読売新聞月曜夕刊「ネイチャー」面のコラム『コンパス』の内容は先週も触れたが、今週もなかなかいいことが書かれている。 一般的にはあまり理解されていないのに、ニュースではしばしば取り上げられる≪生物多様性≫の重要さについて、説明されていた。
外来動植物を人間の都合で移入してはいけないとか、動植物の地域的な個体差は大切にしなければいけないなどと報道されることがあるが、生物の多様性が重要であるという基本的な理解がなければ、本質を見失ってしまうだろう。
ペットのタイワンザルが野生化してニホンザルと混血して何がいけないのか、外来のカブトムシ、クワガタを逃がしてはいけないのはなぜか、この記事をきっかけにして考える人が増えればいいのだが、夕刊の「ネイチャー」面のコラムなど、もともと科学に興味のある人しか目を通さないだろう。 とても残念。
コンクリートなどで固めるよりはマシ(経済的、管理も楽)ということがありますが、土木系統優先の発想で実行してしまったものがあるようです。
もっとも、当時環境影響なんて考え方が殆ど存在してなかったでしょうが。
色々台湾リスなど導入経緯が愛玩などのものがあって一概にいえないですが、人の影響で長く保たれてきた自然・国土を短期間でこんなに変えてしまったことへの対応は、まだまだ不十分。
魚道つきダム改造レベルなどではない大胆な発想をしないといけないのかなと思います。
ただ、19世紀以降の人間の自然への関与の仕方には、徐々に変わっていくという時間軸(=急な変化を与えない)、試行錯誤しながら失敗したら元に戻せるという変化の程度(=大きな変化は与えない)に問題があり、自然と共存するというバランス感覚が欠けていたのでしょう。
一度バランスが崩れてしまうと、現状を維持することさえ難しくなる。 これに気づいてはいても、個人レベルの行動から変えない限り、良い方向には向かわないところに難しさがあると思います。
環境問題の難しいところです。