わただま 摘んだ?

風になる 花のかおりをまとうこと 遠い訪れを搬ぶこと 水のありかを囁くこと そして こっそり石たちの夢にすべりこむ

蟹めーっっ、

2006-03-03 22:53:06 | べりーずりーふ
ネットで、今日のレシピなど見ていた娘が、
「今日って、はまぐり食べる日なの?」
と聞いてきた。
「そう」
とこたえながら、内心、まっずいな~と冷汗。
昔、弟が枇杷を知らないことがあった。
そのとき母が、お金がなくても季節のものは食べさせなくちゃいけないと悔やんでいたことがよみがえる。
と、突然。
なぜわが家ではまぐりのお吸い物が忘れられたか、というそもそもの原因を思い出した。

雑煮椀を 奮発した年であった。
さっさと決めればいいものを例のごとく迷っていて、大晦日も迫り、意中のものは一セットしか残っていない。
それにはちょっと塗りの疵があったため、年が明けてから修理をしてくれることになった。
塗りの直しは時間がかかる。
お節句には間に合わないと諦めていたが、ちょうどぎりぎりであがってきた。
塗りたてはまだ落ち着いていないという知識は、頭のどこかにあった。
が、せっかくまにあったんだし。

異変は夕食のとき発覚。
はまぐりさんたちのなかには、なんと蟹さんが一ぴきずつ棲んでいらして。
身なんて食べられたものじゃない。
それだけでも充分がっかりするのに、蟹さんたちのハサミだかあんよだかが、
お椀の内側にしっかり新しい引っかきキズをこさえていた。

ギャオス!!

その記憶がトラウマとなって、雛の宵のはまぐり椀は登場しなくなったに相違ない。
・・・・・たぶん。


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