竹林亭白房

司「子別れ」★落語

□本日落語一席。
◆三遊亭司「子別れ」(寄席チャンネル『楽器cafe火曜亭』)。
東京神保町楽器cafe、平成27(2015)年2月10日(「氣になるふたり会~すずらん亭~」#12)。
「子別れ」の下である。これは、別名「子は鎹」とも呼ばれて、「子別れ」上中下でもっともよく演じられる部分だ。司は、これを演じるにあたって、「子は鎹」のサブタイトルを出さなかったが、それは聞き進めていくと理由がわかった(もっとも「子別れ」下を演る演者がいつも「子は鎹」を出すわけでないが)。

まず、大工熊五郎がわが子亀吉と三年ぶりに偶然遭遇した場面。通常演じられる二人のやりとりがあって、最後のほうで熊五郎は亀に鰻を食いにつれてってやると言った。おや?この前にあるはずの熊五郎が亀に50銭の小使いをやる件(くだり)がない。自分は、一瞬司がこの件をとばしてしくじったのかと思った。
つまり、これがないと、亀が家に帰って、母親に銭を持っていることを見とがめられ、それを契機にして、亀を玄翁でぶつと母親が言うことによって、落げの「子は鎹」へとつながっていかないからだ。

しかし、その心配はあたらなかった。司は、熊五郎と亀が別れたあと、亀が帰宅して母親とのやりとりにあたる件をいっさい演じることなく、いきなり翌日へと噺がとんで鰻屋の場面になったからである。

なるほど、司は亀と母親のプロットをまるごとカットしたわけだと知る。ただ、落げはどうするのだろうと聞いていると、熊五郎と女房が復縁することになり、また、親子三人で川の字になって寝られるのだと熊五郎が言う。すると、亀が(親子三人で寝ると自分が)「また土間に落っこちてしまう」で落げだった。
この亀吉が土間に落っこちてしまう云々は、さきの熊五郎と亀のやりとりのなかに出てくる話にあった。

「子別れ」をこんな型で演じるのは初めて聞いた。これは司のオリジナルだろうか。そして、だとすると、司は、これを時間調整のためとかでなく、ふだんからこれを演るときはこのような展開にしているのだろうか。気になるところだ。
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