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聴刻堂日乗

プレーヤーとコーチ

テニスの話である。
ダブルスの試合は難しい。

対戦相手のプレーがある。
相棒(パートナー)のプレーがある。
それらの中で自分がどうするか。

特に相棒の調子が悪い時が難しい。
普段なら決めるチャンスボールをミスる。
自分はどんなプレーをすれば良いのか。

自分が無理して決めにいくべきか。
辛抱して自分のミスを減らすのか。
常に先行される中どうすれば良かったか。

答の見つからぬまま寝酒で眠りにつく。
浅い眠りの中で為す術もなく悶絶する。
夜が明ける頃、あることに気がついた。

ダブルスでは、プレーヤーであると共に
お互いのコーチでもあるのだ。

これまで自分はプレーヤーだけだった。
ゲーム中の相棒との話もプレーヤー視点。
戦術や技術の話ばかり。

コーチとしてのつもりがあったなら。
自分がやれることは多くあったのだ。
自分が直接プレーする以外に。

プレーヤーと同時にコーチでもある。
この気付きは一勝より悠に大きな収穫だ。
もっと早よ気付いとけって話やけどなぁ。

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