会社の図書室の図書のおかげで、話題の本が早く読める幸せ♪
買えばよいのですが、ハードカバーの本はそこそこ高価。
気になるものをすべて買うわけにはいかず・・・図書室最高!なんです。
今回はこちらを借りてみました。
『宙ごはん(町田 その子著)』
「52ヘルツのクジラたち」で、好きになった作家さんの本です。
まず、タイトルで私は勘違いをしていました。
宇宙の”宙”という文字をタイトルにしているのだから、きっと宇宙食の話に
違いない、その開発を巡っての小説に違いない、と。
これはまったくの間違い!
”宙”と書いて”そら”、主人公の女の子の名前でした。
宙を育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいるという
その設定から家庭が複雑な家族小説だとわかります。
宙の幼稚園時代からの成長、そしてお母さん、ママ、取り巻く大人たちの
変化が丁寧に、料理をスパイスに進められていくのです。
その料理たちのおいしそうなこと!
(レシピは載っていないのですが、再現してみたくなります)
しかし、その料理が癒してくれるエピソードは甘く優しい物語ではなく
むしろ、ほろ苦く切なかったり、辛いものだったり。
されど、それが人生であり、乗り越えるためには”ごはん”が寄り添うのです。
寄り添うというより、そっと前へ進めるように一緒に歩く、そんな感じ。
文章や表現はとても読みやすい小説なのに、読めば読むほど、
その多角的な視点に魅せられます。
そして。
ふわふわのパンケーキを食べたくなるのは間違いなし!です。
(私はメレンゲで失敗しましたけれど・・)