竹林亭白房

さん喬「井戸の茶碗」@さん喬一門会(2022)★落語

□本日落語一席。
◆柳家さん喬「井戸の茶碗」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
千代田区一ツ橋ホール、令和4(2022)年2月27日(「柳家さん喬一門会」昼の部)。
さん喬の「井戸の茶碗」はもう何席めになるだろう。十回くらいは聞いているのではないか。とりもなおさず、さん喬自身が好きなネタなのだろう。

以前聞いたときに、同じだったかどうか確認できないのだが、今日聞いてあらためて「ん?」と思ったことがあった、それは、千代田卜斎の住む長屋を誓願寺店と言ったことである。ふつう「井戸の茶碗」が演じられるときは、ただの貧乏長屋である。ここの場所を固有名で言って演じるものをあまり聞いたことがない。

そして、誓願寺店というと、すぐ思い出されるのは「唐茄子屋(政談)」である。あの落語ではかならず貧乏長屋としてこの固有名が出る。
自分は大阪に住む者であるから、実感はないが、東京の人には誓願寺店と聞けば、嗚呼、あの貧乏長屋のあったと思いうかべられるようなリアリティのある地名なのだろうか。もとより長屋はもうないのだろうが。

さん喬は、この落語に少しでもリアリティを与えようとして誓願寺店の名を出したのか、そこらあたりの感覚が大阪にいるとわからないのはもどかしい。
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