東武鉄道はグループ中期経営計画2017~2020を策定した。そのうち、輸送サービスのレベルアップの概要は以下の通り。
●アーバンパークラインにおいて、六実~逆井間を複線化、急行運転拡大で速達性を向上させる。
●日比谷線直通列車の速達性向上を検討する。
●フラッグシップ特急車両を導入、500系についても増備を図る。
●都心及び空港へのアクセス性向上に向けた検討、特急車両の地下鉄乗入れに向けた検討し、新たな需要を創出する。
●春日部駅のジャンクション機能を強化、スカイツリーラインとアーバンパークラインの相互乗り入れを強化し、都心からの速達性も向上させる。
●竹ノ塚駅付近、とうきょうスカイツリー駅付近、清水公園~梅郷駅間付近の高架化事業を進め、春日部駅付近、大山駅付近の高架化事業にも着手する。
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3年前に中期経営計画2014~2016が発表になって以来の経営計画の策定、前回は大宮~春日部間の急行運転、日光線・伊勢崎線の新型特急の投入、日比谷線直通用新型車両の投入、東上線地下鉄直通列車の速達化(急行運転)と、ここ数年の改正で行われてきたことが策定された。
まず、アーバンパークラインは、2014に続いて六実~逆井間の複線化を策定、2019年度末の完成を目指す。この区間が複線になれば、運河~船橋~柏間は全区間複線になる。また、高柳駅舎が橋上化になるのに伴い、2面4線化され、急行運転の拡大が可能になる。2014年度の定期外乗車人員から停車駅を予想すると、7600人の新鎌ヶ谷は確実として、4550人の馬込沢や3680人の鎌ヶ谷は微妙なところ。それ以外は全駅2000人台となている。船橋~柏間に、新鎌ヶ谷のみの急行が設定されれば、所要時間は19分と現行の普通より10分以上時間短縮されるのではないかと。六実から柏までの所要時間は数分伸びるが。野田市も2022年度の高架化で2面4線となるけど、運河から先で単線区間があるから急行運転するかどうかは怪しいところだ。ちなみに、柏~野田市間の定期客以外の乗車客数は、流山おおたかの森が断トツに多く10300人、次いで江戸川台4020人、運河3350人が続く。急行が流山おおたかの森のみに停車、単線区間の運河から先で各駅に停車する場合、通過駅は3駅だけになり、思ったほどの時間短縮は期待できない。
日比谷線直通の速達性向上というのは優等を設定するということだろう。データイムにおいて、浅草方面から緩行線へ転線するのは毎時3本の竹の塚行だけになったから、日比谷線から急行線への転線は支障ないし。現行のデータイムダイヤを踏襲して予想すると、日比直のうち半数を準急に格上げ、その代わりに浅草発竹ノ塚行を北千住の長時間停車をやめたうえで、普通東武動物公園行に変更、残った日比直は北越谷止りに変更するといったところ。でも、データイム特急の毎時本数が最大4本になっていることを考えると、現行の運転パターンを変えてくる可能性もあるわけで。
朝ラッシュ時はどうなるのだろう。北千住730~830までの急行線の運転本数は20本、全部10両だとしてもあと4本は増発できそう。対して日比谷線の北千住始発は10本もあるから、その半分を優等運転で延ばすのは簡単だろう。純増させるほどの需要がなければ、区間急行を北千住始発普通浅草行にすればいいのだし。
フラッグシップ特急は、車販なしの500系と一線と画し、導入から30年も経過する100系の後継にふさわしいものになると思われる。近鉄のしまかぜ、小田急70000系と肩を並べる私鉄特急車両になるといいのだけど。その一方、特急車両の地下鉄乗入れも検討するとのこと、新造しなければ50090系を地下鉄対応び改造をして、渋谷や豊洲からTJライナーを走らせる公算が高い。東武日光から六本木、横浜へ直通する特急を設定すれば、外人受けはするのだけど。
それらの特急より重要な課題は500系の量産、先月の改正で日光・鬼怒川の有料特急の輸送力を落としたら、GWに臨時快速に殺到してエラいことになったからな。350系を置き換えることになるだろうけど、繁忙期の輸送力増強はできるのだろうか。量産はすぐにできないから、GWの臨時列車を教訓に、今年の紅葉時期の臨時を考えた方がよさそうだ。
春日部での相互乗り入れの強化については、スカイツリーラインからアーバンパークラインへの乗り入れは、大した支障がないが、アーバンパークラインからスカイツリーラインへの乗り入れは、スカイツリーラインの下り線と平面交差になるから支障が出てくる。春日部は10年がかりで4面8線の高架になるが、アーバンパークラインホームとスカイツリーラインホームの交互配置にならないから支障するには変わりない。多分、アーバンパークライン1面2線、アーバンパークライン・スカイツリーライン乗入用1面2線、スカイツリーライン2面4線という整備をするのだろう。東武動物公園方面列車が春日部駅に入りきるまで、アーバンパークラインから北千住方面列車は駅で待機する感じで。
空港へのアクセス性向上というのは、押上でのアプローチ見直しということなのだろうか。アクセス特急だと成田、エアポート快特だと羽田に行くわけだし。日光からの特急だと、押上へ行くのが中途半端なんだな。現状だと、北千住で降りて5分後の急行に乗り継ぐわけだが。それでも浅草乗り換えの頃よりはマシか。とうきょうスカイツリー駅は高架化で押上駅近くまで移転するから、その時に押上駅コンコースへつながる階段が整備されるのではないかと思う。
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