地理人レポート

展示や新グッズ作りに向けたコラボレポートと、空想地図&地図グッズ紹介をお届けします。

運行間隔を路線図で表現したい…(超・路線図)

2020年05月22日 | コラボレポート


さて、路線図の限界を超えた、超・路線図を作ってみたい、という衝動を、前回の記事からお送りしていますが…本日は、鉄道の運行間隔と、バス路線についてお話します。

鉄道路線は、運行間隔が大事

都心部にいると、電車は便利なものです。しかし地方においては、車がメインで、鉄道は車が使えないとき、仕方なく乗る乗り物になりがちです。電車が便利かどうか、その差を決める大きな要因は、運行間隔です。前の電車を逃しても、次の電車が5分で来れば、その路線はあてになりますが、1時間来なかったら、容易く電車に乗れる感じではなく、時刻を調べて、狙って乗りに行く必要があります。


平日日中、上のようなルールと色で、何分間隔で運行されているかで色を塗り分けてみました。



山手線とその周辺は5分間隔(地下鉄が5分間隔)、その外側の首都圏は10分間隔です。ときどき20〜30分間隔の路線もあります。

全国、これまでの数十年で、各都市でどのくらいの頻度で運行されてきたか、まとめられていた方がいます。これは圧巻・・・

これまでの都市の人口増と、鉄道(国鉄→JR)がその中でどのような役割を果たしてきたかの変化も読み取れます。これはいくらでも見ていられる・・・

線の太さで描き分ける

さて、しかしこれ、路線図を作るとなると、運行頻度で色分けする訳にもいかないのです。もうすでに、路線ごとに色分けしてしまっているので、別の方法で描き分ける必要があります。そこで、線の太さで描き分けてみます。ちなみに本数や運行頻度を線の太さで描き分けるのは、バス路線図では割と一般的になってきています。私もよく訪れているバス路線図サイト、Bus Service Map路線図ドットコムの路線図を見ると、バス路線の太さで、どのくらい便利かが一目でつかめて便利です。

さて、こうした描き分けは、鉄道路線図ではなかなか見ませんが、やってみましょう…



首都圏のJR線でも、相模線や成田線といった路線は本数が少なく、大きな差が見て取れます。ところでみなさん、次の便が何分来ないと「不便」と感じるでしょうか。10分は多くの人にとって許容範囲だと思います。12分?15分?20分?30分…?それとも1時間くらいは待てる…?このあたりは人によって間隔が違うでしょう。

私は大都市にいると20分来ないと不便に感じますが、地方にいると20分なら便利だなと感じます。いる場所によって感覚が変わってしまうのは不思議なものです。

大都市に住んでいて、都心まで電車で通勤・通学することを考えると、この太い沿線に住んだ方が良いでしょう。そういう意味では、住まい選びの参考にもなりそうです。

バス路線も淡く載せてみる

さて、さきほど路線バスの話をちらっと出しましたが、今回の鉄道路線図にも載せてみたい…と思うに至りました。全部載せたら大変です。ただ、所によっては鉄道よりバスで行ったほうが速いところもあるのです。



このように、東西(左右・横)を結ぶ鉄道路線が多いところでは、南北(上下・縦)の移動はしにくくなります。ここで使えるのがバス。吉祥寺や荻窪、中野から、西武新宿線、西武池袋線沿線に行こうとすると、電車で2回乗り継いで遠回りするより、バスで行ったほうが速いことがあります。JR総武線の錦糸町駅から、都営新宿線、東京メトロ東西線沿線に向かうときも同様です。

そこで、淡い線を入れてみました。色は会社別につけてあります。都営バスは緑色、関東バスは赤色、西武バスは青緑色…と、その会社の色(なるべくバス車体の色)で描いています。ただ、こここそ本数が重要。必ずしもたくさんの便が来る訳ではありません。ええ、もちろん、バス路線こそ鉄道と同じルールで、運行頻度と太さで表現しています



しかし一体どのバスに乗ればいいか分からない…行先も番号も分からない
はい、そうなのです。そのあたりはバス路線図を見るか、経路検索していただければと思っています。路線図だけで経路が分かるようにサポートしようとすると、情報の洪水になって大変です。

100%ではないが0%でもない、20〜30%の情報を、ここでは載せています。「ここは行けそうか、行けなそうか」という、やんわりした情報です。そういう判断材料があるだけで、遠回りせず、バスの可能性に気づければ本望なのです。隣の駅からだと南北に移動しやすい…と気づけば、買い物に行く用事を、隣の駅でしてしまえば楽だ…と判断がつくこともあります。そこからは、バス路線が検索できる経路検索を使ってみる、バス案内所に行って聞いてみる等、取れる手はあります。


これは東京都多摩北部から埼玉県南西部にかけての、西武線沿線のあたりです。茶色の路線はJR武蔵野線ですが、武蔵野線の内側(右下)はバス路線が多く、運行頻度も高めです。外側(左上)は、バス路線が少なく、運行頻度も低くなっています。

バスで縦横無尽に移動できるところは、すなわち「車がなくても生活できる」こととニヤリイコールです。武蔵野線の内側なら、車がなくても縦横無尽に動けますが、外側だと、人口の多い住宅地から最寄り駅までの路線しかなく、縦横無尽に動けません。

やはりこれも、住まい選びの参考にしたいですね〜。私は車を運転できないので、武蔵野線の内側でないと難しそうです。ただ、同じ埼玉県でも京浜東北線沿線や、多摩地区だと八王子、立川周辺はこの限りではありません。

