川口雄大の「よいしょ」

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<マスターオブゼロ シーズン3>第7回【今週のよいしょ】小津安二郎『東京物語』を参考に?NetflixIX作品『マスターオブゼロ シーズン3』編-

2023-01-06 | 日記

皆さま

お疲れ様です。

 

さて今週も始まりました、お忙しい皆様の代わりに、今抑えておきたい映画・音楽・小説などを、

自腹でみて、勝手に紹介するコーナー『今週のよいしょをお送りさせていただきます。

 

今回はNetflixIX作品マスター・オブ・ゼロ シーズン3でございます!

来月9/20のエミー賞で、三度目の受賞が期待されている、いま1番熱いテレビシリーズです!

『大豆田とわ子』の坂元裕二作品や、ウディ・アレン、韓国のホン・サンスなど、

軽快な会話劇が好きな方はより本作とてもハマると思います。

 

予告:https://www.youtube.com/watch?v=BxSyrK28MJI

 

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【あらすじ】

舞台は、人種のるつぼニューヨーク。主人公は、インド系アメリカ人のデフ。彼は、鳴かず飛ばずのコマーシャル俳優。

30代になり、これからの人生を考えながら、友人、家族、彼女に囲まれて平凡な生活を送っています。彼の平凡な生活の中の、

小さな出来事が、アンサリ氏のユニークな笑いと混じり合って語られるコメディドラマシリーズのシーズン3です。

シーズン3では、デフの親友デニースとそのパートナー、アリシアの結婚生活の光と影、妊娠にまつわる葛藤、

夫婦として、個人としての成長を丹念に綴った現代のラブストーリーになっています。

 

 

よいしょポイント】

 『マスター・オブ・ゼロ』は旧来の価値観や社会制度と、新しい価値観や多様な選択肢の中で板挟みになった結果、

何かを極めることや、何かを選ぶことを躊躇してしまう人々の喜劇になっています。

マイノリティが感じる日々の『あるある』がコメディタッチで描かれており、

主人公デフの移民代二世代の豊かさが故の切なさが見ていてとても面白いです。

 

 

【小津安二郎監督『東京物語』との共通点】

なぜNetflixIX作品を取り上げたかでいうと。

本作の監督アジズ・アンサリがシーズン3を作成にあたって、

参考にした映画10本に(公開後に自身のインスタに投稿)イングマール・ベルイマン監督の『ある結婚の風景』(1974年)と並び、

松竹映画の巨匠:小津安二郎監督の映画が3本挙げられています。

 

 

『東京物語』(1953年)、『浮草』(1959年)、『晩春』(1949年)

 

特に構図に関して、小津の作品郡を彷彿とさせる画面で全編構成されています。

フィルム撮影、固定カメラによるワンシーンワンカット、スタンダードサイズの画面、

そして、舞台のほとんどが人里離れた場所にある「家」というミニマルな構成から漂う閉塞感はCOVID-19以降の世界を反映しているように感じます。

1953年『東京物語』から68年、、、時代が1周して、このコロナ禍のアメリカから小津安二郎を感じれる作品に出合えるとは思っていませんでした。

感染拡大が止まらず家からでれない今こそ、響くテレビシリーズになっていると思います。

 

シーズン3からでも全然大丈夫です!1話30分5話ですので、気軽に見れます。

良ければぜひ。そんな感じでした。

 

では、また来週も宜しくお願い致します。

 

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