竹林亭白房

そうば「親子酒」★落語

□本日落語一席。
◆桂そうば「親子酒」(NHK大阪放送局『とっておき!朝から笑タイム』)。
NHK大阪ホール、令和6(2024)年12月5日収録(第450回「NHK上方落語の会」)。
一年のうちにいったい何席聴くだろうというのでは、「天狗裁き」と双璧か。つい最近も十一代目桂文治や立川志らくで聴いたばかりだが、どうも思ってみると、東京の落語家によって掛けられる回数のほうが多いかもしれない。

このネタにふれるときは、何度も書いてきたが、同じ演目の東西における相違でもっとも大きいのがこの「親子酒」ではないかと思っている。上方落語「親子酒」は息子のうどん屋とのやりとりが長く、定席などでちょっと一席掛けるという尺ではないために、どうしても上演される回数が東京とくらべて少なくなるのだろう。ただ、最近では、上方でも繁昌亭とか喜楽館などの定席ができて、上方の落語家でも東京型のコンパクトに演じられる「親子酒」を掛ける演者も増えてきた。

だから、今日のそうばのように、本来の上方版「親子酒」を聴くのはちょっと久しぶりだったかもしれない。前述のとおり、上方版では息子のうどん屋とのやりとりが長く、「親子酒」と言えば、息子の酔っぱらいぶりを聴く落語という印象が強い。それに対して、東京版は親父と女房とのやりとりが長く、親父の噺を聴く落語という印象だ。

上方版の場合、酔っぱらう息子の語りのなかでいかにも上方的だという要素がいくつもあるが、いつのころからか、息子がうどん屋に対して大阪特有のボケとツッコミを指南するという件(くだり)が付加されて、この息子とうどん屋のやりとりがどんどん長くなっていっている気もする。
このボケとツッコミ指南は、まだ桂枝雀などが得意にしてやっていた昭和中期にはなかったもののように思うのだが、いったい誰がこれをもちこんだのか気になる。もしかして、雀々だろうか。また、注意しておくことにしよう。
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