「ゲームの王国」を読んだ。
2017年に出版された小川哲の小説。
日本SF大賞と山本周五郎賞を受賞。
単行本、上下巻の大作だ。
量だけでなく質もハード。
特に上巻のポル・ポト時代は重い。
読み易い文章で救われた。
カンボジア大虐殺は1975-79年。
150万から200万人が殺された。
当時の人口の約4分の1だ。
下巻では時制一転、現代の物語。
作者の面目躍如という印象。
題名の意味も明らかになる。
これは二人のゲームの天才の物語。
様々なゲームの話が出てくる。
世の中のことがゲームで語られる。
どれも、なるほどと思ってしまう。
「ゲームのもっとも崇高なところは
勝利以外に何も求めない点にある。
人生や世界をゲームだと考えるのは
ゲームの価値を落とす行為だ。」
人生をゲームのように考えて勝とう
とすると、悪業を犯すことになる。
そう読めてしまった。