「標高1,000mの壁」の記事で、苗木の予備を自分で用意する必要性について書かせていただきました。挿し木(さしき)によってクローン増殖を図ります。
まず、冬の剪定をした際に、切った枝を春先まで保存しておきます。
保存方法は色々あるようです。土に埋める、乾かして冷蔵庫に入れる、濡らして冷凍庫に入れる。正解は分かりませんが、ブは濡らした新聞紙で枝を包み、2週間ほど冷蔵、その後冷凍して、挿し木の前の2週間をまた冷蔵、つまり人工的に冬を経験させる感じです。
今回は、正月明けに剪定した枝を3月半ばに挿しました。
貧栄養の土(鹿沼土を使っています)に挿して毎日、朝晩に灌水。だんだん芽が膨らみ、4月になると系統により時間差はありますが葉が出始めます(展葉)。この展葉率が、挿した本数の概ね9割くらいです。
でも、これは単に枝が持っている力(栄養)のお陰であって、問題は発根するかどうかです。発根できなければ、葉の成長に伴い、葉からの水分の蒸散が大きくなり、水分の供給が追いつかなくなって、やがて枯れます。その発根率が概ね8割でした(またまた大ドジ。写真を撮るのを忘れました)。
結局、全部で199本挿して、138本が苗畑デビューできました。
実は、ヤマブドウは挿し木の成功率が普通の生食用ブドウより悪いと言われています。比較のために、普通のブドウ代表でデラウェアも挿して見たのですが、ヤマブドウ(野生種)の発根率が最終的に7割未満だったのに対し、デラは10割でした。今回に関しては噂は本当だったようです。
苗畑の全容がこれです。
エンピツくらいの太さしかないので見えづらいですよね。ま、いっぱいあるのね、と思ってもらえばOKです。
でも、これで終わりではありません。この後、何割くらいがしっかりと活着して生き残ってくれるか?夏を耐え、冬を越えた来春に答えが出ます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます