□本日落語二席。
◆桃月庵白酒「長屋の算術」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和4(2022)年10月26日(第652回「TBS落語研究会」)。
◆春風亭一花「四段目」(NHK総合『令和5年度NHK新人落語大賞』)。
NHK大阪ホール、令和5(2023)年11月11日生放送。
漫才にしろ落語にしろ、あまり賞レースもののイベントは好まないのだが、落語の場合は今後聞く高座に何か関係するかもしれないので、いちおう聞いておく(漫才で有名なM-1はもういっさい見なくなった)。
この大会では、例年制限時間が厳格に設定されていて十一分とのこと。「四段目」(上方落語「蔵丁稚」)は、ふつう短く演じて二十分程度。ゆったり演れば三十分といったところか。
今回、一花は、制限時間内で収めるにあたって、丁稚の定吉が旦那に言いわけするところを大幅に短縮し、蔵に入ってからの定吉と女中お清とのやりとりをカットしていた。
なるほど、噺のエッセンスを伝えようとすればこうなるのかという感じである。桂三度のネタで「時うどん」のショートヴァージョンというのがあるが、まさにあの感じである。
ただ、思うのは、たとえば、一花はこのショートヴァージョンの「四段目」を寄席で掛けたりすることはあるのだろうかということ。もしないなのなら、このショートヴァージョン「四段目」は、まさにこのイベントの(優勝をめざす)ためだけに拵えた落語でしかなくなる。それはよいのだろうかという思いは残る(今後聞いていく他の出場者についても)。
◆桃月庵白酒「長屋の算術」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和4(2022)年10月26日(第652回「TBS落語研究会」)。
◆春風亭一花「四段目」(NHK総合『令和5年度NHK新人落語大賞』)。
NHK大阪ホール、令和5(2023)年11月11日生放送。
漫才にしろ落語にしろ、あまり賞レースもののイベントは好まないのだが、落語の場合は今後聞く高座に何か関係するかもしれないので、いちおう聞いておく(漫才で有名なM-1はもういっさい見なくなった)。
この大会では、例年制限時間が厳格に設定されていて十一分とのこと。「四段目」(上方落語「蔵丁稚」)は、ふつう短く演じて二十分程度。ゆったり演れば三十分といったところか。
今回、一花は、制限時間内で収めるにあたって、丁稚の定吉が旦那に言いわけするところを大幅に短縮し、蔵に入ってからの定吉と女中お清とのやりとりをカットしていた。
なるほど、噺のエッセンスを伝えようとすればこうなるのかという感じである。桂三度のネタで「時うどん」のショートヴァージョンというのがあるが、まさにあの感じである。
ただ、思うのは、たとえば、一花はこのショートヴァージョンの「四段目」を寄席で掛けたりすることはあるのだろうかということ。もしないなのなら、このショートヴァージョン「四段目」は、まさにこのイベントの(優勝をめざす)ためだけに拵えた落語でしかなくなる。それはよいのだろうかという思いは残る(今後聞いていく他の出場者についても)。