竹林亭白房

健枝郎「天満の白狗」★落語

□本日落語二席。
◆月亭希遊「湯屋番」(NHK大阪放送局『とっておき!朝から笑タイム』)。
NHK大阪ホール、令和6(2024)年9月5日収録(第447回「NHK上方落語の会」)。

◆桂健枝郎「天満の白狗」(NHK大阪放送局『とっておき!朝から笑タイム』)。
NHK大阪ホール、令和6(2024)年10月3日収録(第448回「NHK上方落語の会」)。
「元犬」である。これはどちらかというと東京落語だろうか。くわしいことはよくわからない。ちなみに、『増補 落語事典』には、この落語がもと心学から出たものだとある。

それを、健枝郎は、演目を「天満の白狗」とかえて独自に演っていた。東京落語として演じられる場合は、蔵前の八幡に住みついていた犬ということになっているが、大坂に場所を移したことで大坂の天満宮としたから「天満の白狗」ようだ。「犬」を「狗」にかえた意味は噺からはちょっとわからなかった。漢字の意味として、犬全般を表す「犬」に対して、「狗」は小さな犬をさして言う。

さて、白犬が人間に生れかわって御隠居のところへ奉公に行く。ここは「元犬」と同じ。ただし、御隠居のもとには下女のおもとがいるというのが「元犬」で、これがふつう落げにかかわるのだが、健枝郎はおもとを登場させなかったので、嗚呼、落げもかえるのだなと知れた。

焙炉でワンと吠えたり、鉄瓶のチンチン鳴るところから芸のチンチンへといったところまでは同じ。ただ、最後は、この鉄瓶がかかっている火鉢の灰を飛ばしてしまい、御隠居がそれをかぶって真っ白になるところで落げである。
犬のシロが御隠居を見て、「御隠居はこれで来世も人間だ」と言いかける落げであった。なるほど。

もとの落げは、御隠居が下女のおもとを呼んで「もとは居ぬか」と言うと、シロが「はい、今朝ほど人間になりました」である。自分はこの落げがけっこう好きだが、演者のなかには嫌う人もいるようで、これまでにも東京の落語家で落げをかえた人のを聴いたことがある。演者的にはつまらない落げなのだろうか。健枝郎もそうだったか。
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