□本日落語二席。
◆入船亭扇遊「干物箱」(NHK-Eテレ『日本の話芸』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和5(2023)年2月11日収録。
◆七代目春風亭小柳枝「浮世風呂」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明。
今日は扇遊の「干物箱」を聞いて、オープニングトークで、これは春風亭小柳枝に稽古をつけてもらったものだと言ったので、もしや小柳枝の「干物箱」がネットで聞けないものかと思って検索すると、「干物箱」が出てこなかったかわりに、「浮世風呂」などというめずらしい落語をみつけたので聞いてみた。
自身の鑑演記録では、もう2011年以後、これを聞いたという記録がまったく出てこない。こんなに長らく聞いていなかったのかと思って、2010年以前を調べてみると、出てきたのだが、当代の落語家によるものが一つもないと知る。
六代目三遊亭圓生、七代目橘家圓蔵、そして、今日聞いた七代目春風亭小柳枝のものも、2005年にNHKラジオ第一『ラジオ深夜便』演芸特選で聞いていたと知る。もしかすると、これは今日聞いたものと同じである可能性が高い。七代目小柳枝の音がそうたくさん残っていると思えないからだ。しかし、その異同を確かめることはできない。
ちなみに、とてもレアな音源としては、三代目柳家小さんの「浮世風呂」なんてのも聞いていたのだと再確認。三代目小さんは、かの夏目漱石が絶賛したという明治の落語家だが、古いSPをCD化したもので数席音が残っているのだ。
それにしても、当代の落語家がこれを演らないというのも、あらためて聞いてなんとなくわかった気がした。この噺は、銭湯での客の様態を描写ものだが、小唄や義太夫を歌ってそこに洒落を入れたりするという、ちょっと現代人にはわかりにくい言葉づかいが多用されているというものだからだ(七代目小柳枝は浪曲もまぜていた)。
もしこの落語を現代に復活させるとしたら、小唄・義太夫などといった仕立てをすっかり排して、まったく異なる他の何かをもってくるしかないだろう。歌謡曲とか。しかし、J-POPでは落語になりにくいような。
ところで、扇遊が「干物箱」を習ったというのは、何代目の小柳枝だったのだろう。今日「浮世風呂」を聞いた七代目は、1962年に他界しているから該当しない(扇遊は1972年入門)。
ふつう考えたら、当代の九代目なんだろうなと思うけれど、いちおう八代目も年限としては可能性がある。ただ、八代目のちに扇昇を名のるから、もしこの人だったら、扇昇になった小柳枝などと言うのだろうな。
◆入船亭扇遊「干物箱」(NHK-Eテレ『日本の話芸』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和5(2023)年2月11日収録。
◆七代目春風亭小柳枝「浮世風呂」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明。
今日は扇遊の「干物箱」を聞いて、オープニングトークで、これは春風亭小柳枝に稽古をつけてもらったものだと言ったので、もしや小柳枝の「干物箱」がネットで聞けないものかと思って検索すると、「干物箱」が出てこなかったかわりに、「浮世風呂」などというめずらしい落語をみつけたので聞いてみた。
自身の鑑演記録では、もう2011年以後、これを聞いたという記録がまったく出てこない。こんなに長らく聞いていなかったのかと思って、2010年以前を調べてみると、出てきたのだが、当代の落語家によるものが一つもないと知る。
六代目三遊亭圓生、七代目橘家圓蔵、そして、今日聞いた七代目春風亭小柳枝のものも、2005年にNHKラジオ第一『ラジオ深夜便』演芸特選で聞いていたと知る。もしかすると、これは今日聞いたものと同じである可能性が高い。七代目小柳枝の音がそうたくさん残っていると思えないからだ。しかし、その異同を確かめることはできない。
ちなみに、とてもレアな音源としては、三代目柳家小さんの「浮世風呂」なんてのも聞いていたのだと再確認。三代目小さんは、かの夏目漱石が絶賛したという明治の落語家だが、古いSPをCD化したもので数席音が残っているのだ。
それにしても、当代の落語家がこれを演らないというのも、あらためて聞いてなんとなくわかった気がした。この噺は、銭湯での客の様態を描写ものだが、小唄や義太夫を歌ってそこに洒落を入れたりするという、ちょっと現代人にはわかりにくい言葉づかいが多用されているというものだからだ(七代目小柳枝は浪曲もまぜていた)。
もしこの落語を現代に復活させるとしたら、小唄・義太夫などといった仕立てをすっかり排して、まったく異なる他の何かをもってくるしかないだろう。歌謡曲とか。しかし、J-POPでは落語になりにくいような。
ところで、扇遊が「干物箱」を習ったというのは、何代目の小柳枝だったのだろう。今日「浮世風呂」を聞いた七代目は、1962年に他界しているから該当しない(扇遊は1972年入門)。
ふつう考えたら、当代の九代目なんだろうなと思うけれど、いちおう八代目も年限としては可能性がある。ただ、八代目のちに扇昇を名のるから、もしこの人だったら、扇昇になった小柳枝などと言うのだろうな。