竹林亭白房

笑金「器」★落語

□本日落語二席。
◆桂枝平「野村」(BSよしもと『若手創作落語の会』#27)。
東京浅草雷5656会館、令和7(2025)年1月4日収録(「新春!若手噺家寄席~江戸落語と上方落語~」第二部)。

◆桂笑金「器」(BSよしもと『若手創作落語の会』#27)。
東京浅草雷5656会館、令和7(2025)年1月4日収録(「新春!若手噺家寄席~江戸落語と上方落語~」第二部)。
エキセントリックな笑いを取りに行くこともある笑金だが、今回は一席始める前に「ちょっと気持悪い噺を……」と言って語り出した。そして、確かに、「気持悪い」と言ったことがまっすぐあたっているかどうかはさておき、この落語が語られるあいだ一度も笑いは起きなかった。また、笑金もさして笑いをとりにいくようなクスグリやギャグさえもいっさい交えずに語り続けた。

短い噺だが、自分でもまだ完全に理解できていないところがある。陶芸家のササヤマユウコが検査入院することになり、その間、六歳の息子ジュンタを陶芸のイベントスタッフをしていた女のカトウさんに預けるという内容である。
ジュンタはちょっとかわった少年で自分というものがなく、すべて母親の言うとおりに実直に行動するという子だった。それで、預かったカトウは途中から母親が言っていたということにして、ジュンタを自分の思いどおりにあつかうようになる。

その過程で、カトウはジュンタに母親のことを忘れさせるべく、「お母さんがジュンタ君にこれからはお母さんのことを記憶から消してと言ってたよ」と言うと、本当にジュンタはお母さんを忘れてしまうのだった。

そして、カトウはジュンタを自分のものにして、大人になったジュンタに自分の子どもを作らせるという……。
なかなかシュールな展開である。ちょっとSFっぽいとも言え、星新一の世界という感じがしなくもない。
笑いのいっさいない落語だったが、客席の反応はというと、テレビ視聴で得た印象だけだが、じっくり聴き入っていたというように思えたのだが。いずれにしても、個人的にはたいそうおもしろい落語だと思えた。
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