潰れて下に落っこちてるのを
拾う父を見て
兄が凄く怒っていて
父も怒りを抑えている
2人共に感情的にならず
こらえながらいる側から
おはぎは
ワタシが片付けて
掃除を始めた
父は
まだ寝ている女性に
おはぎが、どうしてそうなったのかと
聞きに行った
女性が出てくると
兄はすぐに
妹が作ったおはぎが
何でこうなったのかと
聞くも
同じことを聞いたからと、父が答えた
部屋が暖かいから
外に出して冷たいところに置いたらしい
風で落ちたのか
猫でも来たのでは
と
女性は兄に
福岡で買ってきたおはぎがあるから
それを持って帰るように言うと
兄は
えっ?
なに?
って顔色を変え
パックにまだ残ったおはぎを
アルミホイルに包みながら
「潰れて落ちたおはぎも、洗って食べたい位だよ!!妹が俺やお父さんに作ってくれたんでしょ!!」
他人に声をあげる兄を初めて見たし
お豆や餅米やら
きな粉やらを
息子と買いに行って選んだときのことを
思い出して
悲しくなったワタシが
涙をこらえる横で
息子が小さい声で
「お母さん、わざとじゃないよ、風で落ちたんよ」
そういうもんだから
そうだ、そうだ
悪気ぢゃなかったし
良かれと思ってした結果
落っこちたんだ、と
「かえって、洗濯機の周りを汚してしもうて、ごめんなさい」
と
一件落着に持っていきたいワタシに
「Sちゃんは、謝んなくていいんだよ!」
兄の怒りは
直ぐには収まらなかったけど
帰る時間が迫るので
アルミホイルに包んだおはぎを
リュックに入れて
「このおはぎ、ほんと旨いよ、ありがとうね」
と
渋い笑顔をワタシに見せてくれると
なんか
余計に
せつなかった
最寄駅の新幹線口前まで送る
車の中で
兄は父の心配と
ワタシにも
余り女性とは会わない方がいいと
そう言って
都会へ帰って行った
つづく
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