(余談ですが、ここが一番調べるのが大変でした…路線や本数、よく変わるので、これは更新も大変そうです。次はいつになるやら…系統番号、載せたほうが良い気もしましたが、都心部で情報の洪水となり載せられなく鳴ったので割愛しました)



今日もモリモリ書いたけど書き終わらなかった…。

(↓超・路線図、昨年春印刷のため、羽沢横浜国大駅と高輪ゲートウェイ駅は予定駅として表記しています)

<コラボレポ>時代とデザインの変化を読み取り、百貨店の包装紙を空想する

2020年05月20日 | コラボレポート
こんにちは、地理人です。

空想地図で描かれている中村市を、あらゆるクリエイターによって再現するコラボ企画。鉄道車両、コンビニ店内音楽に続く続いてのコラボは……

百貨店です。

今回、ホンダノホンダナさんのデザインで、中村市の百貨店の包装紙を再現します。ホンダノホンダナさん、包装紙や紙袋等、ゴミとして捨てられることもあるものの、とても凝ったデザインのものもある、ゴミのようでゴミでないものに着目し、ZINEを作っています。マニアフェスタBOOTHその他のイベントで発売中です。

そんなホンダさんの趣味活動ですが、本職はデザイナーで、そのインプットのためにも始めたのだとか。

実は私、百貨店をはじめとした大型商業施設好きで、全国の百貨店はほとんど行ったかと思います。商業施設マニアって、いそうであんまりいないんですよね。

ホンダさんに包装紙作ってもらう前に、やっつけで作ったロゴを整えておこう…と思いつつ、ちょうど良いことに、中村市の空想地図は過去最大級の大幅な修正をしておりました(一昨日終了)。
この機会に、店名やロゴも一部修正しています。

市内に百貨店が4店ありますが、うち2店は店名やロゴが変わります。

旭丸(中心部の平川に立地)
浅岡屋→太田屋(中村駅前に立地)
森橋(旭田に立地)
中電百貨店→中電フィリオ(平川駅前に立地)※百貨店から専門店ビルへ



百貨店ロゴの変更秘話

3店とも地方百貨店ではなく全国チェーンのつもりでした。しかし問題は旭丸。元のデザインがどこか垢抜けず、地方百貨店っぽい…いつか変えようと密かに思っていたのです。

上のロゴ変更画像を見ていただけると分かりますが、元の雰囲気を変えず、多少スマートにしております。

次に、中村駅前の浅岡屋は、ロゴだけでなく店名そのものが変わっています。
浅岡屋、時々ファンがいたんですが、青いAで旭丸と被る…というかあさひまるあさおかや、って語感が似てもいました。似すぎる大手が共存することってなかなかないので、少々外そう…ということで、浅岡屋には太田屋になっていただきました。

旭丸ファンとか聞いたことないのでそっちが譲れよという話もあるかもしれません。いや、それは大いに検討しました。どう…にもうまい名称が浮かばず、浅岡屋のほうに引き下がってもらいました。スンマセン(誰に)

これは本題じゃありません。本題はここからです。

リアル百貨店の包装紙から、空想百貨店の包装紙を解く

さて、ホンダさんから突如、「百貨店の包装紙」の資料が送られてきます。
こんな資料があるのか…と思ったら、なんとホンダさん作。なんて下準備のよろしい…



こうして見ると、案外意味の類推できない、シンプルな幾何学模様が多いことに気づきます。大手はシンプルで堅く、地方百貨店はちょっと自由でデザインの幅も広め…なのは、大手銀行/地方銀行の違いと通じるものがあります。

なるほど、そうなるとシンプルな幾何学模様を考えてみたくなりますね。
続いて今回の旭丸の包装紙の方向性についても資料を作っていただきまして。


(プロって頼もしいなぁ…)

おっと吐息が漏れました。右上が1960年代、左下が1980年代、右下が2000年代。
1960年代はイラストや模様も自由です。自由で楽しそうだけど、なかなかテーマを絞り込めず、0→1を作るのは逆に難しそうです。2000年代はシンプルに削ぎ落としていく現代のデザイン。まず最初にどこに手をつけるのか、ですが、その両者の間となる、1980年代の包装紙から着手することにしました。丸善ってこんな包装紙あったのか…しっかし色がキレイだ…。

ホンダさんの推測によると、1980年代まで、筆文字の旭を○が囲む古風なロゴだったのだそうな。なるほど、大丸も一部店舗では大を○が囲むロゴが残っていたり、今でも三越は○越だったりしますが、このタイプでしょう。(写真は下関大丸、松山三越)



それにしても極度にハネて、強めの文字の多いこと。なんででしょうね、とホンダさんと話していたのですが、その謎はあとで解けます。

しかし問題は、このロゴはPCのフォントでは作れないということ。
試しに○の中に旭の文字を入れてみましょう。



うーむ。楷書体、勘亭流、ひげ文字のフォントで作ってみても…かなり「パソコンで作ったな」感が出ます。このままではうまくいくまい…。

手書きでないと書けない「大入文字」に迫る

そこで、硯コレクターでもあり、ときに書道講師、マニアフェスタでは書道マニアとして出店する丸山曄涯さんに書いていただくこととしました。コラボに次ぐコラボです。

丸山さんによると、こうした百貨店のロゴは大入文字(おおいりもじ)と言って、大相撲や歌舞伎で使われる文字です。枠いっぱいに、隙間なく文字を埋める大入文字は、千客万来を招く縁起の良い文字でもあります。当時の百貨店はこの演技の良さを取り入れたのでしょう。百貨店にとっても千客万来は縁起の良いことです。そう言われるとなるほど、抑揚のある強めな文字で、○いっぱいに埋めてくるあの文字になるのも納得ですし、旭丸さんもそうするでしょう。

