□本日落語一席。
◆五代目桂三木助「宿屋の富」(GAORA SPORTS『千客万来~がおら寄席~#29』)。
大阪サンケイホール・ブリーゼ、令和4(2022)年11月8日収録。
金持ちだ長者だとさんざん大法螺を吹いた宿屋の客が、その法螺を吹くたびに「あっ、あっ、あっ……」と、ねちっこく笑うという演出は、上方落語「高津の富」の特徴だ。上方の落語マニアなら、六代目笑福亭松鶴のそれをよく記憶しているところだろう。もちろん六代目松鶴以外でも、上方の落語家ならおおむねその演出で演るはず。
それを、この五代目三木助は使っていた。まさか大阪である落語会だからというので、わざわざ上方ふうに演じたということもないだろうが。東京の「宿屋の富」でも、そのように演じる落語家がいただろうか。ちょっとにわかには思いうかばない。
もしいないとすると、五代目三木助は、この演りかたをどこから継承したのだろうかという興味がある。
落語終盤で、宿屋の主が女房に、一番富の千両が当ったら半分の五百両をもらえるのだと話すところで、「一番の五百両が当ったら……」と言い誤った三木助である。あそこは何かリカバリーするくふうをしたらよかったのにというのが残念だった。
◆五代目桂三木助「宿屋の富」(GAORA SPORTS『千客万来~がおら寄席~#29』)。
大阪サンケイホール・ブリーゼ、令和4(2022)年11月8日収録。
金持ちだ長者だとさんざん大法螺を吹いた宿屋の客が、その法螺を吹くたびに「あっ、あっ、あっ……」と、ねちっこく笑うという演出は、上方落語「高津の富」の特徴だ。上方の落語マニアなら、六代目笑福亭松鶴のそれをよく記憶しているところだろう。もちろん六代目松鶴以外でも、上方の落語家ならおおむねその演出で演るはず。
それを、この五代目三木助は使っていた。まさか大阪である落語会だからというので、わざわざ上方ふうに演じたということもないだろうが。東京の「宿屋の富」でも、そのように演じる落語家がいただろうか。ちょっとにわかには思いうかばない。
もしいないとすると、五代目三木助は、この演りかたをどこから継承したのだろうかという興味がある。
落語終盤で、宿屋の主が女房に、一番富の千両が当ったら半分の五百両をもらえるのだと話すところで、「一番の五百両が当ったら……」と言い誤った三木助である。あそこは何かリカバリーするくふうをしたらよかったのにというのが残念だった。