□本日落語一席。
◆桃月庵白酒「鰻の幇間」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和3(2021)年6月29日(第636回「TBS落語研究会」)。
白酒の「鰻の幇間」を聞くのは初めてだ(たぶん)。そして、これはとても好きな落語で、幇間の滑稽と悲哀を感じさせる、まさに落語中の落語というべき噺。
だから、この落語を聞くと、幇間を演じさせると絶品だった八代目橘家圓蔵の高座がつねに思いうかぶ。
今回白酒のオリジナルがいくつか仕込まれていた。一つは、鰻屋が五年前まで中華料理屋だったということ。前菜にザーサイを出したり、『西遊記』の絵柄の器を出したり、中国人の従業員を使ったりしている。
また、鰻屋が出していたのは鰻のようなもの。浜名湖の天然の鰻のようなものである。それが何かを語らないのも一興か。そして、「のようなもの」は酒も。「上善如水」ならぬ「上善如酒」である。つまり、酒じゃないということだ。ここまで演ると、ばかばかしくて笑える。
この型は白酒だけのものかもしれない。他の誰かに継承されていくことはないような気がする。でも、また白酒の高座として聞きたい「鰻の幇間」である。
◆桃月庵白酒「鰻の幇間」(TBSチャンネル『落語研究会』)。
東京三宅坂国立劇場小劇場、令和3(2021)年6月29日(第636回「TBS落語研究会」)。
白酒の「鰻の幇間」を聞くのは初めてだ(たぶん)。そして、これはとても好きな落語で、幇間の滑稽と悲哀を感じさせる、まさに落語中の落語というべき噺。
だから、この落語を聞くと、幇間を演じさせると絶品だった八代目橘家圓蔵の高座がつねに思いうかぶ。
今回白酒のオリジナルがいくつか仕込まれていた。一つは、鰻屋が五年前まで中華料理屋だったということ。前菜にザーサイを出したり、『西遊記』の絵柄の器を出したり、中国人の従業員を使ったりしている。
また、鰻屋が出していたのは鰻のようなもの。浜名湖の天然の鰻のようなものである。それが何かを語らないのも一興か。そして、「のようなもの」は酒も。「上善如水」ならぬ「上善如酒」である。つまり、酒じゃないということだ。ここまで演ると、ばかばかしくて笑える。
この型は白酒だけのものかもしれない。他の誰かに継承されていくことはないような気がする。でも、また白酒の高座として聞きたい「鰻の幇間」である。