仙台市地下鉄もついにICカードを導入した。JR東日本のSuicaと同様、改札の読み取り機に定期入れのままタッチするだけで改札口を通過できる。
今まで多くの人が利用していたプリペイドカードは将来廃止されるとの事だが、 ICカード購入時にディポジット、いわゆる預り金が必要だったり、プリペイドカード利用額が購入額の10%も増額されることなどから、私はまだプリペイドカードを利用している。
それでも毎日ICカードでスイスイ改札を通過している人達を見ると、ああ、そろそろ使い始めようかとも思っているのである。
この季節、毎年であるが乾燥した日々が続き、手肌はカサカサ、静電気はパチパチと不快なことも多い。通勤時、地下鉄で読む本のページをめくるのも難儀である。
その日の朝も電車で読んでいた本のページをなかなかめくれなかった。悪戦苦闘の末、つい親指の腹をペロリと舐めた。
ふと前を見ると、窓に映った自分の後ろからこちらをじっと見ているOL。
見られたのか?年寄りくさい仕草だったなと反省したが、すぐにそんな事はどうでもいいと思ってしまうあたりがすっかりオジサンになったということだろう。
15分程で会社の最寄り駅に着き改札を出ようとすると、今度はプリペイドカードが定期入れから出ない。カードがツルツルでカサカサの指ではプリペイドカードをつまめない。ラッシュ時の人の波に流され改札口は目の前に迫っている。久々に焦った。
一瞬躊躇したが、改札目前で再びペロリ。無事改札を通過する事ができた。
と思った瞬間、隣の改札に先ほどのOL。また見られたのか?いや、視線はこちらには向いていないぞ。大丈夫だ、気付かれてはいない。たとえ見られたとしてもそれが何なのだ、と自分にい言い聞かせたが、改めて見回すと回りには大勢の目。さすがのオジサンでも人混みの中ではペロリは止めようと思った。
今使っているプリペイドカードの残額が無くなったら、ICカードを買おう。ただし本のページめくり対策は今後の検討課題のままである。