わただま 摘んだ?

風になる 花のかおりをまとうこと 遠い訪れを搬ぶこと 水のありかを囁くこと そして こっそり石たちの夢にすべりこむ

罌粟(けし)ひらく

2008-09-23 07:54:45 | クラルテひろば
こちらも、Mちゃんの作品から。

もともと、テーブルセンターにする図案をお預かりしたのですが
この絵をみたとき、ふとスカーフにしたいなと思いました。
それも、シルクに染めたらどんなにすてきだろうと。



ご相談するうち、Mちゃんがよくされるロングマフラーに行き着きました。

旅行前に確定したのはここまで。
あとは全件委任のまま直接、遊工房での企画会議に持ち込まれました。
図案をまえに、五人がかりの一大プロジェクトです。

一枚仕立てにするならすこし厚めに、とこまかい地柄のしっかりした絹が撰ばれました。
さらに丈を決め、仕立て方や房の処理を決め、地色を決め・・・

このあたりは、使う側にたってのこまやかな視線、
じっさいに染めをされる、otyukunさまの奥さまにたいへんお世話になりました。

写真ではわかりづらいですが、淡いブルーグレーのおしゃれな地色、
とても都会的なテイストのショールになりました。



羽織っていただいたところです。
すごい美人さんですが、今回は、ショールのみ。

気がついたことは、身にまとったときのうつくしさ。
たたんだままではわからない艶やかさが立ちのぼります。

長い歴史をかけて女性を彩ってきた 京都の職人さんならではの技でしょうか。


いのちをつむぎあげた絹に いまひとたびのいのちを活かす。
それは、お仕着せのマニュアルでできようはずがありません。
同じものがふたつとない、按排でうみだす調和。
直感と経験で裏打ちされたセンス。
垣間見させていただいたこの伝統が、どうか次の世代に受け継がれますよう。







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