松本の姉の家で一泊。
翌朝、老父母を連れて大阪へ出発。
老父母は私を誰か判ってない様子。
敬語で話しかけてくる。
知らない人の車に乗せられて。
さぞ不安であろう。
ドナドナ状態や。
老父母を迎えに来た旅。
往路は寄り道をしてきたけれど。
復路は高速道路でひたすら走る。
ひたすら走る、とは言え走れない。
老人はトイレが近い。
SAに寄る回数が増える。
SAに寄る度に車の色を訊かれた。
老父は迷子を極端に恐れている。
楢山節考か。
松本から380Km。
走り通して大阪に帰り着く。
夕飯の買って老父母宅に到着。
老父が不思議そうに見上げる。
これは誰の家だい?
あんたが40年も住んでる家や。
家に入って部屋見たら落ち着いた。
今日は一日車に乗って疲れたやろ。
それじゃあ、また明日な。
あまり先を考えんようにしよ。