黄泉の国へ

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詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-01-20 15:09:00 | 日記
診察が始まる頃
元夫が病院へやってきた

病院にやってきた理由は
大腸にできたポリープの日帰り手術


父の入院に加え
元夫の手術も同じ病院で
時期も被るなんて.....
奇妙な気分にもなったものだ


元夫も心配をしてくれていたので
ありがたいと言えば
申し訳ないけど
ワタシは父のそばを離れたくないので
入院の手続きをお願いした



元夫も心地よく引き受けてくれ
本人の手術も無事に終了した



そしてワタシは
午前のうちに
スペインに出張中の兄に
ショートメールを送った



(昨夜クローゼットから
処分したと思っていた古いスマホを見つけるメールが残っていたのが以下の内容)




朝から絶食の父が
食事をしたがるので
退院したら父に仕込まれた
ワタシの腕前で
父の大好きな刺身をたくさん引いて食べよう

お寿司も食べに行こう


元気付けようと思って
言えば


「なっ尚のこと、はっ腹が減るわい!」
苦しそうな息をしながらも
そんなことをいう

食欲のある父に
嬉しくなった



つづく







詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-01-17 15:01:00 | 日記
担当になった医師から
入院の説明や
今後の治療に関する
おおまかな説明を聞いた


父の側に行き
耳元で話を伝えると
うんうんとうなずいた


まだ熱も高く
ひどい咳をしながらでも
何故かいつもより
会話をしたがる父が
背中をさするワタシに


「が、我慢して、ここにおらにゃっいけんのんかーっ」

そう言うので
「我慢しちゃいけんよ」

ついそう言ってしまうだけで
連れては帰れない


「せ、背中を揉んでくれ」
「あ、足がダルいから揉んでくれ」
ワタシはそれに応えながら

母のことを思い出していた


ワタシの母は
周りのために
自分を犠牲にしても構わないという
謙虚すぎる女性

それに加えて
我慢強すぎる人でもあった


長い入退院を繰り返しても
何度も大きな手術をしても
生きているだけでありがたいといい

家族が元気なら
私1人ぐらい病気がちでもいい


そんなふうに言う
母の気持ちが理解できなかった


母とショッピングをしたり
旅行に行ったり
元気になってくれたら
楽しめるのに....と



辛い痛みを我慢しながら
このぐらい大丈夫よと強がる母が
かわいそうにと思いながら
悔しかった


それが
最後の入院の時
付き添ったワタシへ
母が最後に言ったのは
「何にも悪い事してないのに、なんで私ばっかりこんな辛い思いをするんかね.....」

そして
「おかあさんのせいで、Sちゃんまで疲れさせてごめんね....今日はもうええよ、お帰り」

消えてしまいそうな
か細い声を振り絞って言う
そんな母に涙をみせないように
目に溜まった涙が溢れ落ちないように

にーーって
変なつくり笑顔をして

ワタシは母に
「また明日くるけえね」
と自宅へ帰った



翌朝方早くに
父へ病院から
母の意識がなくなったと
電話がかかった



ワタシは
何で帰宅したのだろうかと

ずっと側にいてあげなかったことが
悔やまれて
今もずっと悔いたままだ


ただ
母は最後は
本音を言ったと思う


ずっと
ずーっと本当は悔しくて
苦しくて、辛すぎたのだ


だから
ワタシは母が身をもって
教えてくれたのだと


我慢をし続けず
強がらず
痛いときは
痛いといえる自分でいようと
決めている



それに
母と反対に
父はそういうタイプだった



8月31日
夜が明けて
朝になり
ワタシは父の側から離れなかった



つづく












詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-01-12 20:15:00 | 日記
 何も言わないままで姿を消した女性を
父の目が探しているようだったので

ワタシは父に心配をかけないために
女性は入院の支度をしに帰ったのだと
嘘をついた

すると父は
高熱でフーフーいいながら
酸素マスクをずらして
「わしの、ベストから、ふーふー
財布とスマホを出してくれ、ふーふー」


「お父さん、スマホしかないよ」


財布は


見つからない


長年愛用している
アリクイの財布がなくなっていた



父は苦しそうに
「カードがっ、カードがっ」
と言って心配をするも


何故ないのか
ワタシも父も
もうわかっていることだ



女性には
もう父に付き添ってもらいたくない


心底そう思った


在日する外国人の方も
ワタシの知る人は
良い方ばかりなのに


何故こんな女性が父に取り憑いてるのか


悪魔だ


そして
この大病院での治療法や
父への対応は、未だ納得いかないもので


こんな風に言うのは
いけないかもしれないが
あの当時の
看護師も医師も


死神だったのかと


今でも思っている



よいお医者さま
親切な看護師さんがいるばかりの
病院はないにしても



いや
ワタシのかかりつけ医の先生も
看護師さんも
良い方ばかりだし


ワタシの母だって
慈愛に満ちた
看護師(看護婦)をしていたのだから



否定的な気持ちでいてはいけない



治療法は正しかったのか
間違いは本当になかったのか


確かめることなど
出来ない


病院内で
先生や看護師さんの対応についてや
入院患者さんの家族の事情など
親身に相談できる専門の人や
場所があれば違ったかも


今も時々思ったりする



つづく










詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-01-10 14:41:00 | 日記
正式な入院は夜中を過ぎた


医師からは
肺の中に
いくつかのウィルスが入っており 
肺炎を起こしかけているのだと説明があった


今の段階では
調べてみないと何のウィルスかわからない
という


父はベッドに横になったまま
エレベーターで7階へ搬送された


そのエレベーターの中で
父が
「ここだけには、来とうなかったんじゃが」
ふうふう息を漏らしながら
ワタシに訴えた


すると
医師は笑って 
「じゃあ、帰りますか?帰ってもいいですよ」
と冗談ぽく
おっしゃった


父はぷいっとそっぽを向き
キョロリと大きな目でワタシを見て
にーーって笑う


この時は
そんな余裕があったのだ



女性はといえば
この直前に
父が病院にいるなら安心だからと
入院が決まると直ぐに帰宅したのだった


つづく







詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-01-07 15:28:00 | 日記
救急用の出入り口近くのロビーを
ウロウロ歩きながら
何処かへ電話をかけまくっても
女性の国の言葉で喋るものだから
ワタシには内容はわからない



多分父のことを
あちこち伝えているのだろう



電話を切った女性に
なぜ父がこんなひどい状態になったのかと
たちまち聞きにいった


すると
自分が数週間前に風邪を引いたから
うつしたのかもしれないと
首をかしげながら


その時どんなに自分が苦しかったか
熱が高く出たかと
自分が辛かった話をする


話にならないのだ


何故救急車を自分で呼ばなかったのかと
聞けば


困って
イラっとしたのか
少し声を荒げて
「わたしはーでんわばんごうーしらないじゃっ!!」

という始末


つづく