竹林亭白房

三代目権太楼「富久」★落語

□本日落語一席。
◆三代目柳家権太楼「富久」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和3(2021)年12月24日(第642回「TBS落語研究会」)。
権太楼は「TBS落語研究会」ですでに一度「富久」を演っている。この落語会では、しばしば同じ演者が同じ演目を高座に掛けるものに遭遇するが、これは何か意味があってオファーされるのだろうか。
ちなみに、以前の高座は、平成22(2010)年12月27日(第510回「TBS落語研究会」)である。十年以上の間隔があるが、このあいだに何か演出の変化があったということでもあるのだろうか。

その以前聞いたときのメモに「久蔵の一人酒場面が詳細である」とある。これは今回も同じだった。以前のメモはそのような簡素なものだが、ここは、もし富籤に当ったら、かくかくしかじかという女と所帯をもってという妄想とともに酒で酔うという場面である。たぶん、ここはずっとかわらないのだろう。

あと、以前のときもあったかどうかわからないが、久蔵が火事見舞いに行ったさきの旦那のところでも酒に酔うという場面がある。もともと酒癖が良くなくて客をしくじった久蔵だが、このときも人にからんでもめそうになる。ここは、演者によっては、そのように演じない向きもある。
権太楼は、旦那のところに出入りしている頭(かしら)にからんで、それを番頭にとめられるという展開にしていた。この頭にからむというのが、他ではあまり聞かない型である。

なお、以前聞いたときのメモでは、解説の京須偕充の言葉として、権太樓の「富久」が「八代目桂文楽の型を継承している」というコメントを記している。一度、黒門町の「富久」を聞いてみなければ(もしかしたらすでに聞いているかもしらんが)。
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