そこで、丸山さんにあらゆる「旭」を書いていただきます。


これはパソコンで出せないし、自分では書けない…
遠慮がちに無理を言って、さらに何種類も「旭」を書いていただき…
その後、ベスト文字を書いていただけたので、少々こちらで整えて、この形に収めました。旭の字のうち、ノの部分と乙の部分にハネがあり、ささくれたヒゲのようになっていますが、その個数はそれぞれ3、8と縁起の良い数にしております。

1980年代の包装紙案、現る

さて、これを受けて、このロゴが入った包装紙の案が4つ、各2色で合計8パターンできてきます。おおお…!

こちらがA案。
なんかどこかで見た模様…いやいや、旭丸のロゴに登場する葉っぱをモチーフに、6枚並べて花びらのようにも見えるもの、ですね。なるほど、青も赤も良いですね。A〜Dのどれかで迷う前に、Aは2色で迷う…

次いでB案。
波打つ規則的な模様に星の輝き。右のカラー版は昔っぽさを感じつつ、左の青版は今でもいけそうな色合いですが、なんだろう、洋菓子屋さん寄り…?(って、何が「洋菓子屋」を思わせるのか分からないまま言っているので、何がそう思わせるのか追って考えたいと思います)

続いてC案。
こちらも波打ってはいるけど、長方形に近い形で、交差部分のみ波打つパターンです。これも右は時代を感じますが、左は今の時代でも使えそう。これは角丸の角度や模様の太さ(細さ)のバリエーションも見てみたいところです。


最後にD案。
おお、完成されている…一番推したくもあるが、しかし西武百貨店感もある…(既存の元ネタがわかりやすいものよりは、「元ネタがわからないが百貨店らしい、ありそう」を狙う側からすると、西武っぽいと言われると悔しいところ)
でも完成度が高い。

いやはや迷う・・・ひぃ〜今日のところは決められなさそうだ・・・

しかし絞らなきゃ次に進まぬので、少し反応を見つつ、言語化できていない部分は言語化して考えつつ、絞り込み、話し合い、次へ進めたいと思います。
楽しみです。(お楽しみに〜)

<コラボレポ>架空コンビニのサウンドが突然現る

2020年05月14日 | コラボレポート
こんにちは。久々の地理人レポートです。
ここ1ヶ月ほど電車に乗らない珍事で、打ち合わせはリモートに、そして製作は自宅に(それは元から)。
そんな中、あの、架空CMソング作者キシリ徹さんと打ち合わせをしました。
(と言っても打ち合わせは1ヶ月前、4月13日でした。遅くてスミマセン)
(リモートミーティングのキャプチャ撮り忘れた…)

コンビニ「アルファマート」店内で流れている音楽やBGMを再現

前回の打ち合わせで、アルファマート店内音楽を再現しよう、ということになりました。
しかし、難しい…

ちょっと前なら、各コンビニで
「セブンイレブン、いい気分」
「あなたとコンビに、ファミリーマート」
「マチのほっとステーション、ローソン」

という、キメ・キャッチフレーズが定番で、それをメロディーに乗せたサウンドロゴをよく聞きました。

しかし、いつしかセブンイレブンは、「いい気分」が弱まり、忌野清志郎「Day dream believer」が流れるようになりました。最近また変わったとか変わってないとか。

ローソンも「マチのほっとステーション」というフレーズはほとんど聞かない代わりに、「ローソンCSほっとステーション」という店内のラジオ番組がメインです。ファミリーマートはむしろあの入店音が目立ちます。そうか、うーむ。
 
元ネタをそのままコピーしたり、原型が分かる形でアレンジしたりするのは比較的容易ですが、ここでしたいのは、今の時勢を捉えながら、現状に囚われないものを再現すること。ひとつ、サウンドロゴは作りつつ、店内で流れてそうな放送(告知内容)と、BGMを用意し、店内BGMを再現しよう、ということになります。
 
突然、アルファマートの音ができている!

そして早速!!
アルファマートのサウンドロゴが4案上がってきます!びっくり!

A:シンプルな感じ

B:男性っぽい強い感

C:やさしい感じ

D:少しひねりの効いたやさしくてシンプルな感じ


おおおお。
これは…Dだ…Dがいい…

と思いましたが、キシリ徹さんもD推しでした。よし決定。
 
さらに、シンプルなサウンドと、キメキャッチフレーズを加えたアレンジもできます。

「あ、あった!アルファマート」

おおお、一気にキメキャッチフレーズまでできてしまっている。いいですね。
 
さて、あとは他の放送。
唐揚げやおでん、パンといったオリジナル推し食品か、銀行やペイの案内か、はたまたバイト募集か。いずれにしても文面を考えねばなりません。
 
 
こうしたコンビニ店内の放送を参考にしながら放送内容を考えていければと思います。
それでは続きをお楽しみに・・・

<コラボレポ>どうする?通勤急行… with Mr.Densha

2020年04月26日 | コラボレポート
最近市外局番の話ばかりしておりましたが、空想都市コラボもすこーしずつ進んでおります。


いやはや、外で打ち合わせしてたのが懐かしいですね。
この打ち合わせは、1ヶ月ちょっと前のお話です。早くまとめてあげなきゃなんですけどね。いやはや怠惰なもので。いかんイカン…。

