ちいさな花が咲いてるよ

自閉症の息子との日々+モルモットたち

息子「タツ」のこと②

2014年08月29日 | 息子のこと
親子教室に半年ほど通ったあと、市の障害児通園施設に1年間通園しました。
ここでやっと私とタツのような親子に会って、ほんの少しほっとしたように思います。
ご近所さんに「○○君はどこの幼稚園行ってるの?」と聞かれても「○○は発達に遅れがあるから△△園っていう施設に行ってるの」と正直に言えるようになってきました。
もちろんこの時期も「普通の子育て」というレールからはずれたことへの大きな不安と悲しさがなくなったわけではなくて、少しずつ「現実からは逃げれないんだから、なんとかやっていくしかない」という気持ちにかわっていったのだと思います。



その後、公立の保育所に3年間通い、支援学校の小学部へ入学。
白ごはんが食べれなかったので心配しましたが、おかずを混ぜて食べることでなんとかクリア。
ただ牛乳だけは養命酒の小さな小さなコップの底にほんの少しでも飲めず、先生をネコのようにひっかくこと数知れず・・・でも先生の頑張りのおかげで小3には飲めるようになりました。
タツは一人でできることは少ないけれど、おとなしいタイプだったので今思えば穏やかな小学部生活でした。
まさに嵐の前の静けさ・・・


中学部生活の話のその前に・・・

タツには聴覚過敏があります。そのため小5から家の中以外は必ず「イヤーマフ」という騒音を遮断するヘッドホンをつけています。
最初は人目が気になりましたが、帽子と一緒で外に出るときはつけるもの・・という感覚になりました。
それでも少しでも目立たない物を必死に探したりしました。


こだわりといわれるものも山ほどあります。

ドアはきちんと閉める。
人形などの置物はタツの法則にのっとって整然と並べる。
鉛筆を持つときは肘をつかない。
靴はそろえて脱ぐ。
角を曲がるときは90度に曲がる。
歩き出すときは足をそろえる。
話し出すときに決まった口の形をつくる。
お箸をもつときにも決まった位置をもつ。
服は必ずパンツ→ズボン→Tシャツの順番で着る。
ご飯は一皿ずつたいらげていく。
手足の指のささくれはむかずにはいられない。
服がお腹のあたりでゴロゴロするのがイヤなのか冬でもトレーナー1枚ですごす。
車から降りるときはすべてのシートベルトを定位置にもどす。
などなど・・・



書ききれないぐらいいっぱいあります。
ひとつひとつの行動にタツなりの決まりがあるようです。
そりゃ生活しんどくなりますよね・・・






息子「タツ」のこと①

2014年08月29日 | 息子のこと
タツは知的障害をともなう重度自閉症で、支援学校高等部に通う17歳です。

タツの障害がわかったのは2歳ごろ・・・市の1歳半検診で別室に呼ばれ「遅れがみられるので親子教室に通ってはどうですか?」と言われたのがはじまりです。
なんとなく他の子供より人に対する反応が弱いなあ~とは思っていたけれど、まさか我が子に障害があるなんて思ってもみなかった私は、この時点で案外冷静に「はい、わかりました」と
親子教室通いを受け入れました。


実際親子教室に通ってみるとタツのような子供は少なくて、ほとんどの子が次の週に会うと「言葉が増えてきたよ」「指さしできるようになったよ」とどんどん成長していきます。
それにひきかえ目の前のタツは・・・いつまでたっても言葉もなく、お友達に興味も示さず、ちょこんと私の前に座って分厚い電話帳をパラパラとめくり続けています。
「これは確実にみんなと違う!」「どうしたらいい?」「何をすればよくなる?」と急に不安と焦りが襲ってきました。


ご近所のママ友には「ちょっと遅れがあるから親子教室っていうところに通ってる」と言うと「へえ~保母さんが遊んでくれるんだ。いいなあ~楽しそう」とか言われて落ち込んだり・・・
公園では、自分からコミュニケーションのとれないタツにかわってあれこれお友達に話しかけたり・・・
他のママさんがベンチからチラチラ子供の様子を見る程度で井戸端会議をしてるのが遠くの世界のように感じたり・・
嫌な記憶なので消し去っていましたが、今振り返っても第一回目のしんどい時期でした。
以降しんどい時期は繰り返しやってくるんですけどね・・・