10月31日は晴れるとの天気予報。30日深夜家を出て、飯能に着いたのが2時半でした。
6時半の目覚ましで目は覚めたのですが、体が起きられる状態ではなく9時まで寝ていました。
9時半から作業開始
パンザマストはトップが0番で直径7-8cm程度。
マストベアリング台が20cm程落下して90度回転し、マストが傾いたためにベアリング台に異常な力がかかり、なんとベアリング台がパンザマストに1cmほど食い込んでいました。この状態では、ベアリング台を元の位置(20cm上げて90度回す)に戻す事は不可能です。
この写真では、パンザマストが凹んでいるのは分かり難いですね
全ての原因は、ユニバーサルカップリングでした。
ユニバーサルカップリングは、マストがローテータに対して垂直になっていない場合、特定方向に異常な力がかかるのを防ぐためのものです。ローテータ中心部にピンが出ていて、2点で支持しています。ところが強風で、その1本のピンに力がかかり、耐え切れずにピンが溶接部分から飛んでしまいました。溶接がしっかりされていなかったとも思えます。
その結果、ローテータは下記写真のようにピン1本だけで留まっている状態となり、コントロールケーブルがスッポリ抜けていました。
まずは、これ以上不要な力が各所にかからないように、マストの負荷を減らす作業です。
14-4ELを傾いたマストから外して、サイドマウントのマストに移す作業です。作業手順を決めるまで30分以上、こうしたらどうなる、いやこっちの方法は?などと脳内シミュレーション。手順を決めてから、作業完了まで想定したとおりに作業が進み、30分弱で移し変え完了。
その次は、マストとローテータの切り離しです。
ローテータ直近に足場を固定し、ここからハンドウィンチで吊り上げ垂直加重がローテータにかからないようにしました。
また、切り離した瞬間にマストが転倒しないようにベルトでパンザマストに半固定しました。
ローテータのマストクランブの一方を外し、ローテータとマストの縁を切り、ローテータを回してフリーにしました。ユニバーサルクランプとローテータを留めているナットを外して、ローテータを取り外し、邪魔にならない場所に退避
マストベアリング台がパンザにめり込んでいて、とても回せる状況ではないので、下のローテータ台をマストベアリング台の直下まで90度回す事にしました。ローテータは外してあり、2-3Kg程度の重さです。固定用の締め付けボルトを緩め、少し持ち上げながら蹴っ飛ばしたりしながら、何とかベアリング台の真下まで回転させる事ができました。
ユニバーサルカップリングは、片側のピンが飛んでしまっていて使えません。そのため、ユニバーサルカップリングを外して、ローテータを台に直付けしました。
ここから先は写真を撮影している余裕などありませんでした。
計画では、ハンドウィンチを緩めて少しずつマストを50-8ELに手が届くまで下げるはずでした。しかし、マストが傾きすぎていてマストベアリングのケースに当たり、ハンドウィンチを緩めても全然下がりません。どうしたものかと悩むこと30分、かなり危険だが傾いたマストに登って、50-8ELをずり下げ様かとまで思いましたが、さすがに危険すぎる。以前ローテータを交換した時の様に、パンザマストに足場パイプを抱かせて、そこからマストにハンドウィンチを掛けて引き寄せるしかないのか? しかし、マストが転倒しないようにベルトがパンザとマストに掛けてあり、この状態で足場パイプをパンザに固定したら、転倒防止用ベルトを緩める事が出来なくなってしまう。
あれも駄目、これも駄目。思いついた方法で脳内シミュレーションを繰り返すが、とても上手くいけそうに無い。1時間以上パンザ上で何も出来ず、ひたすら方法を考えていました。
もう後は、力業でかなりのモーメントがかかっているマストを、ローテータの真上まで持って来るしかありません。力の入るように足位置を固定して(とは言ってもパンザには足場が少ない)、力いっぱい引き寄せてみました。少しマストが動きました。力を掛ける場所を変えてやってみると、何とかなるかもしれない感触です。(他に方法が無いし)
両手でマストを引き寄せるだけで精一杯で、ウィンチを操作してマストを上下する事もできません。やはり、マストクランプを片側だけ付け、マストをそのクランプの反対側まで回すと、マストがクランプに当たって元に戻らないだろう。
そのマストとロータータの高さ合わせが大変で、10回近く色々トライしました。6時間以上タワーに上ったままで、疲労もピークにかかっていました。しかし、このまま辞めることは出来ませんし、誰も助けてくれません。最後の力を振り絞って、マストをローテータに寄せ何とかクランプの内側にマストを寄せることが出来ました。脚や、手や、腹筋までもが痙攣を起こしていました。しばらく体を休めてから、ウィンチを緩めてマストを下げローテータに着地させ、もう一方のクランプも取り付けマストを固定しました。しかし、ユニバーサルカップリングが無いので、又マストが傾くと異常な力がかかり、内部のギヤを損傷したり、最悪ハウジングが割れる事も考えられます。そのため、ボルトは余りきつく締めない状態にしておきました。
全ての作業が完了して、地上に戻ったのは16時15分、7時間弱パンザマストに上っていた事になります。
ユニバーサルカップリングに新しいピンをしっかり溶接してもらったら、また、ローテータを外してユニバーサルカップリングを台とローテータに固定し、マストを戻す、という作業をしなくてはなりません。考えただけでオゾマシイ。でもやるしか無いですね。
1次修理を終わって(ほぼ)垂直になったパンザマストのマスト
(パンザマスト自体が少し傾いているようにも見える?)