前回、新型車両の話が出ました。こちら、平坦な金属面と、ホームドアでも隠れない、電車上部に紺色が塗られた「8000系」の話が出てきましたが…


今回登場?したのは「6000系」。1992年に登場した車両です。


ぱっと見ると、なーんとなく8000系よりは古そう、という印象ですが、その新しさと古さを形作るのは何か、という話は前の記事をご覧くださいませ。

路線図を作るのだが、ひっかかるのが「通勤急行」…

さて、今回の本題は路線図です。
ででーん。電車のドアの上に貼られている路線図です。


まず、何に笑ってしまったって、
印刷する際に裁断する基準線となるトンボや、色の情報が入ってまして。



そしてこの路線図のファイル名「路線図 京中 日根川直通 路線図 海側 アウトライン化.pdf」が気になります。「海側」ってなんなんだ、って話ですが、みなさんお気づきでしょうか。電車のドア上の路線図って、その電車が進む方向に合わせてあるのです。つまり、反対側のドアの上には、左右反転した路線図が貼ってあるのです。それこそ神戸を走る鉄道なら「海側のドア」と「山側のドア」、って言えば分かりそうです。(いや、神戸電鉄はむずいな…)

中村電鉄の「海側」はどっち側かは少し迷うんですが(海のある西京方面には海と直交し北に向かうため)、北・東寄りと、南・西寄りでは分かれると思います。何て呼んでるんでしょうね〜。各社、何て呼んでるんでしょうね〜。

さて、問題になったのは…



こちら、特急、急行、各停の他に「通勤急行」の文字です。私が言い出した話ではあるんですが、この通勤急行AとBの処遇に悩みます。ちなみに特急や急行という運行パターンの種類を「種別」と呼びます。

都市部の鉄道だと、昼間は全部の駅に止まる各駅停車から、速く走るためにすっ飛ばす特急、その間の種類(急行や準急)まで色々な便が走り、うまーくダイヤを組んでいる訳ですが、通勤時間帯は、いやはやなかなか難しい。

その理由はこんなところでして。
・便数が多くて前後の電車が詰まっており、抜かしたり抜かれたりが難しい
・どうしても特急の乗客が多く、混んでいる電車がただでさえ混む
・速いはずの特急、停車駅で乗り降りに時間がかかり、遅れる

いやはや、難しい…。
そこで、現実の鉄道でも、通勤時間帯だけの種別が登場するのです。
たとえば…

・特急より停車駅が少ない種別が登場する
(速い訳ではないが、駅に止まると乗降時間が延び、混むので、その時間短縮と混雑軽減のため、ただ駅を通過する)
・特急と急行の間の種別が登場する
(特急に集中しないよう、しかし急行より速く行けるよう、その中間の種別が生み出される)
・昼間の特急や急行と基本的には同じだが、一部の駅で停車したり通過したり、微妙なパターン変更が生まれる
(このパターンが多いと思いますが、これは各社各線によっていろいろな事情でそうなるようです)

さて、中村電鉄では「特急と急行の間の種別が登場する」パターンを採用してみます。そして、通勤急行を2種類用意してみました。2種類…?


上の路線図、青い線が通勤急行です。西中崎から平川までの間、上の、黒線が入ってるものは、上築、大師橋に止まり、下の、黒線が入ってないものは、原富、松屋、高天寺に止まります。交互に主要駅に止まっていくパターンは千鳥停車と呼ばれます。どちらか一方が混みすぎることなく、同じ速度で走るので、抜かしたり抜かされたりがなく、シンプルになります。

問題はその呼び名。通勤…急行?この2つは呼び分ける…?

通勤急行でいきましょうか。最初は2つとも「通勤急行」と呼ばれていたはずで、それがいずれ呼び分けられるようになったとすると…1・2?α・β?いやしっくり来ない、A・Bも序列がつくようでベストではないんですが(この二者、対等なので)、甲乙も序列だし、まぁA・Bでいくか、ということになります。というわけで、路線図はほぼ整ってきました。

「サインシステム」って?

普通に生きているとなかなか聞き慣れないこの言葉ですが、駅名が書いてあるプレートや各ホームへの案内、その他駅の中のあらゆる案内表示板のデザインって、なんか統一感ありますよね。そのルール、基準のことです。

思えば20〜30年前は、そんなに統一感なかった頃もありました。会社のロゴを含めたブランドデザイン、ブランドイメージの一貫として、こういうものが整えられていった経緯もあります。

で、中村電鉄は?



こんな感じです。
ヒョー、文字のサイズだけでなく、文字と文字の空きも定められているワケですね。いや、何を隠そう、これはMr.Denshaの卒業論文のテーマでもあるのです。卒業展示でもちゃっかり中村電鉄のサインデザインが登場してました。

次は「トレインビジョン?」

トレインビジョンとは、ドアの上にある、液晶画面のことです。次の駅や所要時間、出口の方向を案内してくれるアレです。

Mr.Densha、本物と全く見分けがつかないほどに、実際のあらゆる鉄道会社のトレインビジョンを再現する人でもあるのですが、どんな映像ソフトを使っているのか…?あるいは納入企業が使っているソフトを使っているのか?

まさかの、パワポだそうです。
逆に、すげぇ…

地理人側で用意しておかなければならないのは、各号車ごとの出口の位置です。


こんな情報が必要になってくるわけですね。
なにやってるんだ私、こんな駅ないんすよ、誰も乗らないし誰も要してない

いけねぇいけねぇ、空想地図というかコラボを含めた全ての所業を否定してしまうところだった。実際には、割と常にそう思いながら、安定して低いテンションでやってはいるんですけどね。さて、上記の情報を揃えて、トレインビジョンを整えていければ、と思っています。

ではまたー!

