「ミッドナイト・エクスプレス」
という映画を観た。
1978年のアメリカ映画。
監督はアラン・パーカー。
脚本はオリバー・ストーン。
出演はブラッド・デイヴィスほか。
主人公はアメリカ人の男。トルコ
の空港で麻薬を持ち出そうとして
捕まってしまう。裁判での判決は
4年の投獄。政治的な理由で刑期
は更に30年に延びることに・・・。
題名の"深夜特急"とは脱獄を意味
する隠語だ。ビリー・ヘイズとい
う人の実体験を綴った同名の著作
を原作にしたものらしい。
怖かった。なまじフィクションの
ホラー映画よりも余程恐ろしい。
国家や警察といった権力の本質は
暴力だ。常識やメカニズムが解ら
ない外国の暴力装置に拘束される
のはどれほど不安で絶望的な状況
か。ヒリヒリと伝わってくる。
言語も重要だ。その国の言葉を使
えなければ、相手のことも理解で
きないし、自分の考えも伝えられ
ない。人は、自分と同じ言葉を使
う者には親近感を持つだろうし、
意思疎通ができない相手に人格を
感じとるのは難しい。
言葉を知らぬ異国では、旅は恥の
かき捨てなどと傍若無人に振る舞
うのは慎んで、行儀よく過ごすの
が無難やね。