去年の春、家の前の砂利の中から、生きの良い菊の葉っぱがニョキッと出てきました。
菊? と驚きましたが、ここ10年くらい(私の知る限り)そこは
砂利のままでしたし、近くにある大きな木を剪定する時も、普通にその上を歩いていたので
不思議でならなかったのです。
遠くに住む姉にその話をすると、「どこからか、タネが飛んできただけでしょう」
と言うので、そのまま放っておきましたが、秋にポツポツと咲いた花は何だか可愛く
今年も周りを踏まないよう慎重に、花が咲くのを心待ちにしていました。
すると今年はその数倍にもカブが広がり、たくさんの黄色い花をつけ
質素な古い家を華やかにしてくれました。
昔、お母さんが大切にしていたものが、今になって咲き始めたとか...?
ずぅーっと謎に包まれたままでしたが
数日その花を見ているうちに、かなり昔(10年とは言いませんが)スプレーマム(赤)という
とても小さな鉢を買った事を思い出しました。
家の反対側の入り口においていたのですが、あまり花は咲かず、
そのうちに花は赤というより黄色に変わり、5つくらい咲いては枯れてしまう、というのを繰り返していたのです。
ベランダに置いたり、二階の窓の横に持って行ったりで、なんとか復活を試みましたが
全く花が咲かなくなり、ついにどこかで処分した気がします。
おぉぉぉ、あなたはあの時の!
「やっと気付いてくれました?」 と言いたげなスプレーマムは家の前で笑っているようです。
数年かけたお母さんからのプレゼントでは無かったですが、
気付かせてくれてありがとう、お母さん!