竹林亭白房

志ん朝「抜け雀」★落語

□本日落語一席。
◆古今亭志ん朝「抜け雀」(hachette『古今亭志ん朝』秘蔵音源CDコレクション3)。
新宿朝日生命ホール、収録日不明※TBSラジオ『まわり舞台』昭和42(1967)年3月13日OA。
今や、東西問わず誰でもが演じる落語だが、京須偕充の解説によると、これは、一時期講談に身を転じていた五代目古今亭志ん生がもってきたもので、志ん生存命中は独占的なネタだったとのこと。さらに、「(志ん生の)没後は志ん生一門でもないのにやる演者が数を増している」と言う。「……一門でもないのに」というところに、京須の非難が透けている。

さらに、透けていない非難として「(演者が増すのは)別に悪いことではないが、舞台の小田原を演者の地元の地域に変えたりするのは、落語家として少し品格に欠けるように思う」と述べている。
これについては、もしかして上方の落語家に対してのものだろうか。東京の落語家だったら、あえて小田原を別な土地にかえる必要がない。ただ、実際のところ、自分が記憶している何人かの上方落語による「抜け雀」は、だいたい小田原で演っていたと思うのだが。
桂南光などは亭主の出身が大坂だけれど、小田原の宿に婿養子に入ったという体で構成していたのがおもしろい。

また、現代では、落げをくふうする落語家も多い。落げの「親をかごかきにしたので、不孝者だ」というのが、仕込みを入れないとわかりにくいからだろう。
今回聴いた志ん朝は、とくに仕込みを入れず、従来の落げで演じていたのは、昭和のなかばごろだとまだふつうに通じたからだろうか。
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