「神と黒蟹県」を読んだ。
初めて読む絲山秋子の小説。
新聞の書評を見て図書館で借りた。
8話の連作短編。
架空の県の話だが、ディテールの
描写が面白い。
町の様子とか、植物の名前とか、
人の心の動きとか。
よく観察して、丁寧に日常を生き
てる人なんだろうな、この人は、
と思う。
8つある話の中で、どれが好き
だったか。
第一話、第三話・・・と奇数番目の
4つの話が良いと思った。
後から気付くと、それらは何故か
神が出てこない4話だった。
何が良いのだろう。
物語が特に面白いわけではないが。
文体だろうか。
「蟹という字が書けるだろうか。」
話の始まりの一文が印象的だ。
なんだ、なんだ?と読んでしまう。
ちょっとずらした文章の展開が、
楽しく読めてしまう本だった。