕にも…
手首には❌の痛み……痛みの後にはなにかがなにかが流れてくる感覚。
そしてそれを人の手が私の体にぬっているみたい。

ジャンケンの勝負がついて順番が決まったみたいで…
<なあ口もやろうぜ><大声出されるだろ><この人騒がなそうじゃん>
そんな声とシャッター音となんだか突っ張った感じのする皮膚に、触られてる感覚、あちこちが痛い。
さっき舌と唇を噛んだので布を入れられたけど、血の味がした。
口から血が流れてるのも自分でわかった。
頭の中でなにも考えられなかった。もうどうでもいいやって考えたかも覚えていない。
このまま死ねないかとほっぺの内側を思い切り噛んでもっと血が流れてきた。

«あれあれあれれ…だめでしょ?そういうことしないでね»
と新しい声が聞こえてきた。運転席あたりから聞こえてくるから…8人目❓
この人はなにもしてないんだって思いながら声を聞いていた。
«みてみてみてみて。こんなの見つけちゃったよ»
それは私のカバンの中に入っていた現金のことだった。
何人かはわたしのカバンの中の隠し万札探しがはじまっていた。
ちょうど今日…通帳から下ろしてきたところだった。
私の70万円…銀行の封筒に入れてあった。
財布の中に小さく畳んで隠してあった2万円だったり…
何かの時用にときれいな封筒に入れていた5万円だったり…
わたしをたすけてくれた【お友達ローン】の返済のため封筒に貯めていた千円札が20万円ちょっと…
化粧ポーチに隠しておいた1万円に…キーケースに隠した1万円に…
Suicaカードの裏にあった1万円に…とにかく後で確認したら全部見つかっていた。
家で確認したら…カバンの中はポーチの中も免許証の中もみんなバラバラに出されていた。
カードや身分証明書はなくなっていなかった。

こっちでは口の順番を決めるジャンケンが始まっていたと思う。
勝ち負けにめちゃくちゃ盛り上がっていて、勝ち抜いた人が<よっしゃ>と…
わたしの椅子になってる人がそこまでずっと耳下でささやくだけで
なにもしなかったのにわたしの両足を大きく開かせた。
抵抗なんて、こっちは必死の力だけどまったく効果なし。
そんな状態で1万円札がパラパラと運転席の人が1枚ずつばらまいたので
急にそれを拾う争いに変わり、わたしは手首の縛られたところでゆらゆら宙に浮いていた。
はじめて車が近くを通る気配がして、ホーンが聞こえた。
やべやべ…でるぞ
車はなにもなかったように走りはじめていくと、わたしの顔を後ろからドア?に押さえつけた。
また静かな声でいろんなことを言いはじめた。

今日のことは誰にも話しちゃだめだよ。警察とか絶対だめだよ。おれたちは◯◯◯ちゃんのこと大好きだし
すごく気に入ったから何回だって会いにくるからね。ダンナよりぜったにしあわせ気分にしてあげるし…
きれいな写真がたくさん撮れてるから今度は一緒に見ようね。
おれたちがまた迎えにきた時は騒がないで自分からこっちにきてね。
オレらいっつも見ててあげるからね。今日のことは忘れないからね。
満足させてあげられなかった分は今度たっぷりね…wwwww
お金たくさんありがとうね。必ず返しにくるから楽しみにしててね。
ほんとこんなおばさんとは思えないセクシーな体だよね。
次が楽しみだよ!またね!

チョキンと何回か音がして、床に寝転んだら蹴る人踏む人がいた。
スライドドアーの開く音がして、走ってる車から「はい〜」と投げ捨てられた。
大雨の中、血だらけ傷だらけ泥だらけで砂利道の真ん中で「ばいばいまったね」と手を振る姿が見えた。

32・10   ←車のナンバー

どうやって帰ってきたかは覚えてない。
切られた服を着て前を鞄で隠して…それでもドロドロだから人目を避けて
コソコソ歩いてきた。何度も死のうと思った。こんな汚された体で死にたくない。
真夜中を過ぎて家にたどり着いた。何回もゴシゴシ洗洗洗洗…落ちるわけのない汚れ。
お金があったから性交渉されなかった。

  死にたいずっと消えない傷死にたい消えない汚れた体汚い悔しい死にたい
  32・10の紺か黒のWGN…見つけて全員を
  死にたい死にたい誰かわたしを今すぐに殺してください
  お金を取り返してくださいせめてお金だけでも…
  記憶から消して何もかも忘れてしまいたい
  こんな体で生きていたくない死にたい汚い自分が醜くて大嫌い