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聴刻堂日乗

真夜中の電話

真夜中の電話。
眠りから叩き起こされた。

発信元は老母。
勘弁してくれ。

時刻を見る。
午前2時過ぎ。

「もしもし、どうしたん?」
声をできる限り穏やかに話す。

受話器からの言葉は支離滅裂。
言わんとする事を何とか理解する。

老父が具合が悪くて死にそうだ。
すぐに来てくれ。とのことらしい。

「今から行く。待ってて。」
寒い中、着替えて自転車で走る。

老父母宅に着く。
案の定、どうということは無い。

老母は心配そうな顔だが。
老父は機嫌よく眠ってる。

錯乱したのは、老母か、老父か。
いずれにせよ真相は霧の中。

午前3時の帰り道。
遠くで救急車のサイレンの音。

「救急車呼ばれるよりましやな」
「W杯の試合見たと思えばええ」
呟くのは自分を宥める独り言。

急いだところで仕方ない。
夜はまだまだ続きそうや。

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