いつから持っているのかわからないくらいずっと前から
箱の中にしまってあるいくつかの思い出。
たぶん、これが一番古い。
小学校の一年、東京に転勤が決まったとき、母が私とレモンちゃん、そして妹に買ってくれたペンダントのトップ。
私とレモンちゃんのはピンク、妹のは赤。
裏には、めいめいの名前が彫ってある。
おもちゃなんだけど、あのころはこういうサービスがあった。
これは、父が三つ持ってきてくれた三つのブローチ、母と妹とそれぞれに選んだうちのひとつ。
大事にしすぎて、一度もつけたことない。
おとなになったら、それはそれでつけられなくて。
北海道から帰るとき、ベタコにもらったブローチ。
そんなに親しくなかったというよりは、私のことあまり好きではなかったんじゃないかと思っていたひとからの、思いもかけぬ素敵な品だった。
それからも、音信があったわけではない。
ただ、このブローチをベタコからもらったこと、今でもとっても気に入ってることだけで、生涯大切に持ち続けるのだろうな。
ご多分にもれず、これももったいなくてつけたことない。
ふしぎなことに、高校の同級生でベタコと生き写しの人がいた。
一人だけ、セーラー服をきていたから、なおさら似ていた。
彼女を見るとき、いつも心のそこでベタコと重ね合わせていた。
そこにいっしょにいるというだけで
それ以上近づかなかったという同じような友達に。
これこそ。ラッピングにでもくっついてきた造花ともいえない飾り。
ガラスの犬にいたっては、いつだれがくれたのかも覚えていない。
だけど、いっしょ。
これまでも、これからも。
きっと本当に、丁寧に大切になさっていらっしゃるんでしょうね・・・
私など、つまらないものばかりが捨てがたく
片づけ下手の言い訳ばかり・・・です。
また素敵な思い出の詰まった宝物を、見せてくださいませ。
そしてそのたびに「じゃ捨てられるの?」と、
もう一人の私。いつも答えは同じ
「捨てなくてもいいものだって、あっていいじゃない
まぶしてあるのよ、捨てられないおまじないの粉が」
思い出、とか記念、とか、いろんな色した
私にしか見えないおまじないの粉・・。
もう何色だったかわからない粉の色・・。
それでも、その粉がずっとうっすら、
可愛いモノたちを包んでいる間は、
私は問答を続けます。
「どうするの?」「いーじゃない」
引越しが決まると、みかん箱ほどのダンボールに、自分の荷物を詰め込んだものでした。
風待人さま
今回お見せできたのは、そのなかでもめやすい(?)と思われる一部です。
もっと、もっとどーしょーもないものも抱え込んでおります。
とんぼさま
今までで、一番「どーするの?」だったものは、小学校のとき、大阪の二乗山にリュックしょって拾いにいった石のみなさん。
教頭先生が石がお好きで、隆起した地層ですとか、水にとがれたまるい石ころとか見学したり、集めたり。自由研究みたいな取り組みでした。だーいすきでした。
リュックにいっぱい集めた大事な石は、北海道を経由して、十年後、実家が家を建てたとき、玄関の敷石の間にやっと落ち着きどころを見つけました。
よく、親が文句を言わなかったものです。
石やら木の棒切れやら、ホントウにいろいろなものを収集してきますので
玄関周りは、人から見るとガラクタだらけ。
けれども、いつの日か、見事なオブジェになってよみがえる・・・
ことは、やはりないでしょうか?
「ゲド戦記」でも語られております。
あるがままも、また。