映画「イン・ハー・プレイス」
を観た。
2024年のチリ映画。
監督はマイテ・アルベルティ。
出演はエリサ・ズルエタほか。
1955年チリの女性作家がホテル
で恋人を撃ち殺した、という実話
に基づく物語。
主人公は、その事件の担当判事の
女性秘書。自宅で写真屋を営む夫
と二人息子の騒々しい家庭の主婦
でもある。裁判所の仕事で事件を
扱ううちに、殺人犯の女性作家と
接し、興味が高まってゆく・・・。
修道院に留置される作家に届ける
物を取りに、主人公は作家の家を
訪れる。洗練された部屋に感心し、
しばしば訪れるようになる。作家
の生き方に憧れを抱き、作家の口
紅を使い、香水を付け、服を纏う。
その憧れは、作家の内面ではなく、
あくまで表面的なものに対しての
ものらしい。作家の奔放な異性へ
の情熱や、毅然とした自己主張と
は距離を置くように見える。
自分の現実は大切なものとして受
け入れているけれど、偶には別人
の優雅な生き方も味わってみたい
ものなのよ。
世間の耳目を集めた事件の陰で、
ひっそりと夢を見た人がいたので
した。