□本日落語二席。
◆春風亭一之輔「柳田格之進」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和4(2022)年2月25日(第644回「TBS落語研究会」)。
ふだん人情噺を演ることの少ない一之輔にはめずらしいネタだ。そして自分は初めて聞く。たぶんネタおろしではないだろうから、いったいいつころから一之輔は「柳田格之進」を演っていたのだろう。
所謂大ネタとされるものとして、一之輔で聞いたものは、「真景累ヶ淵~豊志賀の死」「鼠穴」「居残り佐平次」「富久」「百年目」「死神」「らくだ」といったあたりだ。大ネタだが、多少笑いもある、いかにも落語としてのネタである。
テイストとしては、「真景累ヶ淵」が近いかもしれないが、これも落語家オリジナルとして語り継がれてきたもの。今回のように講釈ネタというのは、やはり一之輔としては初めて聞いた。
「柳田格之進」を聞くときの注目は、最後の結末をどのように構成するかというところにある。一之輔は、主従の情に免じて万屋源兵衛とその番頭の二人を手打ちにせず許し、源兵衛が柳田の娘の婚礼一切を仕切るという形にしていた。また、その後、柳田と源兵衛は、以前と同様に碁を打つ友に戻ったと。
しばしば演じられるような、柳田の娘と番頭が結ばれるという形にしていなかったのはよかった。しかし、柳田と源兵衛が碁打ちの友として復したというのも、個人的な感覚として違和感が残る。
では、どういう形がベストなのかというのはわからない。それがこの噺の難しいところなのだろう。解説の京須偕充は、今回の形を良しとしていたようだ。おそらくこの落着に満足する人も多いかと思う。
結局、すべての聞き手が満足するような結末というのを、この落語に求めるのはむりなのだろうか。
◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・春風亭一之輔・林家たい平・林家木久扇・三遊亭好楽・桂宮治(日本テレビ『笑点』第2854回)。
後楽園ホール、令和5(2023)年4月2日OA。
◆春風亭一之輔「柳田格之進」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和4(2022)年2月25日(第644回「TBS落語研究会」)。
ふだん人情噺を演ることの少ない一之輔にはめずらしいネタだ。そして自分は初めて聞く。たぶんネタおろしではないだろうから、いったいいつころから一之輔は「柳田格之進」を演っていたのだろう。
所謂大ネタとされるものとして、一之輔で聞いたものは、「真景累ヶ淵~豊志賀の死」「鼠穴」「居残り佐平次」「富久」「百年目」「死神」「らくだ」といったあたりだ。大ネタだが、多少笑いもある、いかにも落語としてのネタである。
テイストとしては、「真景累ヶ淵」が近いかもしれないが、これも落語家オリジナルとして語り継がれてきたもの。今回のように講釈ネタというのは、やはり一之輔としては初めて聞いた。
「柳田格之進」を聞くときの注目は、最後の結末をどのように構成するかというところにある。一之輔は、主従の情に免じて万屋源兵衛とその番頭の二人を手打ちにせず許し、源兵衛が柳田の娘の婚礼一切を仕切るという形にしていた。また、その後、柳田と源兵衛は、以前と同様に碁を打つ友に戻ったと。
しばしば演じられるような、柳田の娘と番頭が結ばれるという形にしていなかったのはよかった。しかし、柳田と源兵衛が碁打ちの友として復したというのも、個人的な感覚として違和感が残る。
では、どういう形がベストなのかというのはわからない。それがこの噺の難しいところなのだろう。解説の京須偕充は、今回の形を良しとしていたようだ。おそらくこの落着に満足する人も多いかと思う。
結局、すべての聞き手が満足するような結末というのを、この落語に求めるのはむりなのだろうか。
◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・春風亭一之輔・林家たい平・林家木久扇・三遊亭好楽・桂宮治(日本テレビ『笑点』第2854回)。
後楽園ホール、令和5(2023)年4月2日OA。