市外局番は、きれいな柄であり、地域を読み解く鍵である(1)

2020年04月15日 | コラボレポート
こんにちは、地理人です。
基本的には空想地図作家…なのですが、現実の都市、地域について眼差すことも多いのです。
今日はさらに、地図から少し逸れますが、私が好きな?市外局番のお話です。

"市外局番を地図にしたら美しいはずだ"

…と思っていたんですが、そんな声は聞いたことがありません。
同調する人もあまりいません。
そうなると、逆に作りたくなるものです。



そしてできました、市外局番地図。
数年前、作っている過程はTwitterでお届けしたのですが、市外局番の一体何がおもしろいのか…はあまり文字化していませんでした。リアルで話すときには話すものの、めんどくさがってWebにアップしてなかったのです。



境界線を示す場合、点線を描けばいいのですが、塗り分ける方法もあります。世界地図には国ごとにいろいろな色が塗られていますよね。でも、それぞれの色に意味はありません。隣の国と違う色になるように塗り分けているのです。ちなみに、4色あれば、隣合う色が同じ色にならないので、4色で塗り分けるのが一般的です。

こんな感じで、上3桁を同系色(赤・黄・青・緑のどれか)で塗り分け、同じ上3桁、つまり赤・黄・青・緑の各エリア内を、さらにそれぞれ4色で塗り分けています。塗り分けることで境界や範囲、面積がはっきり見えますが、青系の色が広い範囲に及んでいるところもあれば、狭い範囲にとどまるところもあります。この違いは何で生まれるのでしょうか。

1. 人口の偏りが見える

人が多い大都市部は多くの番号を必要とするので、ひとつの市外局番が占める領域は狭くなり、人口の少ない農山漁村になればなるほど、広くなります。北海道を見てみましょう。

こちらは北海道の市外局番地図。札幌は市外局番のファーストナンバー「011」ですが、その範囲は札幌市周辺のみ。北海道全体で見るとかなり狭い範囲です。その代わり、北海道の東半分(右側)「015」の範囲は広いのがわかります。これでも「011」の範囲には200万人以上がいて、015の範囲は約100万人もいません。それだけ人口密度には差があるのです。



こうして見ると、長野県、新潟県、福島県は、面積が広いのに、ひとつの色系統(市外局番の上3桁が同じ)になっています。だいたい1つの県が市外局番上3桁まで一緒であることが多いのです。ところが、東京近郊の色は細かく分かれ、ひとつの県内に複数の色系統があります。千葉県は043(緑)と047(青)、埼玉県は048(黄)と049(青)、神奈川県はさらに多くなっています。



2. 人のつながりが見える

さて、東京都を見てみましょう。「東京都は03」という印象がありますが、それは23区だけ。いやいや、23区と狛江市が03です。なぜ狛江市だけ03の範囲に吸収されたかは謎ですが、面積的には東京都の半分以上は042。東京都の多摩地区全域が042です。

多摩地区に住んでいると、042=多摩地区というアイデンティティを持ちかねないのですが、そうでもありません。埼玉県、神奈川県、山梨県にはみ出しているのです。このはみ出しを追って見てみましょう。

まず、埼玉県のはみ出しです。埼玉県の所沢、飯能ですが、ここは県庁所在地のさいたま市からから非常に縁遠いところ。通勤や買い物ではまず池袋や新宿に行く人々で、多摩地区の人々の行動と似ています。また、神奈川県の相模原市と東京都町田市は、両市民とも町田駅周辺の街に集まることが多いので、ここに都県境こそあることに違和感をもつ人もいますが、ここは同じ市外局番(042-7)です。同相模原市内でも、旧相模湖・藤野町はJR中央線沿線で、こちらは八王子(042-6)と同じ市外局番です。

最後に山梨県にもはみ出しています。山梨県の2つの村(丹波山村・小菅村)は、東京湾に流れる多摩川の源流で、最近は山梨県内へのバスもできましたが、最近までこの2つの村に行くには東京都の奥多摩駅からしか行けませんでした。そこで、奥多摩を含む青梅(0428)の局番が割り当てられています。

おっと、長くなってしまったので今日はこのへんで〜。


<コラボレポ>架空CMソングクリエイターが空想都市で生み出す音楽とは?

2020年04月09日 | コラボレポート
こんにちはこんばんは。
時代はすっかり、緊急事態宣言です。(大都市部だけですが)

この打ち合わせをしたのが懐かしい随分昔のようです。
(実際には1ヶ月前…3月13日なので、たしかに随分昔です)

架空CMソングで有名なキシリ徹さんとのコラボ、キックオフ。

架空CMソング?

読んで字のごとく、実在しない企業の実在しないCMを作っているグループです。しかも週1で。50曲作ってアルバムにするまではとにかく作り続けるらしい・・・ストイック・・・。接点はマニアフェスタでした。

メインメンバーはやなせ京ノ介さんとタニケンさんのお2人。その他、歌やデザイン等、他の強みをもつ12~13人のメンバーも含めて「チーム・キシリ徹」で動くこともあるようです。まずは架空CMソングを聴いてみましょう。今回のgooブログ、マニアブログフェスタにも参加中です。

中村市のどんな音を再現するのか?

