竹林亭白房

笑好「ぜんざい公社」★落語

□本日落語二席。
◆三代目春風亭笑好「ぜんざい公社」(寄席チャンネル『夢 寄席』)。
池袋演芸場、令和2(2020)年10月19日(2020年池袋演芸場10月中席)。
笑好はこの噺を現代のものとして演っていた。しかも、ソーシャルディスタンスなどという言葉も使っていたので、まさに2020年現在のできごとということにしていたわけだ。

しかしながら、かつて専売公社・電電公社・国鉄などがあった時代は、公社という存在そのものにリアリティがあっただろうが、公社自体がなくなってしまった今、ぜんざいを公社として食わせる法人がなぜかあるというところから、噺は説き起さなければならないはずだ。けれど、そのへんのところをスルーして、ただ、チラシを見たら「ぜんざい公社」なるものがあったというのでは、のっけからこの噺へと感情移入はしにくくなる。

発端がこんなだから、やはり噺の展開上も、本当に現代のできごととして語られているのか、昔の噺なんじゃないかといった思いまたは描写が交錯して、最後まで中途半端感が拭えないまま、聞き終えてしまった。

この噺の本質は落げの「こちら(=役所)が甘い汁を吸っている」という普遍性にあるのだから、時代設定は昔であってもまったくかまわないのである。だから、この落語はもう古典として、昭和(またはそれ以前)あたりの噺として演ったほうがすっきりと聞けるだろう。

◆三代目春風亭笑好「短命」(寄席チャンネル『夢 寄席』)。
池袋演芸場、令和2(2020)年10月20日(2020年池袋演芸場10月中席)。
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