6時半の目覚ましで目は覚めたのですが、体が起きられる状態ではなく9時まで寝ていました。
9時半から作業開始
パンザマストはトップが0番で直径7-8cm程度。
マストベアリング台が20cm程落下して90度回転し、マストが傾いたためにベアリング台に異常な力がかかり、なんとベアリング台がパンザマストに1cmほど食い込んでいました。この状態では、ベアリング台を元の位置(20cm上げて90度回す)に戻す事は不可能です。
この写真では、パンザマストが凹んでいるのは分かり難いですね
全ての原因は、ユニバーサルカップリングでした。
ユニバーサルカップリングは、マストがローテータに対して垂直になっていない場合、特定方向に異常な力がかかるのを防ぐためのものです。ローテータ中心部にピンが出ていて、2点で支持しています。ところが強風で、その1本のピンに力がかかり、耐え切れずにピンが溶接部分から飛んでしまいました。溶接がしっかりされていなかったとも思えます。
その結果、ローテータは下記写真のようにピン1本だけで留まっている状態となり、コントロールケーブルがスッポリ抜けていました。
まずは、これ以上不要な力が各所にかからないように、マストの負荷を減らす作業です。
14-4ELを傾いたマストから外して、サイドマウントのマストに移す作業です。作業手順を決めるまで30分以上、こうしたらどうなる、いやこっちの方法は?などと脳内シミュレーション。手順を決めてから、作業完了まで想定したとおりに作業が進み、30分弱で移し変え完了。
その次は、マストとローテータの切り離しです。
ローテータ直近に足場を固定し、ここからハンドウィンチで吊り上げ垂直加重がローテータにかからないようにしました。
また、切り離した瞬間にマストが転倒しないようにベルトでパンザマストに半固定しました。
ローテータのマストクランブの一方を外し、ローテータとマストの縁を切り、ローテータを回してフリーにしました。ユニバーサルクランプとローテータを留めているナットを外して、ローテータを取り外し、邪魔にならない場所に退避
マストベアリング台がパンザにめり込んでいて、とても回せる状況ではないので、下のローテータ台をマストベアリング台の直下まで90度回す事にしました。ローテータは外してあり、2-3Kg程度の重さです。固定用の締め付けボルトを緩め、少し持ち上げながら蹴っ飛ばしたりしながら、何とかベアリング台の真下まで回転させる事ができました。
ユニバーサルカップリングは、片側のピンが飛んでしまっていて使えません。そのため、ユニバーサルカップリングを外して、ローテータを台に直付けしました。
ここから先は写真を撮影している余裕などありませんでした。
計画では、ハンドウィンチを緩めて少しずつマストを50-8ELに手が届くまで下げるはずでした。しかし、マストが傾きすぎていてマストベアリングのケースに当たり、ハンドウィンチを緩めても全然下がりません。どうしたものかと悩むこと30分、かなり危険だが傾いたマストに登って、50-8ELをずり下げ様かとまで思いましたが、さすがに危険すぎる。以前ローテータを交換した時の様に、パンザマストに足場パイプを抱かせて、そこからマストにハンドウィンチを掛けて引き寄せるしかないのか? しかし、マストが転倒しないようにベルトがパンザとマストに掛けてあり、この状態で足場パイプをパンザに固定したら、転倒防止用ベルトを緩める事が出来なくなってしまう。
あれも駄目、これも駄目。思いついた方法で脳内シミュレーションを繰り返すが、とても上手くいけそうに無い。1時間以上パンザ上で何も出来ず、ひたすら方法を考えていました。
もう後は、力業でかなりのモーメントがかかっているマストを、ローテータの真上まで持って来るしかありません。力の入るように足位置を固定して(とは言ってもパンザには足場が少ない)、力いっぱい引き寄せてみました。少しマストが動きました。力を掛ける場所を変えてやってみると、何とかなるかもしれない感触です。(他に方法が無いし)
両手でマストを引き寄せるだけで精一杯で、ウィンチを操作してマストを上下する事もできません。やはり、マストクランプを片側だけ付け、マストをそのクランプの反対側まで回すと、マストがクランプに当たって元に戻らないだろう。
そのマストとロータータの高さ合わせが大変で、10回近く色々トライしました。6時間以上タワーに上ったままで、疲労もピークにかかっていました。しかし、このまま辞めることは出来ませんし、誰も助けてくれません。最後の力を振り絞って、マストをローテータに寄せ何とかクランプの内側にマストを寄せることが出来ました。脚や、手や、腹筋までもが痙攣を起こしていました。しばらく体を休めてから、ウィンチを緩めてマストを下げローテータに着地させ、もう一方のクランプも取り付けマストを固定しました。しかし、ユニバーサルカップリングが無いので、又マストが傾くと異常な力がかかり、内部のギヤを損傷したり、最悪ハウジングが割れる事も考えられます。そのため、ボルトは余りきつく締めない状態にしておきました。
全ての作業が完了して、地上に戻ったのは16時15分、7時間弱パンザマストに上っていた事になります。
ユニバーサルカップリングに新しいピンをしっかり溶接してもらったら、また、ローテータを外してユニバーサルカップリングを台とローテータに固定し、マストを戻す、という作業をしなくてはなりません。考えただけでオゾマシイ。でもやるしか無いですね。
1次修理を終わって(ほぼ)垂直になったパンザマストのマスト
(パンザマスト自体が少し傾いているようにも見える?)
50m程離れた場所に土地を借りますので、そこにKT22Rを建てて、14MHzのアンテナを移すつもりです。
パンザマストは、V/UHFのアンテナだけにしようと思っています。