さて、音楽からのアプローチということで、中村市の何を再現するのか・・・

中村市の市歌?市内の学校の校歌…?

首都圏郊外の大都市(政令市)ということで、
川崎市歌(重厚な曲で、歌詞はもともと戦前に作られ、戦後に少々リメイク)
さいたま市歌(2000年代、平成の大合併で生まれた都市で、平成ソング)
このあたりは近い事例です。(かつ、この2つの市歌は私も妙にハマって聴き続けた)

それよりは、日常に馴染む、特に気にしないけどいつも無意識に聴いているものってなんだろう、というわけで「コンビニで流れる音楽」に着目しました。

BGMだけでなく、入店音、サウンドロゴ、たまに流れるCM、店員さんの声などなど、「コンビニやチェーン店の音」には様々な切り口があります。(サウンドロゴだけでもこんなに!

コンビニ、どこ行くか・・・
そうだ、タナゴさんがアルファマートを再現しつつある…

よし、アルファマートにするか、というわけで、アルファマートの店内に迫ります。

しかし「コンビニの音」ってなんだ??
以前は「セブンイレブンいい気分」とか「あなたとコンビニファミリーマート」とか、コンビニのキメフレーズがあったけれど、今はあまり聴かない…

店内で流れるラジオ、キャンペーン情報、商品情報、それらを組み合わせて店内の雑音を作るか…それは今後打ち合わせを重ね、試行錯誤しながら進めていきます。

音の売り方を考えたい

ところで、音は売り方が難しい、と思っています。
以前は明らかにCD…でしたが、今や多くの人がCDプレイヤーを持っているのか…PCユーザーならUSBでいいけど、スマホユーザーには優しくない。とすると、ネットで提供する形なのか・・・

CDやUSBが出てくる前に思いつく、大手動画配信サイトのYoutubeですが、メガヒットすれば広告収入が得られますが、ミドルヒットには優しくありません。ただ、無料で流れるのみ。(広告収入はほとんどなく、有料動画や音楽の設定もできない) 周知にはいいんですが、ミドルヒットの還元は得られません。

じゃそれ以外に何かあるか…?と言われると、なかなかありません。私個人としては有料noteに音を入れるか、と言う案も考え中ですが、このへんはまだまだ検討にかかりそう。

キシリ徹さんからは今後、コンビニで流れてそうな短い曲をとりあえずたくさん作りつつ、私もアルファマートの状況を少しずつ明らかにしつつ、5月末くらいには何かしらの完成形になればいいな〜・・・と思っています。

では!

(議事録:膳所 → ライティング:地理人)

<コラボレポ>都心と都市郊外を結ぶ私鉄が今、発しそうなメッセージを…歌にする?

2020年04月02日 | コラボレポート
こんにちはこんばんは。
(イイ感じの歌ができたのですが、ここからの文章が長いので、気になる方は下〜のほうへスクロールしましょう)
新年度あけましておめでとうございます。

うーん…めでたいか…?
某ウイルスの猛威により、世界的にめでたくはない状況ですが、なるべく影響を受けぬよう静かに生き延びていこうと思う所存です。

地球単位で見ても、コミュニティ単位でも、なるべく接触せずに個々で自己完結したほうが良いという現状においては、イベントや営業といった、アウトプット、拡大…的な動きが取りにくい状況です。その代わり、研究開発や仕込みの時期になろうかと思います。

私もちょうど前記事で書いたように、空想地図の修正を進めていますが、今ここで進めているコラボもその位置づけで、良いものを仕込んでいければ…と思っています。と思ったらバッチリ同じことを友人の大川原が言っていた。先越された〜。

さて、今回のコラボレポートは、村田食堂さん

今回のマニアブログフェスタでも「歌う狸ブログ」を綴られています。
街角に現れる信楽焼のタヌキを追うむらたぬきさん、なんと歌がうまい。夫婦ともどもさらっと歌も楽器がうまいことに、実際演奏を聴いてオオッと思ったのです。過去にマニアソングスと称して他のマニアのテーマソングを作って歌ってたのですが、そうか彼はコラボができるのか、とピンと来て…

3月初頭に思いついたのです。ガチなやつ、いけるなと。
ギャグも受けを狙わず、ただひたすら「ありそうなもの」を追っていくのが’(私の)空想地図。いずれは「五感で感じる都市」にしようと思ってました。視覚に偏るので、聴覚…音も進めていこうと。中村市内を走る中村電鉄のテーマソングを考えたら歌ってくれるかも、と思ったのです。
架空CMソングのキシリ徹さんとも進めますが、それはおいおい、お楽しみに〜。

実例のない「ありそうなもの」、作ってみよう

都心から郊外を結ぶ電鉄が、いまテーマソングを作るとしたら、どうなるのか・・・
そもそも、その例はあまりなく、あんまり聴いたことがありません。
ただ、現実的に作るとしたらどうなるのか、という実験です。できるかわかりませんし「リアリティ」を追う難易度は格段に上がります。だってリアルにないんですもん。


実は私、過去に曲を作ってたんですが、作詞は初めてなのです。作詞センスがない。
ちなみに過去に作ってた曲はこんな感じです。
そう、詩的に言葉を思いつかないので、作詞は苦戦するやつなのです。

作詞ができないのに作詞を試みる

作詞は置いといて、出てくる言葉をまず書き留めてみよう、として書き留めてみたのがこちら。



1960〜80年代に地方から大都市への人口流入が加速し、
この受け皿となったのが郊外の新興住宅地だった。
当時は"新興"住宅地だったが、もう50年近く経っている。
郊外で育った人々は大人になり、成人しているどころか還暦を向かえた人もいる。
いわば生産年齢人口の全世代に及んでいるのだ。

