黄泉の国へ

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詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-06-30 14:48:00 | 日記
 潰れて下に落っこちてるのを
拾う父を見て
兄が凄く怒っていて


父も怒りを抑えている


2人共に感情的にならず
こらえながらいる側から


おはぎは
ワタシが片付けて
掃除を始めた


父は
まだ寝ている女性に
おはぎが、どうしてそうなったのかと
聞きに行った


女性が出てくると
兄はすぐに
妹が作ったおはぎが
何でこうなったのかと
聞くも


同じことを聞いたからと、父が答えた
部屋が暖かいから
外に出して冷たいところに置いたらしい
風で落ちたのか
猫でも来たのでは




女性は兄に
福岡で買ってきたおはぎがあるから
それを持って帰るように言うと


兄は
えっ?
なに?

って顔色を変え




パックにまだ残ったおはぎを
アルミホイルに包みながら

「潰れて落ちたおはぎも、洗って食べたい位だよ!!妹が俺やお父さんに作ってくれたんでしょ!!」


他人に声をあげる兄を初めて見たし


お豆や餅米やら
きな粉やらを
息子と買いに行って選んだときのことを
思い出して
悲しくなったワタシが


涙をこらえる横で


息子が小さい声で

「お母さん、わざとじゃないよ、風で落ちたんよ」


そういうもんだから


そうだ、そうだ
悪気ぢゃなかったし
良かれと思ってした結果
落っこちたんだ、と



「かえって、洗濯機の周りを汚してしもうて、ごめんなさい」




一件落着に持っていきたいワタシに



「Sちゃんは、謝んなくていいんだよ!」


兄の怒りは
直ぐには収まらなかったけど


帰る時間が迫るので
アルミホイルに包んだおはぎを
リュックに入れて
「このおはぎ、ほんと旨いよ、ありがとうね」



渋い笑顔をワタシに見せてくれると


なんか
余計に
せつなかった




最寄駅の新幹線口前まで送る
車の中で
兄は父の心配と


ワタシにも
余り女性とは会わない方がいいと



そう言って



都会へ帰って行った





つづく















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