野生のヤマブドウには、標高的に生息範囲というものがあります。
コブトー農園がある群馬県北西部の吾妻地域では、標高1,000mを境に、それより低いところには野生のヤマブドウはほとんど自生していません。
もちろん、ブが自分の目で見た限りのことで、学術的に調査したものではありませんが、そこには何か理由があるはずです。
ヤマブドウは、林縁部(りんえんぶ=森林の“へり“部分で、伐採や道路工事で明るく開けたところ)の良く陽が当たるところを好みますが、そんな場所が好きな蔓性の植物は他にもあります。
標高の低いところで良く目にするのが葛(クズ)。どこへ行っても大抵は厄介者ですよね。
他にもカラスウリなどもあります。
少し標高が上がるとマタタビ(白い葉っぱがチラチラしているヤツ)なども混じってきます。そして・・・
標高800mくらいを境に、これらの蔓類は少しずつ数を減らし、ようやくヤマブドウがポツポツと目に付き出すようになります。
何を言いたいのかというと・・・
コブトー農園で栽培をしようとしているのは、実は野生種のヤマブドウです。
ということは、標高500mの農園は、本来的には栽培の不適地である可能性があると言うことです。
標高1,000m以下にヤマブドウが自生していない理由としてブが考えているのは、ヤマブドウが植物として・・・
①標高の高いところには存在しない害虫や病気に弱い。
②標高の低いところの暖かい平均気温や最高気温に耐えられない。
③基本的に他の蔓類との競争に弱い。
などですが、さらに林業が盛んな地域では造林木の成長を阻害する悪者として積極的に切り捨てられるということもあります。
取り敢えずできることとして消毒などの手段を講じたとしても、せっかく植えた苗木が上手く育たずに枯れてしまう可能性は考えておかなければなりません。
ヤマブドウ栽培そのものが超マイナーな上、野生種とあっては、苗木が枯れたからと言って、その辺のホームセンターでは替えの苗木は手に入りません。
そこは自分で何とかしなければならないので、一つの手段が、バックアップとして、挿木(さしき)で苗木を用意しておくことです。
その様子がこれ。
現在、鋭意育成中ですので、近日中に報告したいと思います。
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