成人するまでに過ごしたところが「故郷」だとすると、
彼らの故郷は、特徴のない平均的都市郊外生活とも言える。
彼らの親の言う実家とは異なる、親戚や郷土料理のない「故郷」や「実家」なのだ。
アイデンティティや地元意識、思い出が形成されにくい普遍的な都市郊外に、
どのように愛着を持つのか、あるいは持たないのか。

都心と郊外を結び、郊外の沿線開発をしてきた電鉄会社は、
沿線の元「新興」住宅地にどうアイデンティティを持ってもらうか、あるいは思い出してもらうか、
また、次の世代をいかに呼ぶか、ということを考えることになる。
大人になった新興住宅地故郷世代に向けた、中村電鉄のメッセージソング的なものがあるとすれば、
こんな曲ができるだろう、という空想調査員の調査は、なぜか作詞作曲という手段を使うことになってしまう。


改行多めにして歌詞考えようモードにしようと思ったのに全然歌詞じゃないゾ・・・
まぁでもこのようなことを考えた訳です。私の母国語は↑このような説明言語で、詩的な言葉は悲しいことに外国語。

これを「歌詞」に翻訳してみる

しかし、ここから歌詞までが遠い。
「生産年齢人口」とか「平均的都市郊外生活」とか「形成」とか、歌詞のワードセンスではない
これをどう料理するか…言葉をひねり出します。くだけた言葉に具体例を交えつつ。
そして、エモく。(私、エモくないからむずいのよ・・・)

この町が好きー!」みたいな直感的、感情的なことが言えないので、というか言えてもウソっぽくなるので、原文をもとに、人工的にエモさを最大限足して、このような歌詞が出来上がります。



今帰っても会う人はいない
SNSで知ってるつもり
あるようでないつながり
ここは故郷なのかな

似てる家が続く町並み
パパもママも根無し草
馴染みの店もファミレス
ここは故郷なのかな

#離れてあの普通が見えてくる
電車に乗れば思い出す景色
都会でもなけりゃ田舎でもない
街と竹やぶがかわるがわる

中学高校大学と
変わり続けた人間関係
絶対の支えがない10代
揉まれて強くなったかも

郷土料理も方言もない
けど育った街は馴染んだ場所
故郷と言い切れない故郷が
この世代の故郷なのかも


※コード進行等はこちら。
このrechordってサイト、コードを演奏してくれてなかなか便利です。

今だから言うんですが私、コード進行ってよく知らないのです。超基本的な展開はヤマハ音楽教室の和音、からの、その後の作曲でひねりを利かせた展開は自己流で考えてたので、思いついた音をどう伝えるか…もう自宅にキーボードもないし、楽譜書くの大変だから、このサイトで「この音出したいならこのコードで合ってるか…?」という感じで照合してました。

ウソはつけないので、実体験からひねり出す

じつは私も、都市郊外出身です。東京都とはいえかなり郊外の日野市出身。市内にはJR中央線と京王電鉄が走っていますが、どちらも高度成長期に人口が急増しており、うちもこうした新興住宅地が広がる地域でした。それゆえ実体験を交えて書けるなと。実体験でないとこういうのってほら、ニセモノ感がバレるじゃないですかきっと(作詞をこわがっている)。
「この世代」じゃなくて「ぼくらの」とか言ったほうがよかったんだな(いま記事書きながら読み返しつつ)
というわけで、ファミレス以外は割と私の(育った日野市周辺に対する)実感です。

「歌詞足していいっすか?」

ウソをついて盛れねぇなぁ、と思ってどうにかここで仕上げたんですが、村田食堂のむらたぬきさんからこんな言葉が。ええ、もちろんいいですよと(一般的にはもちろんじゃないのか)。村田さんは私よりエモいから、きっとエモいやつ足してくれるはず。という勝手な期待がありました。歌詞が足されて歌がやってきます。

どこにでも行けるけど
帰るのはこの町
いろんなとこに行ったけど
心がなごむのはこの町
(ほんとになごむのはこの町)


そうそうそう!そういうことですよ。待ってました。
(なごむ…る?掛けてる?んなこたないか)
私は育った地域への帰属意識があまりなく、帰ろう〜とは思ってなかったから言えなかった…が、そうですよ沿線民なら、中村電鉄ならそういうひと押しをするはずなのですよ。

スミマセンここまで長い文章でしたが、いよいよ歌です。聴いてみましょうね。


間奏が入ったり、順番が変わったり。「ここが故郷なのかな」が締めになってるのはいいですね〜。間奏はピアノで私が考えるらしいです。宿題が増えた。いやいやでもやりましょうか、曲作りスイッチ、もうちょっと入れましょうか。良い機会です。
そうですよこれぞコラボですわよ。楽しくなってきました。

あとは細かく同じコードでもこの音がイイ…とか、細かいことが出てきます。自作の曲を聴いた方でお気づきの方がいるかもですが、裏メロを色々掛け合わせるのが好きなのです。しかしもう作ってたのは15年くらい前…その感覚も、ソフトの使い方も忘れている…さてどこまでできるのか……

(…ということを、村田食堂さんと相談しつつ、進めたいと思います。)

しかし、久々に曲作り的なことを思い出す良い機会になりました。
そして中村電鉄の姿も、少しリアルに見えてきて大きく進んだ感があります。

村田食堂さん、ありがとうございました!
そして引き続き、よろしくお願い致します。

<コラボレポ>新旧電車のデザインは、ただの新旧じゃない。時代背景が見えるらしい。

2020年03月26日 | コラボレポート
皆様いかがお過ごしでしょうか。時代はコロナです。換気のいいところでコッソリ打ち合わせをしています。リモート…でもいいっちゃいいのか。

Mr.Denshaさんとの打ち合わせのレポートです。今期のコラボで最も進んでいます。
4月から新社会人となる電車系大学生。卒業論文(展示&発表)のテーマも「駅らしさを作るもの」と称して駅デザインを論じてます。幼少期から電車好きで、研究テーマや進路に至るまで、一貫して鉄道がメイン。そのキャリアは一本のレールが貫通するかのようでもあります。



Mr.Denshaさんがこれから再現?するものは、

 (1)中村市を走る中村電鉄の車両デザイン
 (2)中村電鉄のサインデザイン
 (3)中村電鉄の路線図
 (4)中村電鉄の新型車両のトレインビジョン
                  です。

中村市内には複数の鉄道会社が走っていますが、その中でも郊外と都心を結ぶメインの私鉄となるのが中村電鉄です。さて、今回は主に(1)中村電鉄の車両のデザインについてのお話です。



前回、中村電鉄の、比較的新しい車両のデザインができあがってきました。ヒョー!突然すごいの来たぞ・・・




ホームドアが車両のデザインを変えた?
突如姿を現した、中村電鉄の比較的新型の車両デザイン。おお、それっぽい。新型車両っぽい。しかし「新型車両っぽさ」って何が鍵なんでしょうか。これは2008年頃以降の鉄道車両でよく見られるデザインを参考にしていますが、窓の上部で左右に広がる紺色のラインは、ホームドアの設置以降に普及したデザインとのこと。

ホームドア??この車両、窓の上に紺色のラインが入ってますが、よく見てみると最近そんな電車が多い気がします。ちょっと前は窓の下に色のラインが入ってる電車が多かったと思います。ホームドアのあるホームで待っていると、窓の下のラインって見えないんですよね。そうか、だから最近の電車は、窓の上だったりドア周りに色がついてたりするのか。

新旧車両のデザインから、会社が、社会が、見えてくる。

ここまで来ると見たくなってくるのはそれ以前の車両。以前はどんな車両が走っていて、どんなデザインの変化があって今に至るのか。これが見えてこそ、この中村電鉄という会社が見えてくるし、時代の変化が見えてくる。そうなると、見てみたいのですよ昔の車両を

そこで、2008年の新型車と比べて2世代くらい前のデザインをも作・・・(空想)調査してみることにしました。



おお、手描きなのか。


着色をするとこんな感じに。
左が19992年製の6000系、右が1975年製造の5000系。

おおお、走ってそうだ…そして時代を感じる…
まず1975年製の5000系から見てみましょう。

高度成長を物語るのは「貫通扉」



この時代は白熱灯を使用している車両が多く、ライトが丸いのが特徴です。材質はステンレスですが、この頃は車両にステンレスを使い始めたかなり初期の頃。ステンレスの銀色以外に色を足すこともなかったのでしょう。ただ、90年代に入って、中村電鉄のコーポレートカラー(青)が定まると、青色の帯をあとで入れたりしたことでしょう。そう、同じ車両でも晩年だけ色が入るパターンも、よくあるのです

正面真ん中のドア下部に「急」のマークが入っていますが、「急行」の省略表記。今は見られませんが、この時代だとこんな電車がいたのです。そう、鉄板のプレートで掲示する電車もありましたよね。(写真で知ってるだけ。見たことないけど)

「真ん中にある」のがこの時代らしさ、なのだそうな。

都市の成熟と、デザインの変化


続いて1992年から製造されたと思われる6000系のデザインです。この頃に流行ったデザインの肝はブラックフェイス。窓の周りの部分が黒く塗られ、前よりスマートになっています。

同時代に作られた、(現実世界…東京の)京成3700形、東急2000系、東京メトロ06系の正面は、正面の扉が真ん中にありません。右窓:扉:左窓の割合が5:3:2になっているので、Mr.Densha氏はこれを「5:3:2顔」と呼んでいます。比率なんて気にしたことなかったぜ…。

そう、真ん中にないということは、連結したとき隣の車両と行き来できる扉にはならないのです。非常時に前から降りるくらいで、平常時、この扉は機能せず、扉の存在感もおとなしめになります。

背景には、この頃に都市化も人口増も落ち着いた、ということです。バブル期まで、人口は増え続け、物価も上がり続け、給料が上がるだけでなく運賃も年々上がってましたが、90年代に入ると変化がなくなってきます。需要が安定し、利用者数も一定になってくると、編成を増やしたり変えたりしなくて良くなります。中村電鉄の場合は、各駅停車も急行も8両編成で固定、となったのでしょう。

今後は路線図とドア上の画面ができてくる…?

(2)中村電鉄のサインデザインは既に素案ができているので追って紹介します。(3)中村電鉄の路線図…は地理人が路線データを練り直さなければならないので、練り直してから取り掛かることに。さらに駅ごとの出口の位置が明らかになると、(4)中村電鉄の新型車両のトレインビジョンもできてきます。地理人も案外意外とやることが増える

余裕があれば、同社の路線バスのデザインも考えてみたり…するかも?

次回の打ち合わせは(3)路線図と(4)トレインビジョンの進捗。追ってレポートします。

(議事録:膳所 → ライティング:地理人)